8 可愛い恋人



あれから・・二人で話し合い、結局・・月・水・土だけ会う約束をする。
これでもお互い譲歩した結果であった。

「・・・・・動けないんだが。」
「・・・・・・・・。」

喧嘩期間&話し合い期間で一週間会わなかった。
会えたときは嬉しかったし、やっぱり好きなんだなぁと実感もした。


が。


「・・・だって、今日はカガリと一緒にいる日だろ・・・?」

甘えん坊な可愛い彼氏の御陰で、夕食の仕度もままならないのだった。













「今日はお前の好きなロールキャベツなんだぞ!もう、離れないと作れないだろ??」

そう言う自分も何処か嬉しそうであるとカガリの気が付いていた。
思わず頬が弛むと、アスランは嬉しそうにキスをしてくれる。

ちゅ・・と軽いのをすると、アスランは「いまお預けの分、後で、ね・・・?」と優しく笑い手を離してくれた。

ちょっと淋しいな・・なんて、さっきまで反抗してたのに思う自分が居る。

作り終わると・・アスランも運ぶのを手伝ってくれて、作ったばかりの夕食を二人で食べていた。


「カガリの前より美味しくなった気がする・・。」

「ほんとか?!」


実際、アスランに会うまではロールキャベツなんて家事の手伝いでしか作ったことがなかった。
第一キャベツを巻くのが面倒で・・だが、前回作ったときも初めてにしては優秀だったがやはり、今回は前の失敗を乗り越えるべく頑張ったかいがあったようだ。


「良かった。」


嬉しそうに笑うカガリにアスランも頬が赤くなる。
二人ではにかみながら夕食を取り、流れというようにアスランに押し倒されていた。
そこから繋がったり離れたりを繰り返す。

やってる最中のアスランの顔は女なんじゃないかというくらい綺麗だが、体や息遣いが男らしく・・本当に綺麗だとカガリは思う。

でも綺麗だと口にすると「カガリの方が綺麗だ」なんてセリフを吐かれ隅々までキスされて恥ずかしいのでこの頃は言わないよう控えている。


終わると・・ベットに二人で入り、アスランが髪を撫でたり肌をさすったりしてくれるので、カガリからも綺麗な髪を梳いたり頬にキスしたりしていた。


「・・もうじき・・帰る時間だよな・・?」
「・・・・・・・・・、いいよ。帰りたくない。」

「またそんな我が儘・・」

「俺の家は放任だから・・問題ないんだ・・。」


ギュッと動けないよう抱きしめられてしまい、カガリは少し困りながらも「でもな、」と声を出す。

「お前はまだ未成年なんだ・・だから、帰らなきゃ駄目だ。捜索願とか出されてたらどうするんだ?私は誘拐犯になるんだぞ。」
「・・・・・電話してくる。」

「・・本当に平気なのか・・?」

「電話すれば、絶対に平気だから。」


だから良いよな・・?そう伺ってくるアスランにカガリは優しく笑い返す。
恋人に一緒にいたいと言われて・・嬉しくないはずがないじゃないか。
電話を掛けてベットに戻ってきたアスランにカガリから擦り寄ると、アスランはフッと笑い包むように抱きしめてくれる。
アスラン的にはもう一度やりたいのだが、安心しきったカガリが腕の中でうつらうつらしてるのを無理矢理起こしてしまうのは申し訳ない。

鼻孔いっぱいにカガリの匂いを溜め込みアスランも安心するように眠りについた。











喧嘩して地固まると言うが、それは正にこういうことなのか・・?とカガリは思う。

世の女性はこういう駆け引きが上手いのだろうが生憎自分には持ち合わせない術のように感じる。

好きなら好き。それしか見えない。







「エルスマンさんと仲直りしたんだ。よかったな!」

「・・まぁ・・ね。」


昼を取りながら、今朝二人が一緒に出勤してたのを言うとミリィは少し赤くなった。
きっとエルスマンさんもミリィのこう言うところが好きなんだろう。


「その・・ね、昨日プロポーズされたのよ・・。」


ひそひそ・・と言うミリィにカガリは「え?」と喜びと興味が入り交じったような声を出した。


「OKしたんだろ?」

「・・うん・・・。」


真っ赤になりながら嬉しそうにはにかんだミリィがとても可愛くて、カガリはクスクスと笑う。
ミリィも嬉しそうに笑ってから、指に着いたアメジスト色の宝石を眺めていた。








"羨ましい"なんて思うのは、間違ってるのだろうか。







そう、カガリの脳は小さく痼りが出来たようにその指輪を見つめていた。









家に帰り・・今日はアスランが居ないんだったとカガリは淋しく思う。
そのままソファーへと沈み込んだ。


「・・指輪・・かぁ・・。」


あの紫の色は間違いなくエルスマンさんの目の色。
・・私も、エメラルドの指輪なら是非ともつけたい。



----------------・・何を考えてるんだ、相手は高校生なんだぞ?



眺めていた自分の指を折り曲げ、カガリは小さく溜息を付く。
私は24だ・・ミリィも同じ。結婚するにはちょっと早いが適年齢と言ってもいいだろう。

アスランは・・今18・・誕生日はまだだから17か・・。

大学に行って・・大学院も・・いくんだっけ?



・・・・・・・・働き始めるのはアスランが26・・・・・・・、



私は・・・?



そう考えた瞬間、カガリの思考は一気に暗くなる。
暗くなった場所を晴らすように・・家にある電話が鳴る。

カガリはハッとして受話器に向かうが、相手がアスランでないことに気が付き落胆した。



・・・・アスランだったら・・携帯だ。



「・・もしもし?」
「・・久しぶりだな・・カガリ。」

「----・・お久しぶりです、お父様。」

電話の相手に・・カガリは少し和んだ。
お父様・・そう、呼ぶのは実の父との区別のためだったが・・今では敬愛を示す一つの言葉として使われていることが喜ばしいと思う。


「元気か。」

「はい、体も仕事も順調です。」


「・・そうか・・変わりないようでよかった。」


カガリの本当の両親は居ない。・・だが、自分とキラを実の子のように可愛がってくれた・・ウズミ・ナラ・アスハ・・。
大企業の社長である。



「・・カガリ・・申し訳ないのだが・・・・・。」



その、大好きなお父様であるウズミは、申し訳なさそうにカガリに頼み事をした。

断ろうとすれば、きっと断れたと思う。


でも・・断らないのは・・・お父様にもらった沢山の恩に報いるためだった。

































































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あとがき
これからシリアス方向にずれていく予定。
2007/08/20