彼女は最初から嫌だと言っていた。
押し切ったのは俺。
蠱惑的悪夢
-エンドレス-
潔く、理解した。
カガリは俺のことを嫌いなんだ。
傍にいたくないほど、
学校に・・来られなくなるほど。
俺が嫌いなんだ。
認めるのが恐かった。
だから・・ずっと避けてきた。
アスランとカガリの・・付き合いだした一周年記念日からは
もう、一ヶ月も過ぎていた。
「メイリン。」
隣にいる彼女。
「はいっ」
くったいなく・・純粋に、微笑む姿が、昔のカガリと被った。
保健室
クラス
屋上。
すべて、俺と、カガリの場所。
そして、俺の隣りも・・・そう、彼女の居るべき場所。
「メイリン」
もう居ない。
そういえば・・つい先日、屋上の彼女に叩かれたな・・・。
彼には彼女が居た。
だから黙っていた。
-無慈悲-
「いい加減・・馬鹿じゃないの。」
そう言われて、ひがみだと思っていた。
アスランさんは格好いいから、私なんて釣り合わないから。
誰よりも、そんなの私が知っていた。
だから、言い返すことが出来なかった。
-------苦しかった。
私は、
カガリ先輩じゃないから。
彼には彼女が居た。
私以外にも
沢山、いた。
それを理解するのはもう少し先だった。
今思えば、
あの、ピンク色の髪の人も、
それを伝えてくれていたのだろう。
泣きそうな妹を、黙って慰める。
大切な人、大切な人たち。
-傍観-
ミーアが泣いていた。
「嫌だ」
と、泣いていた。
「好きなのですか?・・あの方が。」
ミーアはハッキリと、首を横に振って否定した。
違うんだと。
興味があっただけだったと。
「・・そう、思う。」
でも見て欲しかった。
視界に入れて欲しかった。
それは否定しないミーアをラクスは黙ってみて抱きしめた。
彼女が泣いているのは
誰の目から見ても明らかだった。
-涙-
ラクスの妹が学校で泣いていた。
キラはそれを見て漠然と、アスランだ、と思った。
アスランが複数の子と付き合っていることは知っている。
メイリンと・・付き合いだした時点で、こうなることは理解していた。
「・・・・・・・・・カガリ。」
カガリは涙を止めた。
アスランの・・・事はまだ言っていない。
もう。
-----カガリの泣き顔は見たくない。
けど、
そのせいで、アスランが傷ついて・・・
他の子を傷つけるのも、・・見ていられない。
+++++
あとがき
アスカガです。(言い張る。)
2006/08/27