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来たわね・・・。
そう・・予想していたことが・・まさか、こんなに早く起こるなんて、思っても見なかったとミリアリアは頭を抱えた。
ラクスがホームステイ先に行って・・初日だというのに。
「・・・。」
絶句・・したのは、水泳の授業の後だった。
その・・カガリの態度に何かを察したのかミリィは不可解そうにこちらを覗く。
「・・着替えないの?」
「いや・・うん・・今・・・」
たどたどしく答えたカガリを見て、ミリィはカガリの持っていた服を無理にでも引き取っていた。
「・・・え?」
ないだろう、これは。
「・・ま・・・うん、そういうことも・・あるよなっ」
悔しそうに・・哀しそうに微笑んだ、カガリに・・ミリィは半ば泣きそうになる、けど・・泣きたいのはカガリだ。
そう思って・・未だスクール水着のカガリを、ミリィは思いっきり抱きしめていた。
なぜ・・中学時代からの親友が、性格のよい、誰からも慕われるこの子が、こんな目に遭わなければならない?
「・・私・・保健室の先生に・・ちょっとだけ事情話して・・借りてくるから、待っててね。カガリ・・」
「悪い・・・ミリィ。」
「私の前では無理しないで、アスランにも・・キラにも言えないんでしょう?」
「・・・うん。」
そう言って・・ダッシュで走り去っていったミリィに、カガリは感謝すると共に誰もいなくなった更衣室で蹲り涙を流していた。
ミリィの前で泣きたくない。これ以上・・心配されたくない。
だが・・いつまでも泣いているわけには行かず、早々に涙をふき取っていた。
---------・・目が腫れればアスランにばれてしまう。
それだけは・・避けなければならないから。
犯人はA組にいると、ミリィはもう睨んでいた。
ラクスと・・キラにばれるとそのままアスランにばれそうなので、カガリは相談をしなかったのだ。
だが・・ラクスは知っていて・・そしてその任をミリアリアに託したのだと、自分自身に思っていた。
保健室に行き・・先生に簡単に事情を話し、下着を借りる。
----------そう、盗まれた。
ブラも、ショーツも。
その・・盗まれたモノを思うと、やっぱり・・これはもう犯罪の粋なんじゃないかと真剣に考え出す。
-------可笑しい、ただの乙女心で・・ここまでいくのは・・・。
色々考えた後、幾つか上がった選択肢に・・・・・・・・それだけは避けたいと、真剣に思う。
そんな・・陰湿なこと・・いやでも。
カガリは・・この学年の誰よりも人望が厚く・・人に好かれる。
---だからこそ・・。
過ぎった考えを消し、ミリィはまたダッシュで更衣室へと戻っていった。
これはもう・・ディアッカの協力も得なければ・・いや、
できるだけ・・多くの人の協力が欲しい、できるなら・・・・・・・・・人望の厚い協力者。
ディアッカも、ミリィも・・・情報網は結構人よりある、洗うしかない。
----------許さない。
そう・・・珍しく、自分が本気でキレいていることに気付いて・・やっぱりそれほど大切な友達なんだと再確認をしていた。
大好きな・・英語の授業に、カガリが戻ってこず・・アスランは少し不安になる。
前の授業は体育で・・女子は水泳、・・・カガリならプールサイドで走って滑って転んでも可笑しくない。
怪我をしていたらどうしようとグルグルと考えて・・最初の五分間がまるで頭に入ってこなかった。
「「遅れましたっ」」
そう・・カガリとミリアリアが入ってきて・・少なくとも見える場所に外傷はないと安心する。
「ちょっとー・・・おそいんじゃないのかい?嬢ちゃん達。」
ふざけるように・・でもきちんと言われ、二人は少し顔を見合わせて・・怪訝そうにしてから謝っていた。
けど・・フラガ先生と仲がいいカガリは謝った後に付け加える。
「でもな、色々あるんだ!乙女にはっ」
「いつから乙女になったのかな?」
「うるさいっ!!」
そう・・二人の漫才が始まり、クラス全体が笑いに包まれる中・・・何だかんだ真面目なカガリが遅れるのは珍しいと感じていた。
後で・・理由でも聞こうかな。
「おそかったな、ミリィ。」
小声で・・そう言ってきた相手に、ミリィは筆談で返す。
"珍しく・・あんたにお願いしたいことがあるんだけど。"
「・・・・・?」
そして・・・・ミリィは、ディアッカにあらすじを説明していた。
「どうかしたのか?カガリ」
「え?」
昼の最中・・アスランに言われ、ラクスがいないため一緒に昼食を取るキラも不思議そうな顔をする。
「そうそう、授業に遅れるなんて・・珍しすぎ。」
「だ・か・ら。乙女は色々あるんだって」
もったいぶるように言うのだが・・・実際、結構辛い出来事だと・・カガリは心を病ませる。
教科書ならまだしも・・服?次は一体に何が来る?
私に非があるのか?---そんなはずない。
私はただアスランと一緒にいるだけ・・・それだけだ。
恐くなって・・・本気で犯人を捜そうかと、考えていて・・・箸も言葉も進まない。
その様子に、アスランはなんだか哀しくなっていた。
---------笑って欲しいのに。
そう思って・・・カガリの笑顔のためなら何でもしようと、心に誓う。
キラの前だったが気にせず・・カガリの髪を梳いて微笑むと、カガリはハッとしてから・・・・頬を染めて微笑んでくれた。
アスランと・・キラに言ってしまおうか?
そうふっと過ぎった考えを、カガリはかき消すことにする。
言って・・どうなる?
キラは心配するし・・アスランは----------・・。
自分のせいだと、責めてしまう。
違う、アスランが悪いんじゃない。
・・・やっぱり・・言えない。
もう二度と、アスランが私のことで・・身体を傷つけるなんて・・あってはならないんだ。
そう考えてから・・カガリは泣きそうな笑顔をアスランに向けて、アスランは頭に?を飛ばしていた。
アスランが傍にいてくれれば私はいいや。
そう考え直し・・カガリはご飯を食べだした。