「カガリさん、カガリさんっほら、・・あそこ」
メイリンはキラキラと光る海を見てはしゃいでいた。
「おっイルカの群れだ・・・・綺麗だな、久々に見た。」
アスハ邸の近くの海はどうやらいるかの通り道らしい。
公務の帰り、暗くならないうちに海が見たいというメイリンの要望に答えてこうして来ている。
「綺麗ですねー!本物の海ってプラントじゃ見れないですもん」
岩肌を転ばないように、だか持ち前の運動神経をつかい軽くスキップしながらメイリンは歩いていた。
「それに・・イルカは頭が良いから、危険なところにはこないらしい。」
そう笑うと、メイリンは
「じゃあ、きっと世界中のイルカがオーブに集まってきますよ!」
「え?---あぁ、そうだな。」
言っている事の意味に気が付いて、少し嬉しくなった。
「ま、当然ですよ!だってカガリさんがこんなに頑張ってるんですから」
そう微笑まれて、こちらも微笑み返す。
「・・・私は、イルカが世界中を安心して渡れるように・・・なってほしいな。」
小さくいうと、メイリンも
「そーですねー。でも、ほらそうなるまではオーブの領海でゆっくりしてもらいましょうっ」
そうすれば何度もこうしてイルカが見られるとメイリンは言う。
「そうだな・・・そうしてもらうか。」
二人で顔をあわせて笑っていると、車が一台海岸沿いの車道に止まった。
「カガリ、メイリン、何やってるの」
助手席からキラが降りてきて、こっちに歩いてくる。
そして運転席からはアスランが出てきた。
「---はぁ・・何やってるんだよ。」
いつものように頭をかきながら。
そしてメイリンはこそっと呟く。
「あのくせ・・早く治さないと、コーディネーターと言えど禿げかねませんよね」
「そーだな、言っておくか。」
そしてまた二人で顔をあわせて笑った。