あれは、夢だったのかもしれない。 次の日の朝、アスランはそう思っていた。


2 つかの間で再会



考えれば考えるほど奇妙な出会い。
でも・・あのカガリいう女性はとても魅力的で、アスランの頭はそれでいっぱいだった。
馬鹿みたいだ。何で、また・・よりによってもう会えない人に関心を抱くのか。

同学年ならば、腐るほど求愛してくれる人はいるのに。(乗る気には一向になれないのだが)
はぁ・・そう地の底より深い溜息を、アスランは一週間で何百回も繰り返していた。





この間の男の子。


それはカガリの中で特別で、可愛らしい一コマとして想い出に飾られていた。
だって、あんまりにも奥手で可愛らしいんだ。

期待してキスされるのを待ってる顔なんて、本当に最高だったな・・。


そうクスクス笑う。


ちょっと悪戯したくなったのだが、あんまりにも可哀相だったので止めた。
あの年にしては目鼻立ちがハッキリしていると思う、大人になればきっと素敵な男性になるのだろう。


そんな事を思いカガリはまだなれない車を何とか操り会社へと向かった。

昼休み、近くのレストランへ行こうとカガリは同僚のミリアリアと外に出る。
ミリィとは大学も一緒でサークルまで一緒・・ほぼ親友と言える粋だと思っていた。


「ジメジメしてるわね〜・・梅雨ってコレだから嫌い。」

「ホントだな・・、蒸し暑い・・。」


傘を差しながら話していると、駅前で藍色の髪を発見する。



もしかして・・。



そう相手もこちらに歩いてきてまだ気が付いていないようだが・・。


「アスランッ!」


そう声を出した。











傘を差し駅の乗り換え中、アスランはぼんやりまたあの女性のことを考える。

カガリさん・・また何処かで会えればいいのに。

恋煩いなんて馬鹿らしいと思っているのに、どうして抜け出せないんだろう。

いっそあの時キスの一つでもしておけば良かったんだ。


そう考えている最中だった。



「アスランッ!」



声の主を理解するのに数秒も掛からなくて。

「カガリ・・!、さん。」

思わず、花が咲いたように笑顔になっている自分が居た。














「何?カガリの知り合い?」

「ああ・・知り合いって言うか、な?」

「え、あ・・。」


しどろもどろしてしまう自分が虚しい。
だが顔が嬉しそうに赤く染まっているのでミリィは直ぐにピーンときてフフッと笑う。


「まだ昼なのに・・早いな、帰るの。」

「今日は土曜だから・・午前授業なんですよ。」

「そっか・・。」


話すネタがない・・そうアスランは瞬時に考える。
何か、何か話して一緒にいたい!

そう思った瞬間横の女性から助け船が出た。


「今からランチなの、貴方も一緒しない?」


願ってもない事に、アスランは思わず「はい!」と声を出す。
分かりやすいわ・・とミリィは小さく笑った。









「どうする?奢ってやるよ。」
「いや・・自分で払います。」

そう言ってみるものの・・お金が足りるか心配でアスランは自分の鞄を見つめる。
昨日参考書を二冊買ったから・・残金は八百円ほどしか残っていない・・。
ファミレスで良かったと思う。何とかスパゲッティーぐらいなら食べられそうだ。


「ドリンクバー飲むよな?」

「デザートもね。」


そんな話を二人がしているのを思わず流していると、いつの間にか単品ではなくセットで頼まれていた。


「・・、どうしたの?アスラン君。」
「い・・いえ。」

まさかだ・・今更奢ってくださいとも言えずアスランは絶句する。
第一女性に奢らせるなんて、アスランの中でのマナーに反するのだ。
どうしよう、今から友達に電話してお金かして貰うか・・・、だがわざわざファミレスに来てくれるような奴は居ないし・・。
そう思っていると、カガリはアスランの悩みに気が付いたのかニカッと笑う。


「年上には甘えて良いぞ、奢ってやるつもりだったから。」

「いや・・でも・・・っ・・・!」


そうアスランが意地を張ろうとするとミリィは「じゃあ・・」と提案する。

「アスラン君が奢り嫌だって言うなら、今日はカガリが持っておいて、後日返せば良いんじゃない?」

そう言った後に、ミリィはアスランにウインクをする。
アスランは自分の真意が気が付かれていることに、焦ったが見方をして貰えているので何だか頼もしく思った。


「そうだな、じゃあメアド交換しとくか。」


そう言って赤外線でメールアドレスを交換する。
何だか嬉しくて手が震えそうなのを必死で押さえた。


「基本的に夕方五時くらいに会社でるから・・メールしてくれれば行くからな。」
「はい。」

そうして三人で昼ご飯を食べそのファミレスを後にする。
自分がカガリさんと同僚だったら・・きっとレジの前に立って払えているのにと、高校生の身分を嫌に思った。

駅まで来ると、二人と別れアスランは歩き出す。
電車に乗った途端、アスランはカガリのメールアドレスにメールを送った。






****
今日はありがとうございました。
後日、またメールします。
****


そうすると直ぐに返信が帰ってくる。


****
私もお前と食べれて楽しかったよ。

また一緒に食べに行こうな。
****


その言葉に、アスランの頬は染まる。
社交辞令だとしても嬉しい。


そうそのメールを見てアスランの気分は浮上していた。

















「アスラン君、カガリに気あるみたいじゃない。」
「え?」


まさか、とカガリは笑う。ミリィは「絶対そうよ」と確信があるように言う。


「そうか〜年上の女性に憧れてるってだけだぞ。きっと。」

「そうかしら?私には全然無関心だったけどなぁ。」

「ちょっと出会いのインパクトがでかかっただけだ。大体、アイツ格好いいから彼女いるだろ、多分。」

「確かに・・大人になったら更に持てそうよね。」


そう言いながらカガリはミリィを車に乗せ走り出す。
ミリィは"カガリの運転は危なっかしい"と言いながらもちゃっかり毎日乗って帰っていた。





家に着いてから・・カガリは真面目にミリアリアの言葉を考える。
まぁ・・確証のないことだから・・どうこうしようがないんだけど・・。


ミリィの洞察力は・・恐いからなぁ・・。


当たっているを前提に考えると、ちょっと嬉しかったりするのは事実だ。
アスランは顔がとても綺麗だし・・礼儀正しいし・・。


--------うーんでもやっぱ"弟"の方がしっくりくるなぁ。


今日のファミレスで意地を張ったりおどおどする姿はまるで子供。

それが可愛くて、カガリはまたクスクスと笑う。



「・・好き・・かぁ・・・ま、有り得ないだろうけど・・。」



そう口にしつつ、本当だったらどうしよう?と小さく思った。
































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あとがき
まだ白アス・・、黒にはならない予定ですがグレーくらいにはするつもり(´・ω・`)
2007/06/05