「----アスランッ」
きっと此処ではそんな風に名前を呼ぶ事だって許されてはいない。
「・・・・・・・・ッあ・・ぅ・・ん-------っ」
もう慣れたとしか言い様が無い行為に溜息を付く暇すら与えてくれない。
「・・・-------。」
この時のアスランはまるで別人のようだと毎度の事ながら霞んだ瞳で見ていた。
目に光がない。喜びも哀しみも・・・・・・ない。
「・・・アス・・ら・・」
名前を呼ぼうとすれば唇か手で口を覆われてしまうから、、、
----------呼べない。
部屋に入れば何の前振りもなくベットに押し倒され、キスもなしに服に手を掛けられた。
身体が快感に溺れそうになる中、何をどう間違えてこうなったのかを考えていた。
「・・・・ッ・・。」
蜜を舌で拭い取られ声を殺せばアスランは少し優越感を帯びた瞳で此方を覗いている。
-------顔は・・いつもと同じ・・・・優しいのに・・。
そう思えば思うほど急激に哀しさに襲われ、涙が出てくる。
ペチャとか、ベチョとか・・自分のソノ場所からそんな音が鳴り出すと、もう頭は何も考えられなくなってしまう。
相変わらずソノ場所を舌で舐め続けるアスランは、自分の気持ちなんてお構いなしのようだ。
---------アスランにとっての私は・・一体なんだったのだろう。
浮かんだ疑問も、快楽の前には何の効果も持たず頭の隅へと追いやられた。
どうせ逃れられないのなら、この行為を出来るだけ早く終わらせて欲しいと心から願うのに、彼はそれすら許さない。
一定以上の刺激を・・与えてもくれない。
だか、当然体力の限界は来るわけで・・そしてそれは女である私の方が早いのも当然の事で・・・。
「・・・・あ・・ぃ・・-----はや・・くぅ・・・・・。」
やっと出た言葉ですら活舌が悪くて、届いているか分からなかった。
その声が届いたのか、アスランは顔を上げて此方を見て冷笑した。
-------恐い。
ちゅっと優しく頬にキスをされなんとなく安心感を持たされる。
グチュ・・そうして一本の指が自分の中に進入し、それに過剰に身体が反応した。
顔を見合ったまま、その反応を楽しむような目に少しの嫌悪感と愛情を持った目で見つめてしまう。
彼の顔はそんな淫乱な行為は行われていないかのように清々しい顔で自分を覗き込んでいた。
好き勝手に指が動き、粘膜を擦れば自然と声も上がってしまう。
---------だけど。
もっと・・もっと強いのが欲しい。じゃないと終わらない。
求めるような目に、アスランは微笑んで見せた。-----早く・・。
そう思うともう一本指が追加される。
「・・・・ッあ・・ぅん・・ぁ----。」
口に唾液が溜まり、零れるとアスランはその唾液ごと舐めあげて口に溜まったものも吸い上げてくれた。
呼吸がしやすくなったと思ったのも一瞬、直ぐにキスをされ塞がれてしまう。
下と上両方を同時に貪られ快感は高鳴っていくばかりだった。
-------早く・・・・早くして。
早く・・・・・・・・終わって。
「はやく・・・ッ・・、」
ちゃんと声に出して意思を伝えれるとアスランは眉間にしわを寄せた。
同時に指が二本とも抜かれ、奥から前へと蜜が流れ出る。
今まで入っていたソコが急に物悲しくなって身を捩るとアスランは興味が失せたように立ち上がってシャツを着てしまう。
-------?
「-------終わりだ。」
「・・っ・・・。」
こんなにどうしようもなくなった身体で・・終わり?
アスランだって・・そんなんで物足りないんじゃないのか?
中途半端な快感に身を焦がしながら必死で声をあげる。
「ぃゃ・・-------最後・・まで・・、、」
ポロポロと涙を流してそう言うとアスランは不機嫌そうな顔のまま、自分の机に向かい引き出しを開けた。
「----・・・・・。」
無言で近づかれ、ベットにあがらずその穴から変なものを入れられた。
--------冷たい・・。
アスランの身体と違って嫌に冷たいモノをグイッと体内に埋め込まれてしまう。
「・・ッ・・あ・・ぁ・・ん・・・・・ッ!!!」
いきなり動き出し、白黒した目でアスランを見つめた。
声を出来るだけ漏れないようにして、アスランの瞳を見つめる。
---------こんなのが欲しいわけじゃない。
しかしアスランはそんな私を流して自分の処理へと入ってしまう。
ただ一定の感覚が体を襲うのに、掴まる人・・熱を与えてくれる人が見えないのはとても恐い。
--------アスラン・・。
その機械を引き抜き、途切れ途切れになる息を整えた。
自分のソコからはドクドクと何かが波を打っているように感じてならない。
抜き終わって落ち着いたアスランは、まだ達していない自分を見て少し笑って近寄ってきた。
涙も、唾液も蜜ですら綺麗に舐め上げてから、まるでお人形のように自分に服を着せる。
熱の取れない身体でベットの上に座っていると、アスランに無理やり立たされドアに引率される。
熱を求めるように腕を組むと、それを拒否されるように離された。
「-------家は隣だから、帰れるよな。」
念を押されコクンと頷くと、少しいつもの状態に戻ったアスランは優しく額にキスを落とした。
--------・・いつまで続くんだろう。こんな事が。
そうまだハッキリとしない頭で思い、アスランの家を後にした。
カガリが家へと戻るのを自分の部屋から見ていた。
フラっと今にも倒れそうなのに・・・・と、少し同情してしまう。
---------俺の・・せいなんだが。
そう思えば思うほど、優越感に浸って口元が綻んで低く笑いが漏れた。
でも、一向に心は晴れない。
「カガリ・・。」
ずっとずっと好きで、堪らなく好きで・・・誰にも譲りたくなかった。
兄のキラにだって・・・誰にも。
カガリの隣にい続けるには、単純に身体を繋ぐしか当時の俺は思いつかなかったらしい。
----------、ずっと・・大事にして・・守っていくと幼い日決めた決意を・・・。
俺自身が破った。
彼女の処女膜と共に。
その日から・・・・・度々と続けられるこの行為をカガリが断った事は無い。
--------断る事なんて・・許さない。
破ったのにだって・・・俺なりの訳がある。
-------理由がある。
だが、カガリは未だにその理由も知らない。
--------否、知ろうとしていない。
だから・・・。
こうやって、時々・・思い出させてやる。
-----あの日の感覚を。
あの時の俺の気持ちを伝える為に。