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C-4:無責任な噂






「ねぇ・・・この頃、アスランと時々腕組んでない?」

「・・・・そうだったかなぁ・・?」


フレイに聞かれ首をかしげて考えてみる。
今はもう一月・・中三だがどうせ高校は専属があるので何ら問題ない。
「-----寒いから・・かなぁ?」
「は?」
フレイは「何その理由」と呆れた顔をしてくる。
「でも・・なんだか、この頃・・・本当に恋人みたいに皆思ってるわよ?実際告白数減ったでしょ?」
確かに・・それにミリィが言うなら本当に皆にそう思われているのかもしれないと思った。
「----でも、私とアスラン・・付き合ってないし・・。そう見えるならみんなの勘違いだよ。」
「カガリ・・あんた、折角眉目秀麗な彼と幼馴染なんだから・・早いとこ捕まえなさいよ。」
「はぁ?」
幼馴染だからといって・・いや、幼馴染だからこそ・・。
「・・・まぁアスラン君もカガリも・・・疎そうよね、そういうの。」
「・・うるさいっ・・もう!」
-------良いじゃないか。幼馴染だって・・一番楽なポジションだし。
「アスランが目移りしないようにすることね、カガリ。----あんまり遅いと私が取っちゃうわよ?」
フレイは半ば本気の眼をしていて、正直ビクッとする。
「---ま、まぁアスラン君だし・・大丈夫よ、ね・・カガリ。」
-----というか・・なんでこの二人は自分がアスラン好き前提で話しかけてくるのだろう?

「カガリっ・・こんな所にいた・・。」
そんな最中、噂をしていたアスランが登場しミリィとフレイは焦って見せた。
「昼食・・おばさんが学校まで届けてくれたから、俺が職員室に取りに行ったんだからな。」
「悪い・・ありがとな」
ポンと弁当を渡され微笑むとアスランも笑い返してくれた。
「「・・・・・・・・・・カガリ・・それじゃ、ホント噂になるの無理ないよ」」
二人にそう言われアスランの頭には「?」が飛んでいる。
「・・噂は噂だ。私は気にしないからなっ」
アスランと一緒にキラの待つ教室へと足を運んでいた。
「ックシュン!!」
「・・・薄着なんじゃないのか?カガリ・・・。」
そう心配され学ランをセーラー服の上からかけられた。
「いいよ、アスランが寒くなるだろ?」
「----カガリは女の子なんだから・・身体に気使えよ。」

・・・・・、近頃・・ホント良くそう言われる気がしてならない。
"スカート丈短いじゃないか?女の子だろ・・ちゃんと自覚しろ"・・とか、
あと制服でバスケットをやっている時も"汗が冷えると風邪引くし・・第一女の子なんだから"と注意された。
-----女の子女の子・・言い過ぎなんだよ、最近。・・当のアスランは心配しているだけだから・・何も言わないが・・。
そして前方に後輩であるニコルを発見した。
「ニーコールーッ!!!」
ダッダッダと走り、思いっきり抱きつくとニコルは慌てて見せる。
「か・・カガリ先輩じゃないですか?・・うわぁ」
ニコルの髪の毛はフワフワしてて気持ち良いからつい撫でたくなる。
「いや~、なんかいたから・・抱きついてみたくなった!!」
私よりずっと可愛い顔立ちで、ピアノも巧い部活ではもうマスコットキャラ扱いなのだ。
ワサワサと髪を触っていると、アスランは不機嫌そうな顔で近寄ってきた。
「・・・キラが待ってるぞ。」
いつもよりずっと低い声で言われ、ビクッとする。
「-------ニコルも・・久しぶり。」
そう軽くニコルに挨拶をして、グイッと腕を捕まれた。
「あ・・じゃあな、ニコル!!」
「はい・・じゃあ部活で」

強く引かれ、半ば腕を組むカタチとなる。
「----アスラン?」
不思議なって覗き込むとアスランは深くため息を付いた。
「・・・どうしたんだよ・・?」
-----アスランらしくない・・。
「・・少し、不用意に人に抱きつきすぎじゃないのか?」
「・・そうか?」
「そうだ。」
言い切られ、首をかしげた・・そんな事・・無いと思うんだけどなぁ~。
まぁいっかとさっきの噂を思い出す・・やっぱり腕とか組むからそういう噂が立つんだよな。
「それよりアスラン・・なんか私たち周囲から誤解されてるらしいぞ?」
「-------誤解?」
アスランは何の事だと考えをめぐらせていた。

「なんか、付き合ってるように見えるんだって。」

「は・・・?」
腕を組んで歩いていたので分かったのだが、言った瞬間アスランは微妙に躓いた。
「だからさぁ・・今みたいに腕とか組むの止めた方がいいと思うんだよな。」
そう言って今組まれている腕に目を落とした。
「-----そう・・だな。」
-----?
何となく今凄く微妙な目・・された気がするんだが・・。
「・・いや、別に嫌なわけじゃないんだが・・・・。」
何でフォローしてるんだろうと自分に聞きたい。
「--------・・なら・・・腕組んでてもよくないか。」
「・・・え?」

------どういう事だよ、それ。

嬉しいのか嬉しくないのか良く分からない気持ちに陥った。
「・・・・・うん・・。」
ちょっと俯きがちに答えるとアスランは黙ってそのまま歩き出すので自分もそれに合わせて歩いた。
-------・・まぁ・・いいんだけど・・
でも、やっぱりそうされるとこっちだって意識するし・・。
だいたい・・噂なんて立てるなよな。まったく・・・。
-----嫌に意識しちゃうだろうが。
チラッとアスランの方を見ると気のせいか頬が赤い気がした。
腕をギュッとつかみ、アスランを見あげる。
「・・・熱でもあるのか?」
「-----いや、大丈夫だ・・。」
--------?

・・・・・・・まさか・・だよな?






















+++++
あとがき
完璧受身のカガリに成りつつあります。
でも・・カガリとアスランお互いに「コイツの隣は譲れない」と思ってたり・・。(笑)
そんな二人が書きたいです☆
2006.03.18