3,

















彼女が疲れているのは
誰の目から見ても明らかだった。




蠱惑的悪夢




-涙-




「どういう事だ・・キラ?」

彼は至って真剣だった。


「ごめん、学校いったと思ってたんだけど・・」


"勘違いだったみたい"

決して嫌な空気ではない、ただ。
気圧が上がったように、呼吸が苦しい。

「じゃあ・・カガリは休みか?」

「うん。」


「具合・・悪いのか?」
「さあ・・」

話をはぐらかした。

具合が悪いなんて嘘は決して付いちゃいけない。


けど、


「・・・俺に・・逢いたくないって?」

「・・さあ。」


本当のことは絶対言わない。
君は、僕の親友だから。














貴方が探しているのは私じゃない。
それが酷く虚しい。




-他人-




カガリは学校に来なかった。
彼女はこの頃笑わない。
理由は・・・・・何となく分かる。

彼女は彼が億劫になったのだ。


「カガリ」


彼が探すのはカガリだけ。
彼は彼女以外見えていない。

他の女はおそらく、"人類"という分類でしかない。
彼の世界はカガリだけ。

カガリもそれを知っている。


だからこそ、


彼女はアスランから離れようとしている。













後悔をしていた。

やっぱり、あの時頷くんじゃなかった。




-ミステイク-




「カガリ、・・・大丈夫か?」

元気がないとき、彼は決まって笑ってくれた。
それは・・恋人になる前もなった後も・・何処も変わらない。
優しい・・笑顔だ。

「大丈夫だ、アスラン。」

彼は私が名前を呼ぶと喜ぶ。
そして、唇に柔らかいモノが当たる。

困ったように・・でも、嬉しそうに、彼ははにかんで笑った。

それが、当たり前だった。


頷いた瞬間から、


私は彼の


彼は私の




所有物になったから。














彼には彼女が居た。

だから黙っていた。





-無慈悲-




今日の彼は沈んでいた。

理由は簡単だ。

隣りにあの人が居ない。


「アスラン・・先輩。」


だから声を掛けた。

私は貴方が好きだから。































































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あとがき
暗いネタ。
2006/08/27