鳥籠の正体、その後2



「それはそれは・・・」

そう・・目を輝かせたラクスは何処か新しい玩具を見つけたようだった。
キラから事情を聞いて・・なんとなく、この二人の関係を理解していたラクスからしてみれば・・玩具、などといってはとても失礼で、
でも・・こんなに面白い事・・他にない・・。
イタズラ心と良心の間で少し揺れたが、直ぐに答えは出ていた。

「・・・私も協力いたしますわ、カガリ・・----------、、そうですわよね、せっかく・・ちゃんと両想いに慣れたのなら尚更。」

アスランだってそのハズですわ、と・・ちょっぴり思い、カガリに手を貸すことにした。
あの・・カガリ以外の前では常識の固まり・・・の、ような彼の・・慌てる姿を想像するだけで・・結構面白いものがある。
放課後・・生徒会に行ったアスランを余所に、カガリとラクスは相談会を開く。
どうすれば・・・・-----アスランは、目を合わせてくれるのだろう?とか、なんで・・今はもう抱いてくれないんだろうとか・・。
色々あったが・・ラクスにはハッキリと答えが見えていた。

キラにも・・ちょっと、お話を聞いていましたし・・。

「ともかく・・アスランの理性を剥がせばいいのですわ?」
「剥がす・・・?」

どんなに常識の固まりといえど・・カガリの前では別。ならば・・・、、、

「刺激的な格好をされたらどうですの?・・せっかく・・スタイルも良いですし・・」
「・・引かれないかな・・・・?」

「いえ、とてもお喜びになると・・。」

そして・・カガリの制服を見て、、ラクスは少し唸り・・直ぐに提案を差し出す。


「胸元のボタンを一段開けるとか、スカートをもう一回おるとか・・それだけでも随分と違いますわ。」

「・・うーん・・。」

「それに・・カガリからも・・恥ずかしがらず、キスをしてみてはいかがでしょうか?恋人なんですし・・。」

「・・そう・・だよな。うん・・・恥ずかしいけど、恋人だし。」

「そのいきですわっ!!」


親指を立てたラクスに、カガリもたて返す。
今日は・・アスランの家に夕飯作りに行ってやろうかな?
そんなことを考えながら、一人で家に帰る。
といっても・・スーパーによって・・・・・・今日は、カレー?・・ハヤシライスにしようかな?
そして・・帰っていないのを良いことに勝手に合い鍵で開けて・・腕まくりをして、エプロンを付けて・・。
さらに、ラクスに言われたようにスカートを一段折り・・胸元も開ける。

「・・色っぽくないよな〜これでも・・全然。」

そう思って・・もう一段スカートを折り、これでいっかと・・・夕飯の仕度を始めた。


「ラクス・・っ・・・カガリは、一緒じゃ・・」

「あらあら?一人で帰られましたわよ?」


「な・・」


まだ・・立春も迎えていないのに・・・・・・--------こんな薄暗い中・・・・。
ちょっと・・苛立って、アスランは走ってヒビキ家の前に着く。
全く・・・--------危ないったら・・ない。
カガリは自分の可愛さを見過ごし過ぎなんだっ!!

「あら?アスラン君?-------カガリなら・・帰ってないけど・・・?」
「え・・・。」


帰ってない・・・?

急いで叔母さんに頭を下げ、アスランはカガリが居そうな場所へと駆け出した。
小さい頃遊んだ公園とか・・・・よく立ち寄るクレープ屋とか・・。
途中携帯にも電話するが、出ない。


「・・攫われたんじゃ・・・・・・・・・・・・・ない、・・よな・・。」

過保護とは分かっていても・・・・でも、カガリは可愛いんだ。
とりあえず・・鞄を置こうと思い、家のドアを開ける。

「・・・・・・・・------------------・・。」

開いてる・・。


「・・・あ、お帰りっ・・アスラン、丁度今ハヤシライス出来た所なんだっ・・」

「・・・-----------カーガーリッ・・!!」


嬉しそうに走ってきたカガリを捕まえて、頭をぐしゃぐしゃとする。

全く・・・・・・・---------------。


「心配したんだぞ・・・、、勝手に一人で帰るし・・いつも、俺の家にくるなら・・ちゃんと親に言ってからって・・・」
「わ・・わるい・・----ほんとだ、汗かいてる・・」


走って・・少し汗ばんだ肌に、カガリの手が辺り・・不味いとアスランは身体を仰け反らす。
カガリはビックリしてから・・すぐに、哀しそうな顔になって・・・・アスランも急いで謝った。


「ごめ・・嫌なんじゃないんだ・・・---、夕飯・・ありがとう。」

「・・・・別に・・私が勝手に作った・・それだけだ。」


エプロン姿のカガリは何度見ても面食らうのだが・・・・・・・・・・・・・・・・・・今日は、格別だった。
少し・・怒って後ろを向いて・・・・・----------・・。


「・・・・っ・・」


スカートが・・有り得なく短い・・・。
ちょっとでも・・跳ねたら、絶対に中身が見える長さ。
まさか・・こんな格好で・・外を歩いたんじゃ・・・・・・?

そう---------思い立った瞬間、アスランも不機嫌になっていた。


自覚して欲しい・・・・・・・いい加減・・。

不機嫌になりながらも、夕飯の仕度の手伝いをする。
カガリが・・前に立つと、毎度・・・・・目線は太股へと反れていた。


落ち着け、自分・・・・。

呪文のように言い聞かせて、アスランは深い溜息を何度も付く。




「さーてと、食べるか。」


仕度が終わり、カガリがエプロンを外そうとすると・・引っ張るひもを間違え硬結びになっていた、恥ずかしいながらも・・アスランはカガリの後ろに立ってそれを外してやる。

心臓に悪い・・・。

なかなか取れず・・格闘しているとカガリからクスクスと笑い声が上がる。



「・・くすぐったい・・腰。」

「・・すぐ・・外すから。」


手間取らせるなと・・思い、しゃがむと・・・・・・・更に危ない角度になる。
ドクンと強く心臓が鳴ったと同時に・・やっと結び目がほどけていた。

「とれたか?」
「ああ・・・」

白い太股・・・綺麗なお尻。
フラッシュバックするのは、ベットの中で・・・・・・・・理性が飛びそうになる衝動を抑える。
ああ・・なんで俺は男なんだろう・・・?


「--------アスラン・・・?」

「いや・・ゴメン・・なんでもない・・。」

赤くなりながらも・・・・・・・・・カガリを見下ろすと、谷間が見えて---------・・また、息を呑んでいた。
いつもより・・ボタン、開いてるんじゃないのか・・・・?
まさかと思うが、カガリは露出に填ったのだろうか?
俺以外の・・・・・・・・誰にだって、見せたくないのに。
ちょっとまた不機嫌になり、二人で向かいの席について・・・・・・・黙って夕食を食べだした。


「・・・-------・・。」


効果・・なし?かなぁ・・。折角・・ラクスにも協力して貰ったのに・・・。
しょんぼりとご飯を食べて、やっぱり色気がないんだと納得する。
そうだよな・・昔だって・・不安だったから、抱いてただけで・・・・・・・安定してるときまで抱きたくない身体してるんだ・・・きっと。
腹は普通より筋肉質だし・・女っぽいと言えるほど・・じゃない、というか・・ちょっとやせ形のせいか角張ってるし。
細いが・・・・・・・決して抱いていて心地よい身体ではない。

そうだよなー・・フレイみたいなのがいいんだよな〜男は。

仕方ない・・と、見切りを付けて・・カガリはいつものように振る舞うことにする。
止めだ、止め・・・。アスランはその気なんてないんだから。

「今、女子・・体育でダンスやってるんだっ!!ミーアとか凄く巧くて・・、私も負けてられないんだっ!!」
「・・そうなのか・・でも、カガリは身体動かすの・・好きだから、きっと上手に出来るな。」
「・・頑張るぞっ、ちゃんと出来るように・・・!!それに、私リーダーだから・・振り付けも考えないといけないんだ」

ご飯を食べ終わり・・カガリは急いでそれをかたし、まだ食べるアスランの見える場所でダンスの振りを始める。
アスランも・・見て欲しいなんて、幼稚園の遊戯の時と変わらないな・・と、目を細めて笑っていたのだが・・そうも言ってられなくなってきた。
「此処で回って・・・---腰振って・・・」

「・・・・。」


クルリと回ったとき・・致命的に、スカートから----------白い、のが・・見えて、アスランはついに立ち上がっていた。

「・・アスラン?」
「・・もう・・いいから、座っててくれ・・。」

肩を掴むと、カガリは何でだと首を傾げていて・・アスランはその、危うい胸元から目を離し、何でも。と返していた。

「・・スカートが・・短い、それに・・胸元のボタンも開けすぎじゃないのか?」
「・・・・別に・・誰も見ないさ、見たって何も思わない。」
「・・・俺が嫌なんだ、カガリの・・脚とか胸元とか・・・・見られたくない。」

「・・・。」


見たって・・興奮もしない癖に。
私って・・そんな、身体の価値・・ないのかなぁ・・・--------・・性格に価値がないよりマシだけど・・。
ふてくされるカガリに・・アスランは・・自粛して欲しいと本気で思う。
ちょっとぐらい・・・脅かすのも良いかもしれない。

「・・男ってのはな、鎖骨が見えれば・・痕付けたくなるし、脚が見えれば触ったりしたくなるんだ。」
「・・・あっそ。」

目の前で熱弁するアスランを・・鼻であしらうカガリに、これもカガリのためだと・・理性に許可を貰い、内太股を撫でる。

「わっ・・なに・・」

「ホラ見ろ。こうなるから・・・」


「っ・・ぁ。」



「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・----!!ごめ・・っ・・」



そこまで・・高い位置を触ったつもりじゃなかった。
カガリは・・いつも膝より10p以内の高さだったから・・・・・。

スカートで計っていた・・--------今日は・・いつもより、ずっと短かったのに。

触った場所が・・めちゃめちゃに危ういラインだった。

カガリも・・真っ赤で、力が抜けたようで・・アスランに凭れている。


「・・ごめん・・カガリ・・--・・」
「・・っ・・馬鹿野郎・・・」




謝って欲しいんじゃないっ!!!!!!!!!!



何だよ、何だよ・・お前っ・・・!!本当に私のことを女だと思ってるなら押し倒せ馬鹿野郎っ!!!

どーせ私の身体は女らしくないっ・・・!!!!


「・・泣くなよ・・ゴメン・・・・・・ちょっと、驚かそうと・・思ったんだ。」

泣き出したカガリを・・ビックリ涙か、嫌だと判断した涙だと・・思いこんだアスランは、何度も頭を撫でて優しく抱きしめてあやしてくれる。

そんなことを望んでるんじゃない・・っ・・。
「・・馬鹿ぁ・・。アスランの馬鹿・・」

「・・うん・・俺は馬鹿で良いから、泣くな。」

「・・・・・。」

そこで・・キュピンっと頭の中で悪知恵が浮かぶ。
そっか・・・そうだよ、謝れ。


「・・じゃあ・・私の言うこと・・聞いてくれるか?」

「・・ああ・・--その変わり、泣きやめよ。」


無理な願いは絶対言わない・・それはカガリの謙虚な性格を考えれば当然のことで
アスランも快く了承していた。

「じゃ、今日一緒に寝ようっ!!」


「!!!!!」

「なんだよ、聞いてくれるんだろっ?」



「・・・・かが・・--それは・・俺への拷問か・・・・?」


「はぁ?」


何で可愛い彼女が眠っているのに・・・・・・・手を出さない男が居るだろうか?
それとも何か?カガリは・・・俺に襲われたいのか?!
そんなはずない、現に今泣いたじゃないか。

それに・・俺だって、今は自粛中だ。


「じゃ・・約束は約束だよな、今日は久々にアスランの家に泊まるぞっ!!家に連絡はするから。」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・っ・・本気か・・。」

「・・何だよ・・そんなに嫌なのか・・・?」
「・・・。」



そうして・・・・・カガリの長い長いお泊まりが始まった。
































































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あとがき
がーんばれ、アスランっ!!
2006/08/04