8,空虚

















貴方が映しているのは私じゃない。
それが酷く虚しい。




蠱惑的悪夢




-他人-




「カガリ。」

ミーアはもう、カガリに話を持ち出していた。
アスランが多数の子に手を出していること。
それは・・決まって、カガリとの思い入れのある場所。

屋上。
保健室。
クラス。

アスランの隣。


「・・そうか。」


カガリはそう・・申し訳なさそうに呟いて、ミーアに謝罪した。

私のせいだ、と・・何度も謝罪していた。

だが・・・最後に、でも・・と、付け加える。


「私はもう・・恋人じゃないから・・あいつに何か言うことは出来ない。」


もっともだ、けど。そう口を開こうとしたとき。

「それに・・メイリンが幸せそうだろ?・・・壊したくない・・」

正直に言われ、ミーアは黙ってしまった。

彼が好きなのは、このカガリ。


他人を思いやるカガリ。


それが・・


彼の映す人。

私は、他人。













後悔をしていた。

私達は・・出会うべきじゃなかった。




-ミステイク-




ミーアに・・申し訳ないことをしてしまった。
メイリンにも・・申し訳ないことをしている。

でも、それを壊そうとは思えない。


「・・・何、やってるんだよ。」

私が一丸に悪いわけではない。
女癖が悪いとは・・知らなかったが、アスランのせいもある。

一度に沢山の女の子に手を出すなんて・・間違っている。

私の知っているアスランは、

私の、好きなアスランは


二股、、、ましてや四股なんて、絶対しない。


道理に反することはしない人だった。




変わってしまった、

変えてしまった?


私が悪い?



違う。



私も悪い。彼も・・悪い。


出会うべきじゃなかった。













彼の彼女になった。

だから黙っていた。





-無慈悲-




にわかに噂になる。

アスランさんの浮気話。

信じていないわけじゃなかった。


私は、


カガリ先輩と違って、

何の魅力もないのだから。




「・・私・・魅力無いですよね。」


ぽつんと呟いた一言に、アスランさんはフッと笑う。

そして・・耳元で小さく囁いた。


「そういう謙虚さがいいと・・俺は思うよ。」


顔が赤くなるのも致し方ない。

アスランさんは・・それを嬉しそうに眺めている。

私は気が付けないで居た。

彼女という立場に、とことん甘えていた。













彼女は最初から良いと言っていた。

言いだしたのは俺。








-エンドレス-




彼女は、俺のことを手伝いたいと言ってくれた。
利用するなんて事はない。

ただ・・


カガリと重ねていた。


無垢なカガリ。

耳元で囁くと真っ赤になるカガリ。

自分の何処が良いんだと真剣に訪ねるカガリ。


メイリンの中にカガリを見つけては喜び、

違うところを見つければ、凹む。




やっぱり、


君は




「・・メイリン。」





カガリじゃない。































































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あとがき
ごめん・・メイリンッ・・orz
2006/08/27