あれから、アスランは存在が消えたように・・・・クラスに姿を見せなくなった。
授業はいるのだが・・・・終わればいつの間にか消えている。
-------ミーアも・・・ディアッカも、みんな必死に探していた。
・・でも、なんとなく・・・・いる場所が分かるような気がして、
カガリはその鉄のドアを開けてしまう。
「アスラン、いるんだろ。」
部屋は・・暗かった、けれど・・・何となくいる気がする。
思い出したのは・・・始めてであったときで、あの時と同じ匂いがしていた。
焼ける・・匂い。
パチンと化学室の電気をつけて・・・・大きな机の下を全部覗いて歩く。
途中・・・・・フッと鉄の匂いもして、さっきまで此処にいたんだと思った。
「----私の・・せい、なのか・・・。」
酷い罪悪感があった、やっぱり・・・彼には、私がいてやらないといけない。
そう・・思った・・・・・・けど、
「それじゃあ・・何の解決にもならない・・・・」
恋心を・・見つけないと。
でも・・・・本当に、分からない。
そう思って・・でも、でもと・・頭を振るっていた。
駄目だ、彼は・・・・
すくなくとも、今は---------駄目だ。
なら・・・
矛盾した答えだったのかもしれない、間違った・・答えなのかもしれない・・。
けど、
「放っておけない・・・。」
罪悪感を・・・はらす、手段だったのかもしれない。
けど・・カガリは駆けだしていた、そう・・遠くには行ってないはずだから。
そうして・・化学室を出ようとすると・・・・・逆にドアを開けられる。
「---------・・っ・・アスランっ」
「・・・カガリ。」
逢いたかった。そう、口にしようとして・・・・・・・・・・・・・けどアスランは思いっきり、背を向けていた。
「聞いてたんだろ?アフメドとの会話・・・」
言ったこと自体が・・嘘だとは、自分自身まだ思えない。けど・・・
「傷つけて・・ごめん。」
「・・・聞いてた、--------・・・同情・・・だったんだって・・・な」
キスも、
俺は・・
「本気だった・・・・でも、未熟なのは俺で、どうしようもなかった。」
君と約束したのに。
生きることが嫌になったら・・すぐ、
---------死を求める。
前とは違う。
生きているか死んでいるかじゃない、死にたい。
淋しそうに・・言う、アスランの背中に・・カガリは優しく抱きしめていた。
好き?
同情?
何だって良かった。
「・・・これも・・・・同情?」
「分からない。」
でも
「傍にいたい。」
「・・・・・。」
「いても良いか?」
いても・・いいか、なんて。
俺は・・・・
「うん・・いて。」
離さないでいい。
ずっと・・
------------------側にいて欲しい。
後ろから・・・抱きしめたカガリに向き直り、そっと抱き寄せる。
強引に出来ないのは・・・・臆病だから、捕まえたら・・消えてしまいそうな気がする。
「・・・傍に・・いて。」
壊れないように・・その、同情だけで良いから。
俺は・・まだ、未熟で・・・・
でも。
-----------------今は、こんな形でもいい。
君がいてくれるなら。
「切ったのか?」
「ごめん」
「焼いたのか」
「・・・ああ。」
暗い・・所に、置いてきてしまったんだな。
でも・・・・・・
「--------馬鹿だろ。」
「----・・うん・・・・」
そう言って・・カガリはぽかぽかと胸元を叩いてからアスランの瞳を見る。
「切ったら・・・・・・・・・・一ヶ月・・二ヶ月、口聞かないからな。」
「・・・分かった。」
好きかどうか分からない。
けど、
傍にいたいと思ったのも・・支えたいと思ったのも
----------全部、本当なんだ。
後悔する日が、良い意味で悪い意味で・・・来るような気がした。
矛盾だらけの選択肢。
でも----------
最善の選択肢だった。