どうすれば・・いいのか、分からなかった。
誰もいない化学室でグルグルと考える。
答えはない。
-----------君が、教えてくれない。
導いて・・・・・・くれない。
・・・・こんな・・事をしているから・・・・俺はいつまで経っても駄目なんだ。
理解していた、けど・・
それを・・直すのは・・・・・・無理だ。
そういえばと・・カガリは思う、もうじき・・バレンタインデーだ。
あと三日ほど・・・丁度いい、作って渡して謝ろう。
喧嘩だけはしたくないとカガリは思う、喧嘩したら・・・・・アスランは誰に本音を言えばいい?
-----------・・・-----・・。
・・・やっぱり・・私はアスランに恋をしているんだろうか?
・・・・。
分からない・・・。
あれから・・三日、アスランは何だかよく分からない・・今までにない精神状況に立たされていると自覚する。
眠れない。
-------眠りたくない。
何か・・嫌な夢を見る気がして・・それに、寝たら何かが終わってしまう気がする。
今日が・・終わる?-----寝ていても、起きていても、終わるものは終わるのに。
グルグルと・・・答えのでない迷路だ、
----------なんで、出られない、一人では出られない?
こんなに俺は非力なのか、だから・・カガリに同情されたままなのか?
じゃあどうすればいい、
他の女の子なんて・・見る気もしない、---それは、視界が狭いと言うことなのか、それではまたカガリに心配されてしまう。
なら、他の女の子と付き合って・・大丈夫だと見せてやればいいのか?----------どうせ、振って泣かせるのに?
そんな女泣かせ、きっとカガリは嫌いだ。
では・・
なら、
---------どうすればいいっていうんだよ。
「・・ころごろ・・アスラン元気ないよね。」
「・・・・私の・・せいだ、大丈夫、今日仲直りするから!」
そう言ってカガリはキラに作ってきたチョコレートを見せる。
「うわ・・食べれるの?それ。」
「殴るぞ?」
そう言ってから・・・教室の角で仮眠を取るアスランに近寄り・・そっと、肩を叩いた。
けど・・起きなくて、「おい」と話しかける。
ビクッと・・・・・・肩が動いて、アスランはハッと顔を持ち上げた。
「これ・・チョコ、たくさん・・貰ってるだろうけど-------------・・。」
はにかんで・・笑うカガリは可愛かった、けど・・その笑顔に、アスランは悲しさを感じる。
これも同情?
沢山貰っている・・けどそれはほとんど知らない子達から。
本当の俺を知らない・・・知っていたら、きっとくれない。
---けど君はくれる。
つまらない・・・人間だと、承知の上でくれる君は・・・。
「いらない・・。」
同情の・・チョコレートなんて、いらない。
「アスラン?」
「-------いらないって、言ったんだ。」
キッと・・・睨んだ、アスランに、カガリも少し腹の虫を悪くする。
アスランが・・受け取って、こないだのことは悪かったと謝りたいだけなのに。
「・・・---------そうか、なら・・・いいよ。」
けど・・こんな所で怒っては元も子もない。
我慢して・・アスランの机に座る。
「----・・・・眠いんだ・・退いてくれないか。」
「・・寝てなかったろ、さっき。」
「・・・・ああ、でも今は眠い。俯せていたい。」
アスランからの・・拒絶の言葉に、カガリは内心淋しくなるのを感じていた。
親離れ・・される気分?
---------それとも、好きな人に・・突き放された気分?
なんだか・・その気分に、腹が立って・・・・・カガリはアスランの傍から離れる。
「おっ、カガリ!振られたのか、アスランに!」
「馬鹿、勘違いするなっ・・・-------・・あ、これいるか?」
「お、らっき〜カガリのチョコなら結構高値で売れるんだぜ〜」
そう笑って・・・言うディアッカに、カガリは笑い・・・それをアスランは眺めていた。
そしてまた俯せる。
-----カガリを・・怒らせたい・・なんて、有り得ないのに。
嫌なんだ。
俺のことを・・同情の対象としか思っていない君、それをどうしようも出来ない俺。
そして・・傷つける。---傷つく。
----------痛い。
今なら切らなくても分かる、胸が・・心は、昔も今も叫んでいるんだ。
治ったはずだった
---------こんな暗い気持ち、二度となりたくない。
誰にも・・見せられない。
カガリにも・・・・・・・・・
----------これ以上、同情なんてされたくない。
帰り・・薬局により、軽い睡眠薬を買う。
今は・・身体のためにも寝て、ともかく体力を回復しよう。
病は・・気から、なら逆も然りだ。
家について・・・・・・・・・・・その薬を飲み、ベットに倒れる。
早く寝たい。
考えたくない。
・・・・・・・・
--------------もう、考えられなくなってしまいたい。
「あれ・・アスランは?」
「先帰っちゃったのかな・・」
そう双子は顔を見合わせて・・・・カガリは少し哀しそうに微笑んだ。
キラも・・そんなカガリに優しく微笑む。
「---------仲直り・・したかったんだ、私は・・でも・・っ」
「うん。分かってるよ。」
泣きそうになった姉に手を差し伸べて・・・キラは小さく笑って見せた。