これは13禁かもしれない。


V 二面性




好きなんだと、言葉にしてしまえばあまりにも簡単で態度に示すのは驚くほど難しい。

・・・・・・・優しくするのは難しく、辛く当たるのはとても容易いように。


-----俺と違い、そんな難しい事をいとも簡単にやってのけるカガリが・・。

憧れで、傍にいたくて・・振り向いて欲しくて・・・・

---幼い日、そして今も。





「・・・・・・・・ッあ・・ぅ・・ん-------っ」
そんな、普段のカガリでは聞けないような声を聞き身体に旋律が走った。
「・・・-------。」
何度繰り返そうと未だに慣れないカガリの身体。この行為が純粋すぎるカガリの心をどれ程痛みつけているかも承知のうえだ。
そして、自分には勿体無いほどの感性で足掻き、苦しそうにだが気持ちよさそうに顔を歪める。
-----可愛い、厭らしい、綺麗、色っぽい・・・そんな全てのモノを持ったカガリをどうしても自分に繋ぎとめておきたかった。
だが、そんなのは自分勝手。そして、カガリは自由でいるからこそカガリであると・・分かってはいるんだ。
----それでも・・この腕の中に閉じ込めておきたいと思う。
「・・・アス・・ら・・」
カガリの口が俺の名を呼ぼうとするカガリに、酷く内心怯えた。

--------何も・・言うな。

無理やり唇で押さえ込むと、カガリは抵抗する体力もなくしているようで直ぐに舌を受け入れる。
どこにも・・誰にも渡さない・・渡したくない。
アスラン・・そう名前を呼ばれた先にいつも別れの言葉がくるような気がしてならない。

--------そう、思えるだけの酷い行為を繰り返したのは自分。
心が駄目なら-----身体だけでも----。
俺無しじゃ、駄目にさせてやる。

カガリの足の付け根にしゃがみ込み、ベトッとした場所に舌を当てる。
「・・・・ッ・・。」
そう、カガリが息を呑んだのを心地よく感じる。

-------俺を感じてくれているんだ。カガリは。

そう思うと優越感に襲われ、カガリを見て微笑むと快楽に嵌ったカガリの瞳が俺を見ている。
・・・-------俺無しじゃ・・カガリは駄目なんだよ。
そう、わからしめるように何度もカガリの蜜部に舌を運ぶ。
上からはもう、なすがままになっているカガリの喘ぎ声と唾液が時たま喉に詰まって咳をする音がした。
・・・・・今のカガリの頭には・・俺のことしか浮かんではいない。
-----俺が必要だと、俺は君がいなければいけないように。
捩れる小さな身体を固定し、閉じようとした足を何度も開きなおす。
自分の下半身も熱が溜まってしょうがないが、カガリのこの姿を見ていられるならと我慢で踏みとどまった。
しだいにカガリは捩れる力もなくなったように動かなくなり、快楽に身を任せだす。
さすがに限界かと・・思ったのだが、ちょっとまだこの声に浸っていたい。
「・・・・あ・・ぃ・・-----はや・・くぅ・・・・・。」
・・・?今、カガリは何か言ったのだろうか?
分からず顔を上げると、欲望色に染まったカガリの目が俺を見て何かを催促していた。
-------・・俺が・・欲しい?
そう勝手に判断して急に嬉しくなる。
ちゅっとキスをして今までの事を心の中で謝った。

さすがに慣らさないで入れるのは酷だろうと、カガリに気遣い唾液と蜜が混ざったソコに指を入れる。
カガリは過剰なまでに反応して、無意識だろうが腰も動かそうとしていた。

-------・・・可愛い。

その言葉が自分の脳をいっぱいしてカガリは少し不機嫌そうに顔を歪めるが粘膜を擦ればそんな感情も何処かに吹き飛ぶ。
また、可愛らしく声が上がりその声を聞いたことがあるのも、聞き続けることが出来るのも俺なんだと思えば気分も高鳴る。
カガリは目でもっともっとと促してくる。
-------まだ、駄目。
もう最低一本指を追加しないと、入れるときに苦しむのはカガリなんだから。
「・・・・ッあ・・ぅん・・ぁ----。」
ちょっと苦しそうに声が上がれば、何となく悪い事をしたと顔を覗き込み呼吸の邪魔をする唾液を吸い上げる。
だがそこまで近づけばキスがしたくなり、唇を落とし貪るように喰う。
下の手を動かせば、カガリの舌はビクンと動きそれがまたおもしろい。
自分自身苦しいのだが、やはり・・・カガリとこうやっていられるのは嬉しい。
-------カガリは・・そう、思ってくれてはいない・・かもしれない。
当然だ、無理やりつれてこられてこんな事されているんだから。

---------でも拒絶されたくない・・しないでほしい。

「はやく・・・ッ・・、」

----------ッ

考え事をして少し指が止まればカガリはこの期にと意思を俺に伝えた。


早く?


-------・・カガリは・・こうしている事が、嬉しくは無い。

・・・・快楽ですら、カガリを引き止められなくなったら・・俺はどうすればいいんだろう。

フッと頭に浮かんでその言葉を消した。
これ以上考えれば、カガリに何をするかわからない。
成し掛けの理性で踏みとどまり、どうやればこれ以上カガリを傷つけないですむかを考える。
唐突に指を抜けば、新しい蜜が奥から溢れてきて少し顔を歪めた。
---手っ取り早く、カガリに快楽を与えてやればいい。

・・・・・。俺じゃない-------何かを。

こんな気持ちで俺を与えれば、何をするか分からない。・・・少々・・苛立つが。

カガリは驚いた目で此方を見てくるが、その目には答えたくない。
突き放つようにカガリに言葉をかけた。

「-------終わりだ。」

その言葉にカガリは息を呑み、立ち上がれない身体を必死にどうにかしようとしていた。
シャツを着ていると、カガリの荒々しい呼吸が嫌に耳に付き、どうしても抱きしめたくなってしまう。
何度か言葉にならない声をあげて、やっと聞き取れる形になった。
「ぃゃ・・-------最後・・まで・・、、」
泣きながらカガリは催促してくる。

-----早く終わりにしたいんだろ?
・・・それでも、最後を望むのか?

苛立って、でもそのままでは余りにも無残だと自分の机の引き出しからバイブを取り出す。
近寄っていけばカガリは少し安心したようにクテンと身体を任せるようにベットの上で静かになる。

--------・・君は・・・俺に何を望んでいるんだろう?

・・・・これ以上、君に触ったら何をするか分からないのに。
グイッと自分の代わりに何ら熱を持っていない物質を入れた。
「・・ッ・・あ・・ぁ・・ん・・・・・ッ!!!」
それの電源を入れた瞬間、今まで止められていた愛撫が戻ったかのようなカガリの声に内心哀しくなる。
それでもカガリは必死に漏れる声を止めようとしてくれているのが逆に痛い。

---------俺じゃなくて・・いいんだ。

こんな機械と俺とを比較してカガリは機械と俺に同じような反応を示すのが酷く嫌だ。
だが、そんな機械によって生み出されたカガリの喘ぎ声ですら、大きくなった自分のソレを抜くのには十分だった。
抜いている途中、カガリの喘ぎ声が止まったので逝ったのかな?と思ったが自分の事に手一杯でそれどころではなかった。
カガリの中で・・出したかったな。
自分勝手な考えが頭を過ぎるが、それは今日は叶わないと熱を帯びたそれに言い聞かす。
それから暫くして、自分の意識が戻ってから、カガリに近寄ると涙ぐましい表情で淫らに横たわっていた。
涙・・唾液・・蜜、そんな甘いものがカガリの身体にはベトベトに纏わりついている。
それを全て舐めあげて、「-----早く逝けてよかったね。」と少し冷ややかに微笑んだ。

----------俺じゃなくても、カガリは一向に構わない。

そう思えば今日此処にカガリを呼んだ意味など無いように心が哀しくなった。
部屋から出るとカガリは必死に俺に掴まろうと腕を伸ばす。
--------・・今は、無理。
中途半端に求める君に、完全に君を求める俺はただの障壁にかならない。
だから・・・その気が無いなら、そんな素振りは見せないで欲しい。

「-------家は隣だから、帰れるよな。」

いつもと同じくコクンと頷くカガリを見れば、どうしても情がわいてくる。
ちゅッと額にキスをしてカガリを見送った。



家に一人でいれば、さっきの温もりを懐かしく・・また疎ましくかんじる。

---------俺じゃなくても・・。

そう・・・そんな事はとうの昔に知っているさ。
先ほどカガリと二人きりでいたベットに寝転がり、その行為を思い出す。
・・・カガリは・・俺に負い目があるから・・一緒にいるんだろうか?
-----違う。知らない。カガリ自身、その事は気にも留めていない。
・・・・・、、、ちゃんと・・俺と一緒にいようと・・思ってくれている・・。

---------でも・・それは、

快楽目的なのかもしれない。
そう思わせる行為を度々強制させる自分が虚しくてたまらなく嫌いだ。
でも、そうしないとカガリが自分から離れていってしまうように思える。

そしてそれを繰り返す。


・・・・・・・・結局、カガリの本心を掴む事は叶わない。




「・・あーもう、馬鹿だな、貴様は。」
「う・・煩いなぁッ!!ちょっと・・やらせろ!!」
「だからそれではッ・・。」
イザークとカガリが楽しそうに会話していて、・・・でもそれくらいは、、と心に言った瞬間。
イザークがカガリの頭に触れ、カガリもやり返しとイザークの頭に触れてじゃれあっている。

---------。

見てみぬ振りをしてその場を立ち去った。
イザークは出来た奴だ。知っているそんな事。
情に厚いし、基本的には何でも出来るし・・・容姿だっていい。
・・・だからこそ。


別にいいのだ、自分以下の男にはカガリは目を奪われはしない。
だから、大抵の奴は見過ごしてきた。

-----でも、イザークとなられば話は別。

アイツは出来る奴だ。---------カガリが目移りしても・・おかしくは無い。
急速に、自分とカガリを繋がなくてはと思う。だが、あれから日にちが余りにも飽いていない。
頻繁に求めれば、それだけ嫌われる可能性が上がってしまうかもしれない。

-----・・それは避けて通りたい。



結局カガリと一緒に帰る事にする
小さな手を自分のポケットに入れれば徐々に二人とも手は温まってくる、カガリも嬉しそうに見える。
だが次の瞬間イザークから話しかけられ敵意を剥き出しにしてしまう。

・・・・・・・嫌だ。離れないで。

俺以外の奴の所になんて・・・・・。
握る手に否応無しに力が入りカガリは眉を潜めて

「・・・アスラン・・手・・痛いぞ。」

その言葉に脚の動きが止まりかけた。

-----拒絶されてしまう。

それを避けるように謝って手を離した。
これ以上、距離が開くのは嫌だ。
それでも・・・自分はカガリを手放す気なんて毛頭無い。
「・・に・・握るのは良いんだよ・・。ただちょっと痛いって思っただけだ。」
紅色の頬をして、カガリは俯きがちに小さく声を零した。

--------いいのか?

聞こえないように小さく言葉を発した。


「--------離さないからな。」


・・・恐らく-----永遠に。

過去での君から俺への償いは・・君について廻る。
---------例え・・君の心が離れても・・離さない。
そうなったら、きっと酷く哀しいが・・カガリがいないのなんて考えられない。

「-----アスラン・・口に出さないと・・・・分からない事だってあるんだぞ?」
「何の事だ?」

言うまでもなく、その行為を指していると知っている。
だが・・・・・・・カガリが気づかなければ意味が無い。そのための行為でもあるんだから。

「・・・アスラン・・私は・・・--------。」

そこで言葉を止められ安心した。もし、"嫌いだ"ともう一度言われたら、本当に何をするか分かったものではない。
先を聞くのが恐くて、黙って家の前まで行きスッと自分の家へと足を進める。

「-------・・アスランっ・・。」

そう悲痛に呼ばれ、喪失感にかられた。
-------カガリ。
昔のように優しくするのは・・・なんでこんなにも難しいんだろう。
ただ、近寄って優しく抱きしめればいいことなのに。

-----------それだって・・出来ない。

・・・・・・・・・・繋ぎ止めないと不安になってしまう。


「・・・なんで・・そんなんになっちゃったんだよっ・・!!!」


-------------なんで?

・・・・・カガリのせいじゃないか。
憎悪に満ちた瞳を彼女に向けれるわけもない。

--------だが、気が付いて欲しい。

叶わない願いでも、俺はそう願い続けてやる。


・・・・・それでカガリが俺のことを嫌いになったとしても。



-----永遠に離したりしない。




君は俺のものであり、


俺は君のものだから。

























































+++++
あとがき
二面性MAXです。そういう矛盾だらけのアスランを書いてみたいと・・・。
離れてほしくない→身体に走る→それでも哀しい→
やっぱり心が傍にいたい→無理→離れて欲しくない・・・(以下無限)
みたいな悪循環!

2006.03.20