--------・・・私たち・・・・・、、幼馴染・・・じゃ・・なかったのか?
涙ぐんだカガリにそう聞かれた。
そして---即答した。
「俺は・・・君の事が---好きだ。」
だから。
-------幼馴染とは・・もう思えない。と
その回答にビックリしたカガリは大きく目を見開いて、顔をクシャッと歪ませた。
もう一度キスをしようと顔を下ろすと、思いっきり顔を横に向けられた。
・・・・大丈夫だから。カガリ。
ちょっと・・関係が大人になるだけ。-------心と身体もそうなように。
顎を引き、唇を合わせやすいようにして目を瞑って涙を流すカガリに無理に口付けをする。
開かない唇を舌で何度も舐め、一瞬空いた隙に入れてしまう。
そうすればすかさず歯がカチッと閉じられて、入れまいとしてくる。
----幼馴染でいたかったという・・・カガリの気持ちは・・・・何となく知っていた。
だけど・・・。
歯の付け根をなぞって、開くまで根気良く待つつもりでいた。
だがキスになれないカガリは直ぐに息継ぎのように口を開いてしまう。
好都合と歯の中に割り込み、口内をかき回した。
「んッ・・・・・・---ぁ・・ん」
苦しそうなカガリの声が、どんどん艶やかな声に変わる。
小さい頃からの付き合いだから、良く分かる。
カガリは「嫌」ではない。
ただ・・その関係を認めたくないのだ。
新しく出来上がっていく、自分との関係が不安なだけ。
新しいものに昔からやけに興味津々のカガリ。
でも、それは物事に対してだけ。
大切な人との人間関係は悩むと必ず泣き出してしまう。
キラとか・・喧嘩した時俺が何度も慰めた気がするし。
---だったら。
そういう時どうすれば良いかだって今までの経験で良くわかる。
"不安じゃない、何も恐くない"そう教えてあげればいい。
----・・お化け屋敷で傍にいてあげたように。
だから、何度も何度もキツクではなく優しく優しく口の中を貪った。
カガリが安心できるように、時々音を立てながら。
暫くして、カガリの舌がおっかなびっくりに上にあがってくる。
確認するようにチョコンと触ると、少し引っ込めてまた元に戻した。
----絡めて欲しいんだよな。
そう、思ったがそんな事をしては直ぐに逃げ出されてしまうのでゆっくり触れ合うまでに時間をとる。
カガリが苦しくならないように何度か口元を開けることも忘れたりしない。
そしてまた優しくかき混ぜて、ゆっくりとカガリのものと絡めた。
さっきと違い確かめるように絡めていると舌特有の感触にカガリも俺も一瞬背をゾクッとする。
だが直ぐに打ち解けて、そうする事が当然のように貪りあう。
暫くしてからゆっくりと唇を離すと、トロンとした瞳のカガリが目の前にいてどうしようもなく胸が高鳴った。
「・・・・アス・・ラ・・ン」
まだ良く動かない口で名前を呼ばれて何と言う代わりに頬にキスをする。
カガリと手を繋ぎゴロンと自分もコンクリートで横になる。
カガリと目が合って微笑むとカガリは泣きそうな顔をして、少し目を逸らしてしまう。
「じ・・・時間が・・欲しいんだ。」
カガリは俯きながら、そう口にした。
「---分かった。・・・待ってる。」
「いつまでなら・・・待っててくれるか?」
起き上がり不安そうに上から覗かれて、そんな不安がらなくていいのにと笑った。
「大丈夫、カガリの決心がつくまで・・待ってる。」
握っていた手の甲にちゅっとキスをするとカガリは直ぐに真っ赤になった。
「--------・・でも・・俺は・・カガリとはもう幼馴染には戻れないから・・・。」
そんな事いってはカガリに可哀相だとは思う・・けど
「ごめん・・、、好きだから。」
その言葉にカガリは顔を曇らせて、結局一緒に階段を下った。
教室に戻ると待ち伏せたキラとラクスが俺の席に座っていた。
「どうだった?カガリと」
「--------時間が欲しい・・・だって。」
「あら、想いをお伝えになられましたのね」
「まぁな・・・。」
「きっと大丈夫ですわ、きっとカガリはもう答えを出していらっしゃいますから。」
「そーだね、きっと。」
二人は良かったねと微笑んでくれている。おそらくこのあとフレイとミリアリアもカガリから話を嗅ぎつけてくるだろう。
そして溜息を漏らした。
-----なんで俺たちの恋はこんなに見張られているんだろう・・・?
しかし、その考えに反して・・フレイとミリアリアは来る気配もなく・・・次の日を迎える事となる。