「わ、私がやってやる!」
「---自分で出来る」
「やるってば・・!!」
「いいって・・・・・」
「いいから!やらせろよっ!!」
+二人だけの戦争+
「このままじゃ私、借りのつくりっぱなしじゃないか!少しは返させろ!!」
うっすらと涙目になる少女に、一瞬目を奪われた。
「・・・・・その前に・・えーと、服・・・着てくれないか?」
見入りそして気が付く、彼女はまだ下着姿だった。
「み、見るなっ!」
「だ、だから見てない!--------もう、乾いてると思うぞ。」
彼女はすぐに服を着て、自分の方へより身をかがめた。
「ほら・・脱げよ、パイロットスーツ・・手当てできないだろ?」
そうわれ、あぁと袖を開き、脇を出した。
「・・・・ごめんな。」
そうボソッと言われ、「あぁ」と返すと彼女は真剣な眼差しで消毒をし傷の深さを見る。
「・・少し・・深いが、縫うほどではないみたいだな。」
ガーゼに消毒液を染み込ませ、それを貼り付けテープで固定しその上から丁寧に包帯を巻かれる。
「・・巧いんだな。手当て・・・----」
しかも・・こんな軍の用品まで・・元からある場所が分かるかのような・・・・・。
「・・・・下手なほうがいいのか?」
唇を尖らせそうきかれ「いや」と返すと彼女はニッコリ笑い、
「---ありがとう・・さっきは・・・助けて・・くれたんだよな。」
「・・・君が・・俺を撃たなかったからな。」
その言葉に彼女はきょとんとした顔になり噴出した。
「何が面白い?」
嬉しそうに微笑まれ、顔が近いせいか少しドキッとする。
「----そうだよな・・ザフトだって・・・・コーディネーターだって・・皆、人だもんな」
当然の事を言われて、自分までキョトンとする。
「・・友達にもさ、コーディネーターのやつがいて・・・そいつも・・・凄く良い奴なんだ。」
--------そいつ・・も?
それは・・・。
「何だよ・・その目は。」
----俺も含まれているという事だろうか?
「・・・・変な事を言う奴だな・・撃ってきたくせに。」
「お前だって、ナイフ振りかざしたじゃないかっ!!」
まだ巻き終わらない包帯をよそに、少しにらみ合うとお互い笑い出した。
「お互い様・・だよな!」
そう、言われ・・・確かにと納得する。
考えてみれば戦争だってそうなのだ。
その当然の事をさっきまで敵だった少女とそう言いあえるのが嬉しかった。
「よしっ出来たっ!」
ぱっと離れ、出した用品を手際よく詰めなおす。
「-------痛い・・か?」
何も答えないせいかそう聞かれる。
「・・いや、ありがとう。」
そう短く答えると彼女は「そうか」と言い嬉しそうな顔をした。
そして焚き火を囲い、その子に毛布を渡した。
「え・・いいよ、ちゃんと服着たんだし・・。」
「・・俺は要らないから、使わないなら横において置け。」
そう言ってやるとムスッとした顔でその子は自分に毛布をかけた。
「・・ありがとな。」
そして横になり目を瞑るものの、寝れない事に気が付き暫し考え事をする。
彼女に出会い・・キラに言われ・・・。
本当に自分は何をしているんだろう。
-----自分が数多の人の命を奪っている事は承知していた。
でも・・
こんな・・・本当に自分達と何ら変わらない、-----そういう人たちも・・
キラや・・彼女みたいな人まで・・自分は殺しているのだろうか?
そう思った瞬間、背筋がビクッとした。
-------・・考えたくない・・。
うとうとしだすと、フワッと暖かい物に包まれて気がして少し目を覚まし薄っすらと目を開けた。
「あ・・起こしちゃったか?・・・今・・震えてたろ?寒いんだろ・・返すよ。」
ポンポンと肩を優しく叩かれ、幼い日の母の手を思い出した。
「・・おやすみ。」
そして彼女は自分の場所へと戻ってスヤスヤと寝息を立て始める。
暫くしてから、彼女が完璧に寝入った事を確認して起き上がった。
「・・・。」
パサッと毛布をかけてやると、その子は少し「ん・・」と唸ってまたスヤスヤと寝息が聞こえ出す。
「・・ありがとう。」
そして今度こそとアスランは横になり寝てしまった。
+++++
あとがき
きっと24話もっと詳しく書いてあったらこうだっと予想してみる・・。
アスカガ〜〜〜〜〜☆☆☆
この瞬間から世界が動きました(何の?)
24話はカガリ・・無論アスランにとっても要の話だと思いますよ。
無印、運命通しても。キラと和解ぐらい重要なシーンですよ!
ビバ☆アスカガ!!!!!!!!!!!!!!!
2006.03.14