彼女は最初から嫌だと言っていた。
押し切ったのは俺。
蠱惑的悪夢
-エンドレス-
カガリが・・来てくれるのではないか?
そう、思ったのはつい最近だった。
カガリは、俺が泣きたいとき、傍にいてくれた。
抱きしめてくれた。
だから、
また・・
見かねて、苦笑して・・
暖かい身体で抱きしめてくれるんじゃないだろうか?
彼には彼女が居た。
だから黙っていた。
-無慈悲-
あれから、メイリンは・・弱音を全てカガリに吐きだした。
カガリは、その声を、嗚咽を黙って聞いて抱きしめていた。
「・・・ごめん・・メイリン。・・私・・」
私の何処が良いんだろう?
それは、メイリンだけではない、カガリも、同じ悩みを抱えていた。
「私・・辛いんです・・・。いつも・・アスランさんが笑いかけてるのは・・私じゃないんじゃないかって、カガリ先輩が、今でも好きで、私は・・・っ」
思っていたことを・・全て言うと・・カガリ先輩は笑って
「私は・・私よりメイリンがお似合いだと思う」
と、真っ直ぐな瞳で言った。
そして・・
「アスランに・・言いに行こう?大丈夫だ。」
何が大丈夫なのか、メイリンには分からなかった。
後悔をしていた。
やっぱり私達は出会うべきじゃなかった。
-ミステイク-
メイリンの・・言葉に、カガリはハッキリと覚醒する。
私が悪い、そして、
アスランが悪い。
もう、無干渉ではいられない。
メイリンの良さにも気が付けない・・・・・・・・そんな人間。
二股を掛ける人間。
私は、アスランの愛に応えてやれない、けど。
メイリンは・・きっと答えられる。
アスランのことは大好きだった。
それは今でも変わらない。
だからこそ、
アスランの愛を重荷に感じている自分が許せなかった。
アスランを愛そうと頑張った、アスランに負けないように・・愛したいと思った。
-------でも
私には無理だった。
お前の愛が大きすぎた。
そして・・疲れたんだ。
そんな私のせいで、未だに・・メイリンのような良い子を愛さない、アスランが分からない。
「・・・カガリ・・。」
屋上に居るアスランに、メイリンとカガリは話しかけた。
アスランはただ、目をパチパチとさせるばかりだった。
ああ、と、アスランは心の中で思う。
やっぱり来てくれた。
見かねてでも・・俺を、
抱きしめるために・・。
目の前まで行くと・・・・・・・・カガリはアスランの顔を覗き込み、キッパリと言いはなった。
「・・失望した。」
「カガリ」
「・・・信じられない・・・二股とか、・・そういう人間だったんだ、お前。」
この際なら、見かねてでも良かった。
俺は、カガリが居ないと駄目なんだ。
分かって欲しかった。
こんなにも、俺は・・
「・・私の時も、そうだったんだろ?」
「・・え?」
そんなこと、1oも想っては居なかったけど・・。。。
手っ取り早い手段、アスランが私を嫌いになれば良いと思った。
「そうやって、今みたいに、沢山の子に手だしてたんだな。ホント・・失望した。」
呆れたと・・カガリは、アスランに背を向ける。
メイリンは少し驚いて、アスランとカガリを交互に見ていた。
「メイリンまで・・泣かせて、最低だよ。お前。あーあ・・何で」
「・・・・・・・・・・・かが・・」
「お前なんかと付き合ったんだろ?・・・考えられないよな。逢ったことが不幸だ。」
お前みたいな奴と、
「一生の内、一度だって、一緒にいた時間を恨む。」
そう言った瞬間だった。
後ろから・・大きな腕が身体に巻き付いて、片手は確実に咽を掴んだ。
メイリンは・・驚いて、アスランを見る。
「・・訂正・・しろ、カガリ。・・俺に謝れ。」
「お前こそ・・メイリンと、ミーアと・・他の・・」
「謝れッ!!!!!!!!!!!!!!」
グッと・・力が入って、カガリは声を出すのが苦しくなる。
「・・謝罪しか、、聞き入れない。」
そう言ってから・・手が、咽からはなれる。
「・・分かった・・謝る、その代わり・・・」
二度と、
「私を見るな、私を捜すな。私と・・会話するな、触るな。・・・約束できるか?」
アスランは、頷かなかった。
ただ・・時が止まったように、カガリの身体を抱きしめていた。
+++++
あとがき
ごめん・・本当にすいません。
2006/08/27