「アスラン〜!!」



いつも、いつも・・俺の気も知らないで。







+君と僕の思春期課題+



今日から中学生。

そんな、桜も綺麗な四月の初め頃---------。



「・・・、キラっ、カガリっ!!今日は入学式だろっ!!たく・・こんな日まで寝坊するきか!?」

小学校の頃となんらかわらず、大声で玄関から呼ぶ。

「ゴメンね、アスラン君・・毎日毎日・・・」

おばさんもいつもの事ながらと申し訳なさそうに謝ってくれる。

「いいんですよ、キラとカガリは・・俺が面倒みてやんないと。」

「助かるわ〜アスラン君にはいっつも迷惑かけてばかりねぇ」

すると急いでキラが階段を下ってきた。

「アスランッアスランっ!!!大事件っ!!!」

そう言いながら階段で二回もつまづくキラ。

「事件は分かったから、寝癖ぐらい直してこいよ・・お前・・。」

そうして呆れた顔をしてやる。

「もう!本当に事件なんだってばっ!!!!」

そしてキラは階段の上を指したのでその指を追いかけるように視線をずらした。


「・・・・・。」

「ほらっ見て!!!カガリッ」

「・・・・・・・え、あ・・うん。」


思わずどもってしまう。

「な、なんだよ・・事件って言うから急いできたのにっ何が事件なんだ?!」


そこにはセーラー服のカガリがいた。
















そして中三。


「まったく、あの時のアスランの顔。今でも忘れられないよ。」

キラは笑いながらラクスに言う。そんな前のこと・・今更からかわなくても。

「あら・・カガリそれまでスカート履いたことなかったのですわね。」


だって・・・。


「ま、刺激的だったんでしょ・・アスランにとっては」

そうキラに馬鹿にされたように言われカチンと来た。

「煩いっ!!お前だって事件だ事件だって騒いでたじゃないかっ」


そりゃ、見た瞬間固まったのは認めるさ。何十年幼馴染をやっていて始めてのスカート姿だし・・・。

「別に僕、アスラン見たく厭らしい目でカガリの事見て無いもん〜」

そう白々しく言われ更に頭にくる。

「アスランっ!!」

そう、いきなり何か飛びついてきてよろけそうになった。

「あっキラとラクスっ!!柱で見えなかった!!皆いるじゃないか!!」

話題の本人登場。

そしてその子はその会話の内容も当然知らないわけで、無造作なまでに俺の頭に抱きついている。

「カガリ・・遅かったね(生殺しだな〜アスラン。)」

「あぁ、悪いっ!ちょっと部活長引いた!」

「帰りましょうか(同情いたしますわ。アスラン)」


そう、俺の気を知らない。カガリは。

というか、カガリだけ知らない。

キラにもラクスにも・・先輩のディアッカにも先生のフラガ先生、ラミアス先生にも態度でばれるよと言われたのに。


一向に、当の本人は気が付かない。


幸か不幸か?


「・・・・・・・。カガリ」

ラクスとカガリが並んで歩いていて気が付いた事が在った。

「スカート短くないか?」

「え?そうか・・・?普通だと思うけど?」

「(何処見てるんだよ。アスラン)」


そして少しスカートを下げるが、一向に下がったようには見えない。

「身長伸びたからな〜。もう丈が足りないんだ。」

そうカガリは言い放ち、さも当然のように歩いている。



校内で、カガリと歩いている時・・妙に男子の視線が気になりその先を辿った。

「・・・・。やっぱり・・・。」

どの男子も、どの男子もやっぱりカガリのスカート丈を気にしてる。


「なにが"やっぱり"なんだ?」


金褐色の瞳に下から覗きこまれ、あ、あぁと少し意表をつかれたが言葉にだそうとした。

「・・・・・・・・。」

でも、いざとなると皆カガリの足を見てるなんていえるわけも無い。


でも・・俺自身不愉快極まりない。

「どーしたんだよ?」

「---、もっと女子なんだって自覚しろよな。」

ちょっと冷たく言ってしまっただろうか?


だって・・本当に不愉快なんだ。















「アスランを・・怒らせた?ですの?」

「なんか・・良くわかんないけど・・怒ってるように見えた。」


---女子だって自覚しろよ。


今まで自分が女である事を特別自覚した事は無かった。

そりゃ、制服はスカートだし、水泳の時とかは分かるが・・

それ以外特に自分が女である事を強く自覚した事は無い。


「あらあら・・ですが、大丈夫ですわ。」

「何が?」

「カガリはアスランとの仲直りの方法をずっと昔から知っているのでしょう?」


ラクスはニコニコ微笑みながらそう言った。

そう、自分とアスランは幼馴染、だから仲直りのパターンだって心得ていた。


「・・・うん。・・仲直り・・してくる!!」

「そのいきですわっ」

そしてアスランの教室に向かった。




















ガラガラッ!!!



「アスランッ!!!」

急に扉は開きビックリしてみると、走ってきたと思われるカガリが立っていた。


幸い自分は日直で教室に一人だったから恥ずかしい思いをしなくて済んだ。

「何のようだ?」


口調が冷たくなったのはやはりスカートが目に付いたからだった。

俺以外の奴が、今の俺のような気分でカガリのスカート姿を眺めている・・やっぱり嫌だった。

ただの独占欲だと理解している以上カガリに言えるはずもなく、それがカガリを困らせている事も何となく分かっている。


「-----・・。アスラン・・あのさ・・。」

ゆっくりとこちらに歩いてきて俺の正面の席に座り背もたれを正位置として足を開き座る。

そういうのが、自覚が無いって言うんだ。


「・・・ぜんぜん分かって無いじゃないか。」

こういう事を俺の前だけでするのは構わない。だが他の男子と話すときだって普通にしてしまう。

それが・・嫌だ。


「分からないさ・・女の子らしくなんて出来ない。」

知っているさ。大体女の子らしいカガリなんて何だか気持ち悪い。


でも・・最低限の節度って奴だ。


フッと立ち上がり、俺の後ろにカガリはたった。


「?」


そして細い腕がゆっくりと肩に乗り俺の首元で組まれた。

「・・っ・・カガリ?」


ふっくらとした頬が俺の頭に当たり、俺の顔には金髪のサラサラとした髪が掛かった。

「・・・良く分からない・・けど、アスランを怒らせた事は分かった。-----ゴメンな」


「カガリ・・・。」


胸が当たってるんだけど。






でもそれは黙っておく事にした。


だって、それはカガリが俺にしかしない事だって良く知っていたから。


「・・・もう・・怒らないか?」


「----考え中。」


「なんだそれ・・。」



そう言って出来るだけ長くこの状態でありたいと願うのは罪になるだろうか?

「・・・怒ってないよ、はじめから。」

「・・・嘘付け。怒ってた。」



そしてまた強くギュッと抱きしめてくれる。


それを俺は知っていた。また暫くしてその腕が解かれる。


「帰るぞ、ラクスたちが待ってる」


「あぁ・・。」




そして幼い頃、喧嘩した後のようにカガリと手を繋ぎ歩き出した。























+++++
あとがき
アスラン変態っぽい・・・・。(失礼)
しかも怒る観点が父親臭い。
でもまぁカガリラヴでw
気が付いたのですが私ミニスカネタ好きらしいです。
だって・・・本編じゃ絶対見られないじゃないですかっ!!(そんな理由・・。)
2006.03.01