11,愛歌



彼女は最初から嫌だと言っていた。

押し切ったのは俺。




蠱惑的悪夢



-エンドレス-




答えたくない。

カガリと・・こうやって触れあっている時間が、酷く懐かしい・・。


細い身体。

綺麗な髪。




「・・・。」

いっそ、此処で死にたいぐらいだ。



「おい、聞いてるのか?」

「・・うん・・」


「そうか、じゃ、謝るからな。二度と触るなよ、話しかけるなよ。見るなよ。」


「・・・ううん・・・」


アスランは甘えるようにカガリの首元で頭を振る。

幸せ。


すごく、幸せ。



「カガリ・・・・愛してる。」

俺は、



「カガリだけ・・愛してるよ。」


君が、俺を嫌いでも。

逢ったことすら恨みたくても・・


俺は、




「カガリが好きなんだ・・っ・・」


メイリンが居ることも忘れて、アスランはカガリの背を抱いたまま、涙を流す。

好きだと、


愛していると。



だから、



「俺から離れていかないで・・・嫌い・・なんて、言わないでくれ・・っ・・」














後悔をしていた。

やっぱり、あの時頷くんじゃなかった。




-ミステイク-




「・・ごめんな・・アスラン。」


謝った、カガリに・・・アスランは内心酷く怯える。

俺は了承しない。



「謝らないで・・いいから。俺を側に置かせて。他の奴に・・笑いかけないでくれ・・」



アスランが・・私の何にそう言って、独占していたのかカガリに分からない。

そう、


こうやって・・アスランが分からなくなって・・・

どうして、こんなに、愛してくれるのか・・分からなくて。



「疲れた。」



アスランの・・





「お前の、傍にいるの・・もう、私・・つかれちゃったよ。」





お前のせいだよ。

そう、言い放った。













彼には彼女が居た。

だから・・・。





-無慈悲-




完全に、メイリンは無理だと思った。

アスランさんの、愛の大きさに勝てないと。


そう、思い知らされていた。

彼の彼女はカガリ先輩だけ。




私は・・・




「メイリン・・お前なら、アスラン事・・受け止められるんじゃないか?」

「えっ・・・・」


急に話題を振られて、メイリンはビックリして声の主を見る。
アスランは何も反応せず、カガリを抱きしめていた。



「・・私、もう・・アスランと・・一緒にいても疲れるだけなんだ。だから・・」



「謝るから、言うとおりにするから・・そんなこと・・言うな・・・・。」

「アスランも・・今ただ視界が狭いだけで・・絶対、私より好きな人が、愛せる人が作れると・・・思うんだ。」



「・・・-------何で・・っ・・カガリ・・」



アスランは、カガリから離れなかった。

そして・・アスランは、メイリンを睨んだ。



「・・君には・・悪いことをした・・・・・・・・・他の子にも、謝る・・・」

だから、



「・・本当に・・すまない・・・・ごめん。俺は・・・」

カガリの



「代わりが欲しかった。カガリが俺のこと・・嫌いなんだって・・分かって、だから。」


ごめん。




「・・・もう・・・君とは会わない・・利用するようなことをして・・すまなかった。」




だから、もう、行ってくれ。

二人きりにさせてくれ。


そう・・目が、言っていた。







「・・・もう・・いい、です。」




そう言うしかなかった。















メイリンはその場を走り去る。

カガリはそれを、切ない目で見送ってから・・アスランを睨んだ。


「・・・言って・・・・・・・直すよ、カガリが・・俺の嫌いなところがあるなら・・」

「・・私に執着しているところが、嫌だ。」


「・・・・・・・・・・・・ごめん、、それ以外。」


もう、駄目だと思った。

彼は、




「・・アスランは・・私を疲れさせるのが・・そんなに好きなのか?楽しいのか?」



それじゃなきゃ、






「これは新種のイジメか?・・・私のこと・・嫌いなのか?」





疲れた。


俺の、一体何が、そうさせる?


俺は・・ずっと、ずっと・・カガリを大切にしてきたつもりだったよ。

誰よりも、好きで、壊したくなくて・・。


愛しくて、大好きで・・






「ごめん・・カガリ・・・・・・苦しい思い・・させてるんだよな・・・」




でも・・それでも・・・







「好きだ・・・ごめん・・カガリが・・俺のこと、どんなに嫌いでも・・俺は・・」


誰よりも、


昔も今も・・これからも・・・ずっと、





「カガリを愛してる・・」


それから、アスランはずっとゴメンと謝り続けていた。




カガリは、どうしたらいいのか、分からなかった。































































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あとがき
色々とスイマセン(逃走)
2006/08/27