彼女は最初から嫌だと言っていた。
押し切ったのは俺。
蠱惑的悪夢
-エンドレス-
「疲れた」
それが彼女からの別れの言葉だった。
疲れた、・・だ、そうだ。
「うん。」
俺はそう、答えた。
そして付け加えた。
「何が言いたいんだ?」
彼女は答えなかった。
後悔をしていた。
やっぱり、あの時頷くんじゃなかった。
-ミステイク-
彼のことは、多分、大好きの部類に入る。
それは今でも変わらない。
けれど、
だからこそ、
頷いてはならなかった。
私も、彼同様、相手を愛していた。
けど、それは・・・
間違いだった。
だから、言った。
「疲れた」と・・言った。
もう知らない人。
私はもう、彼の恋人ではない。
彼女が疲れているのは
誰の目から見ても明らかだった。
-涙-
家に帰ってきた姉は酷く憂鬱そうだった。
理由は聞くまでもない。
だから、僕はいつも通り肩を叩いてあげた。
辛そうだった。
親友と姉が付き合いだしたのは一年弱前。
あと・・・一週間ほどで、ちょうど一年。
自分たちは来年受験生だ。
大学入試・・人生を大きく変えると言っても過言ではない。
でも、そんなことは関係がない。
「・・泣いて良いよ。」
君が泣きたいのなら。
受け入れられなくなるときが恐かった。
だから私は拒否した。
彼はそれを認めなかった。
気持ちが大きいから、無理だと・・
泣きそうな顔で私に言った。
それを抱きしめてやりたかった。
抱きしめてしまった。
でも、私も言いたかった。
気持ちが大きいから無理だと。
私の気持ちは、
貴方の大きさに釣り合わないから。
貴方の愛を受け取れなくなる日が来るのが恐かった。
それが来てしまった。