[ 引き裂いて、ボロボロに




・・ずっと・・ずっと大好きだった

一緒にいるって・・約束したのに---


身体だけの関係にさせないでほしい・・・・





・・嫌いにならないで・・・・・・・・







-----夢・・だろうか。



「・・・どうなんだよ!!!」


そのカガリの言葉と共に、急激に張り詰めていた神経が途切れるような感覚に襲われる。

「アスランっ?!アスランッ!どうしたんだ!」

グランとアスランの身体が床に倒れて必死にそれを起き上がらせる。
「----ど・・どうしちゃたんだよ・・?」
目ははっきりと開いているのに、身体は硬直したように硬く口も動かさない。
--動かせないように・・見える。
救急車を呼ぶか迷ったが、それより何よりアスランの身体をちゃんと仰向けにさせた。
瞬きをして、アスラン自身何が起こったか良く分かっていないようだ。

「アスランッ・・・」

急なことに心配になって、アスランの手を握る。
次第に、アスランの手に力が戻って優しく握り返してくれた。
何か、口で伝えようとしてくれているのに言葉が出てきていない。
「待ってろ、アスラン・・・すぐ救急車呼ぶからっ」
急いで携帯を取り出し電話をかけた。
救急車が来て担ぎ込まれる中、どうやら呼吸も間々なら無いらしく呼吸装置を付けられる。
救急隊の人に「ご家族はいらっしゃらないのですか?」ときかれた。
「私が同伴する!」そう押し切り、それにアスランは一向に手を離そうとしなかったし・・そうするべきだと感じた。
救急車に乗っていると次第にアスランの呼吸は規則正しくなってくる。


「-------過呼吸でしょうね、多分・・・」

そう言われ、その後ちゃんと医者に見てもらった。
「・・ストレス性のようですね・・・それに、救急隊が来た時・・彼呼吸してなかったそうですよ。」
そして医者は
「多分最初に激しい過呼吸に襲われて反射的に息を止めたんだと思いますが・・・、その後の方が苦しかったでしょうに」

---------ストレス性・・・。

「でも、落ち着いたら直ぐに帰れますから」
そう言われ病院にベットの上でアスランが起きるのを待っていた。




------私の・・せい・・なのかな、やっぱり。


アスランは-----昔から、嫌に優等生で・・私とキラ以外なら皆同じ態度を取る。
少しクールで誰も寄せようとしない態度。
女の子に告白されても、言うセリフはいつも
「悪いが、付き合えない。」
年上も年下も・・同学年も。すべてそれだけ。
そのクールすぎる態度は時に、みんなの事が嫌いなんじゃないかと思えるほどだった。

けど、

私とキラには違う。
優しくて・・面倒を見てくれて---守ってくれる。
心を許してくれていたんだとおもう。人付き合いの苦手な彼が唯一許したのは私とキラ。


-------、その・・あたしが・・「大嫌い」なんて・・・。


今更ながら後悔する。

幼かった日の、軽々しいセリフ。

---------・・アスランが・・・どんなに傷ついたかなんて・・まるで気がつかなかった。

キライじゃないとはっきりといわれて・・信じていて良かったと思うと同時に少し疑念が沸く。


なら・・・どうして、彼は優しく触れてくれなかったんだろう。





アスランが目を覚まし、迎えに来たのはカガリの母だった。
一緒にキラも乗っている。
「アスラン、倒れたんだって?大丈夫?」
「あぁ・・大分・・大丈夫だ。おばさんもすいません。」
「いいのよ〜アスラン君にはいつもキラとカガリがお世話になってるし・・・」
キラはアスランの目を見て、少し笑った。
「-------良かったね、アスラン。目が生き返った。」
---キラキラと幼い日のように輝く翡翠色の目。
「・・・私も・・そう思うぞ、アスラン」
そして家に着き、アスランの家に上がりこもうとした。
だが、それをアスランに止められる。
不安になって見あげると、今までに無いほどすっきりとしたアスランの顔が見えて胸が高鳴った。

「----、今日は・・いい。ありがとうカガリのお陰だ。」
「わ・・私は-------お前の事・・傷つけた・・だけだ。」

申し訳なさそうに俯けば、アスランは笑って

「----・・カガリだから・・傷ついたんだ、でも・・・・・だからこそ・・か。」

正直にアスランは傷ついたと言い切って、真面目な顔をして俯いた顔を覗き込まれる。

「--・・すまない。-----俺は一度だって、君にすきだって伝えてないのにな。」


自信が無くて・・・言えなかった。


でも・・カガリは-------俺が何をしようと・・ずっと傍にいてくれていたのに。

「カガリが・・好きだ・・。愛してる・・・・・。」

そう、もっと早く・・・伝えていたら・・・お互いボロボロにならなくて済んだのに。


「---わ・・私も、さっきまで好きだって---伝えなくて・・・悪かった。」

私の方こそ、ちゃんと伝えてれば良かった。

そうすれば・・・曖昧な関係にはならなかったのに。

アスランを---傷つけたまま・・・・二年も放置せずにすんだのに。


「愛してる・・アスラン。」

どちらともなく触れるだけのキスをして、アスランとカガリは自分の家に帰っていった。






























































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あとがき
やっと目の当てられる状態になった二人。
次はアスランの語りが入る予定、
2006.03.23