2,other



彼女は最初から嫌だと言っていた。

押し切ったのは俺。




蠱惑的悪夢



-エンドレス-




「・・カガリは?」

「もう行ったよ?学校」

そう、親友は言っていた。

「そうか・・ありがとう、キラ。」

すんなりとアスランは学校へ向かう。
カガリが学校で居る場所は・・決まって、保健室か屋上か・・クラスだ。

「カガリ?」

ガラガラと音を立ててまずは保健室。
誰もいない。


「カガリ?」

次は屋上。
ギィッと思い扉を開ければ、信じられないほど青い空が広がる。
カガリの笑顔が想像できた。

きっと・・此処にいたら、幸せそうに笑っているのだろう。




そこで思考を止めた。






カガリは居ない。






最後、教室。


「・・カガリ?」


ソコにいたのは見知らぬ女子生徒。

こんな早い時間・・やっぱり人は少ない。


「・・・・・カガリ・・なら、いないけど。」

「そうか、ありがとう。」


躊躇いがちに言ったその子の心情を

アスランが察する日は来るのだろうか?





「・・・・・カガリ。」





誰もいない廊下で呟いた。













彼には彼女が居た。

だから黙っていた。





-無慈悲-




私は一学年年下で、
私が学校へ入ってきたときには、
彼には既に彼女が居た。

綺麗な人だった。

優しくて・・人気のある人だった。

到底、叶わないと、知らされている気分だった。



「カガリ」



彼が呼ぶのは決まって彼女の名前。

私は・・・きっと、視界に入ったことがない。


「メイリンは妹っぽいよね。」


その一言が痛かった。













後悔をしていた。

やっぱり、あの時頷くんじゃなかった。




-ミステイク-




キラが言ってくれた。

「明日は休んで良いよ。親には言っておくから・・」

その言葉に甘えて・・今引きこもっている。
何の解決にもならない。

「アスラン。」


私が悪い?













貴方が探しているのは私じゃない。
それが酷く虚しい。




-他人-




「好きです!!」

そう言った私には自信があったのかもしれない。
でも、彼はいともあっさりそれを拒否した。


「・・好きな人いるから。」


とても・・冷たかった。
けど、逆に興味をそそった。
振り向かせてやると・・・思った。


「・・カガリ・・見なかった?」




告白翌日のことだ。




「・・カガリ?」

「ああ・・」


辺りをキョロキョロとして・・彼は頬を染める。

「今日・・カガリの・・あとその双子の誕生日なんだ。」

とても嬉しそうだった。
手に持っていたのは、余りにも似合わないクマの縫いぐるみ。

「朝・・渡したかったんだけど・・ごたごたして・・無理で。」

事情を説明しだして・・・・その語る目が優しくて、嫌になった。

だから、聞いてやった。


「・・・なんで、私にそんなこと言うの?」

彼は・・一瞬戸惑ったような顔をして・・・直ぐに口にした。




「いや・・、、つい最近話したような気がしたから・・知り合いだと思って・・」




--------違った?



困った子犬のような顔だった。







「・・・・・・・・・・・知り合いじゃないわ。」


私の返答はそれだけだった。




----そして今日、




貴方はまだ「カガリ」を探している。







「・・・・・カガリ・・なら、いないけど。」


私は此処にいる。































































+++++
あとがき
アスランがカガリ馬鹿なのです。。。
最後の語りはミーアです。
2006/08/27