13,ミステイク



彼女は最初から嫌だと言っていた。

押し切ったのは俺。




蠱惑的悪夢



-エンドレス-




「・・・だから・・俺と、別れた方が良いって・・?」

聞き返すように言われて・・カガリはコクンと頷いた。
その姿に、アスランは・・笑みをこぼす。


「な・・、何だよ!!」


真剣な話をしているのにと、眉間にしわを寄せたカガリに・・アスランはゆっくりと近寄っていた。

彼女は、ある意味、とても馬鹿だと思う。

ふんわりと抱きしめて、アスランは言葉を紡ぐ。


「・・馬鹿だな・・カガリは。」

思ったことを直接言った。
カガリは・・心外だと、怒ったように暴れたが、直ぐに大人しくなり・・アスランを見て言う。

「・・分かっただろ?私は馬鹿なんだ。お前みたいな頭の良い奴とは違うんだよ。だから・・・」

「・・本当に・・分かってないよ。」


背に回したはずの手を腰に下ろし、這いずるように優しく撫でる。
もう一つの手は、髪を撫でて、梳いて・・・顎まで引きずった。

「・・何処が・・良いか、教えてあげる。」

「え・・っ・・ぅん。」


深いキスをして、カガリを腕に閉じこめ、壁に背を付けさせる。
カガリが逃げないように。

「・・・俺を・・カガリはいつだって想ってくれる・・だから、好き。」

私じゃ幸せにしてあげられない・・・----そんなちょっと間違った思考だけど。
それだって、、俺を思ってのことだろう?

それだけじゃない。

強引なようで、とても優しい。
大胆なようで、とても繊細。

がさつなようで・・本当は、誰よりも可愛い。



「・・・聞こえた?」



何度でも言うよ。


そう・・翡翠の瞳に覗き込まれ、カガリは何も言えなくなってしまった。

代わりに、



耳まで真っ赤にして目をそらしていた。






















彼には彼女が居る。

だから・・・・。





-無慈悲-




彼らはあれから再び一緒にいるようになった。
彼女は、私を見ると申し訳なさそうに目を伏せた。
彼は、私を見てから・・彼女を見て、ゴメンと、一言謝って・・
私にも頭を下げていた。

「カガリ」



そこには、優しい笑顔があった。


私の好きな、笑顔だった。


それを私が見ることは、きっと叶わないだろう。




「アスランさん」


さようなら。





貴方には最愛の彼女が居る


だから、


私は、




さよならです。



















「アスラン」

あの時、頷くべきじゃなかったと。


思うのは今も同じだ。



それは・・・・きっと変わらない・・。




「・・どうした?」

大好きな空を見上げているのに、カガリは何処か淋しげだった。

「・・・メイリンを・・ミーアを・・・・・傷つけてしまった・・・」

私が、子供だったから。

恋愛が、分からなかったから。


溢れた涙を、アスランはふき取って・・・・カガリを抱きしめる。




「・・俺が悪いんだから・・カガリは、泣くな・・。」

























後悔をしていた。

やっぱり、あの時頷くんじゃなかった。




-ミステイク-




































蠱惑的悪夢
































































+++++
あとがき
終わりです。(またびみょーなことを・・orz)
2006/08/28