+迷い+




「えぇ・・まだちょっと修復作業が終わりそうにないの。」
『ラクスは・・、プラント入りと・・連絡が来ているが・・』
「評議会の決定だそうよ、たしかに・・今のプラントには必要だとおもうわ、カガリさんはどう思う?」
『・・いい・とは思う、キラを出してくれないか?多分護衛に付きたがると思うんだ。』
「分かったわ」





"キラ准将、至急ブリッチまで来ていただけるかしら?"

そう艦内に放送が入り、キラは立ち上がった。

「・・なんだ?」
「さぁ・・。」

俺もとアスランは立ち上がってメイリンも立ち上がる。

「重要な事だったら・・困るからな。」
「そうだね。」

そして三人でブリッチに向かうとラクスも通りかかる。
「私も行きますわ、おそらく---プラントとの事でしょうから。」
四人でブリッチに上がると、スクリーンには懐かしい顔が見えた。

-----・・カガリ。

そう一瞬息を呑んだ。

「久しぶり・・カガリ、どうしたの?」
『ラクスも来たか・・ちょうどいい、プラントとの話だが・・・』

アスランは自分の顔が映らない様に立つ場所を選んでそこに立つ。

『エターナルの修復が終わったら・・そのままプラントに入ったほうが良いだろう?・・キラも』
「うん。僕はラクスを守りに行くよ。」
「・・お願いしますわ、キラ」

そう・・視線を交わせる二人が少し・・羨ましい。

『それとメイリンの事だが・・今還らせるのはあまりに危険だ。----軍法とかからも・・守ってやりたいし・・』

そう名前が出されて、メイリンは一歩前に出る。

『・・いたのか、すまないなメイリン・・。まだプラントには還せそうにないんだ』

「いえ・・あの、、ありがとうございます。」

メイリンは他人行儀の礼をしてカガリは困ったように笑った。

『修復のめどは・・あと三日ほどだったか?』

「えぇ・・もう少しよ、エターナルだけなら・・あと一日も在れば出せるわ。」

『そうか・・じゃあエターナルを優先的に直して欲しい。プラントも・・ラクスのような人がいないと何かと大変だろうからな。』

そしてカガリは一拍おいて、溜息を付いた。

『よかった・・皆・・無事で。』

そこには代表ではない、カガリの姿を感じてブリッチ全体の空気が和む。

「カガリさんも・・まだまだ、大変そうね」

『・・あぁ---だが、平和の為だ・・それを思えば頑張れる。』

「そう・・ですわね、私もプラントで・・・皆様のお役に立てるよう頑張りますわ。」

そう言ったラクスをキラは横からやんわりと肩を抱いてみせた。

メイリンは何度かアスランのほうを見て"いいんですか?"と尋ねてくる。

『・・・いるんだろ?アスラン』

そう言われてアスランはビクッとした。何か悪い事をしたわけでもないが・・。

ただ・・前に出て何を言えば良いのか分からない。

『メイリンの顔がそういってる。』

画面越しに笑うカガリは何処かやつれて見えて・・一歩、また一歩近づき見あげた。

『元気そう・・だな。』

「・・・。」

そしてにこやかに微笑むカガリを見て安心する。

何も言わず、じっと画面を・・その中にいるカガリを見つめた。

『・・・・・・・、もう・・切らないと。じゃあな。』

そう言ってプツンと画面は消える。

その中にいた・・カガリの姿も、見えなくなる。

「もっと・・話せばよかったのに、アスラン」

「・・・・・顔が見られた・・、それだけで、、いい。」

そしてブリッチから出て行こうとする。

ラクスから急にクスリと笑われた。

「お顔・・緩んでますわよ、アスラン」

聞こえない振りをして、ブリッチから下りていくことにした。




「・・・---なんだか、単身赴任なのに愛し合ってる夫婦みたいだな。」

そうノイマンさんが言って、ブリッチ全体で笑い出す。

「輝いてましたよね、顔。」

「ホントだよね、出し惜しみしないで早く顔見せてあげれば良かったのに。」

そうキラとメイリンは笑い、「そういう人なんです、アスランは」とラクスも笑う。

そんな事露知らずのアスランは幸せな気分に浸りながら、アークエンジェルの廊下を歩いていた。






































































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あとがき
迷い・・カガリの前に顔を出すか迷ったと言うお話です。
ぜったい会話しないですよ、アスランは・・!!(多分。)
でも遠く離れてるほどに近くに感じてる二人ですからっ!!
アークエンジェルとエターナルはターミナルで修復中だという設定です。
2006.04.08