-----アスランなんか、大嫌いだ----------。
その言葉を境に、世界からは色彩が消えた。
・・・・・・・ずっと一緒にいる。
---------何処かに行ってしまうなんて・・許さない。
それから数週間の記憶が無い。はっきりと思い出すのはカガリを繋ぎとめた日のこと。
部屋に泣き叫ぶカガリの声が響き、それでも一向に止めようとはしなかった。
手順も何もかも分からないが、したいことは唯一つ。
-----カガリと繋がる事。・・・ただ、それだけ。
泣こうが、わめこうが・・知った事ではない。
・・・・・・・・取り戻してやる。
-----カガリを
事が終わってから、気が付けばシーツは深紅に染まり鉄の匂いが鼻についた。
いまや抵抗しないカガリを見下ろして、
------------カガリが・・戻ってきた。・・俺の元に・・・。
そう安堵の息を漏らす。
・・・だが・・。
--------なんでこんなに哀しいんだろう。
戻ってきて、手に入ったのはカガリの器だけだ。
・・・・・・・・・・・からっぽだ。
「大嫌い」
その言葉がなんども頭を木霊する。
----------こんなに・・好きなのに・・俺は、
涙が溢れた。
そして気が付く。
こんな事をしては、もう二度とカガリの心は手に入らない。
--------ずっと・・からっぽのまま・・・。
そう思えば泣き声を上げたくなる。
裸のカガリを目の前にして、体ばかり大人になったアスランは子供の時のように声をあげた。
-----ずっと、一緒にいてくれる人を亡くした。
自分が・・殺ってしまった。
そう、喪失感にかられ目の前にいるカガリを何度も何度も抱きしめては確かめる。
-------カガリは・・俺のものだ。
・・・・・・・・・例え、器だけだって・・、
ずっと、ずっと、、俺のもの。
そしてそれを確かめるように、度々カガリの身体を抱いた。
小さい頃、家に帰るのがたまらなく嫌いで・・カガリはいつも「家に来るか?」と誘ってくれる。
だが、時々は家の事情で自分の家に帰ってくる。
--------誰もいない。
迎えてくれる人も、抱きしめてくれる人も・・・・・
誰も。
そんな中カガリとキラは、快く迎え入れてくれる。
「ここにいていいよ」そう思わせてくれる。
時々カガリはそんな俺を抱きしめてくれる。
母とはまた違った、暖かい腕で・・・・・・・。
-------どれだけ、大切だったと思う?
分からないかもしれないが、-------本当に、君がいてどれだけ救われたか
-------自分の・・救世主、女神。
そんな君に突き放された俺は・・・・・
どうして、生きる事が出来るんだろう?
高校に入り、より一層綺麗になっていく女神を、何度地に付き落としたか知れない。
何処かに行ってしまわないように、
何度手錠をかけたか分からない。
「-------カガリ。」
そう呼べば、そんな俺にも臆さず何度も笑顔を向けてくれる。
・・・・・・・・・だが、----一度突き落とされた俺はその笑顔すら信じる事が出来なくなったのかもしれない。
「・・・なんで・・そんなんになっちゃったんだよっ・・!!!」
--------君が・・。
愛しくて、憎くて・・・・・堪らないから。
俺は自分を突き放した女神が許せない。
なのに---未だに優しく手を差し伸べてくれる。
--------それは・・同情か?
・・・君の優しさ?
-------でも、
愛情の無い手なんて、いらないんだよ。
心があるのか、ないのか分からない。
いっそ無いほうが扱いやすい。
だが・・俺はまだ受け入れられない。
認めたくないんだ。
・・・・・・・・・もう、君からの愛情がない事を
-----こんなにも
君が好きだから。