10,失色



彼女は最初から嫌だと言っていた。

押し切ったのは俺。




蠱惑的悪夢



-エンドレス-




カガリが・・来てくれるのではないか?
そう、思ったのはつい最近だった。
カガリは、俺が泣きたいとき、傍にいてくれた。

抱きしめてくれた。

だから、


また・・

見かねて、苦笑して・・


暖かい身体で抱きしめてくれるんじゃないだろうか?













彼には彼女が居た。

だから黙っていた。





-無慈悲-




あれから、メイリンは・・弱音を全てカガリに吐きだした。
カガリは、その声を、嗚咽を黙って聞いて抱きしめていた。

「・・・ごめん・・メイリン。・・私・・」

私の何処が良いんだろう?
それは、メイリンだけではない、カガリも、同じ悩みを抱えていた。


「私・・辛いんです・・・。いつも・・アスランさんが笑いかけてるのは・・私じゃないんじゃないかって、カガリ先輩が、今でも好きで、私は・・・っ」

思っていたことを・・全て言うと・・カガリ先輩は笑って

「私は・・私よりメイリンがお似合いだと思う」

と、真っ直ぐな瞳で言った。
そして・・


「アスランに・・言いに行こう?大丈夫だ。」

何が大丈夫なのか、メイリンには分からなかった。













後悔をしていた。

やっぱり私達は出会うべきじゃなかった。




-ミステイク-




メイリンの・・言葉に、カガリはハッキリと覚醒する。
私が悪い、そして、

アスランが悪い。


もう、無干渉ではいられない。

メイリンの良さにも気が付けない・・・・・・・・そんな人間。

二股を掛ける人間。


私は、アスランの愛に応えてやれない、けど。


メイリンは・・きっと答えられる。



アスランのことは大好きだった。

それは今でも変わらない。



だからこそ、

アスランの愛を重荷に感じている自分が許せなかった。

アスランを愛そうと頑張った、アスランに負けないように・・愛したいと思った。


-------でも


私には無理だった。

お前の愛が大きすぎた。



そして・・疲れたんだ。


そんな私のせいで、未だに・・メイリンのような良い子を愛さない、アスランが分からない。







「・・・カガリ・・。」




屋上に居るアスランに、メイリンとカガリは話しかけた。

アスランはただ、目をパチパチとさせるばかりだった。


ああ、と、アスランは心の中で思う。

やっぱり来てくれた。


見かねてでも・・俺を、


抱きしめるために・・。



目の前まで行くと・・・・・・・・カガリはアスランの顔を覗き込み、キッパリと言いはなった。





「・・失望した。」

「カガリ」


「・・・信じられない・・・二股とか、・・そういう人間だったんだ、お前。」



この際なら、見かねてでも良かった。

俺は、カガリが居ないと駄目なんだ。


分かって欲しかった。


こんなにも、俺は・・





「・・私の時も、そうだったんだろ?」





「・・え?」




そんなこと、1oも想っては居なかったけど・・。。。

手っ取り早い手段、アスランが私を嫌いになれば良いと思った。



「そうやって、今みたいに、沢山の子に手だしてたんだな。ホント・・失望した。」

呆れたと・・カガリは、アスランに背を向ける。

メイリンは少し驚いて、アスランとカガリを交互に見ていた。



「メイリンまで・・泣かせて、最低だよ。お前。あーあ・・何で」

「・・・・・・・・・・・かが・・」



「お前なんかと付き合ったんだろ?・・・考えられないよな。逢ったことが不幸だ。」




お前みたいな奴と、



「一生の内、一度だって、一緒にいた時間を恨む。」



そう言った瞬間だった。

後ろから・・大きな腕が身体に巻き付いて、片手は確実に咽を掴んだ。

メイリンは・・驚いて、アスランを見る。


「・・訂正・・しろ、カガリ。・・俺に謝れ。」

「お前こそ・・メイリンと、ミーアと・・他の・・」




「謝れッ!!!!!!!!!!!!!!」





グッと・・力が入って、カガリは声を出すのが苦しくなる。





「・・謝罪しか、、聞き入れない。」


そう言ってから・・手が、咽からはなれる。



「・・分かった・・謝る、その代わり・・・」


二度と、





「私を見るな、私を捜すな。私と・・会話するな、触るな。・・・約束できるか?」


アスランは、頷かなかった。

ただ・・時が止まったように、カガリの身体を抱きしめていた。































































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あとがき
ごめん・・本当にすいません。
2006/08/27