海に潜る

それは、海に想いが届かなかったと告げ、この肉体にサヨナラを告げること。







+王子と姫+




朝になり、キラとアスランをたたき起こし、ラクスもと言うとキラはラクスを背負った。

アスランは昨日の事が気に掛かっているのか憂鬱そうに見えた。

そして四人で海に向かう。


「カガリ・・何処行くの?」

「海だっ海っ!!」


キラは少し不審そうな顔をして、自分を見てくる。

「ラクスが助かるかもしれないんだ」

その言葉でキラは大きく目を開き、そしてホント?と聞き返してくる。



「本当だッ」



そして砂浜に到着した。


そして、ロープに自分の身体を括りつける。

「いいか、私が海に潜るから、一分ぐらいしたら引き上げてくれ。」


その言葉に二人は?を飛ばす。

「潜って取れるようなものなら、俺が・・」



「駄目、私じゃないと意味が無いっ」



そして岩に寝かせてあるラクスに最期の挨拶をしに行く。


「ラクスッ絶対・・起きろよな。」


そしてキラに抱きついた。

「・・カガリッ?」

「・・・お前もしっかりしろよ?次期王様なんだから!!」


キラは私の心を感じたのか物凄く微妙な反応をした。


「え・・カガリ・・これから・・・どうする気?」

その質問に優しく微笑んだ。


「ラクスを助ける・・それだけだ。」


そしてアスランの所に行く。


「・・・お前も・・頑張れよ。」

そして二人に背を向けた。



ポロポロと涙が流れてくる。


そして一歩、海に足を入れた。




ジュッ




そう音がした、足が痛い・・・。



だが、泡は出てこない。



そしてどんどん進み、胸まで浸かる。


海水に触れている所はまるで王水に触れるように痛い。




そして顔ごと潜った。












ゴボッゴボ














「えっ!!」


カガリが顔ごと潜った瞬間、その場からいっせいに水蒸気が上がった。

急いでキラはロープを引き、俺はカガリのほうへ駆けて行く。


カガリの近くまで行こうとするが、ボコボコと何かが水面に上がってくる。



「泡・・・?」



そしてキラは


「カガリが・・カガリがっ・・それ・・ラクスにって言ってる!!」



そう言われその泡を少量取る。

だが、カガリがいない・・・。


そしてその泡が溢れる場所へ腕を突っ込み、引き上げる。


フワッとしたものが手を通過したような気がした、焦って自分も顔を水に付ける。




-------え?






不思議と、ハッキリと水の中が見えた。


そしてそこには沢山の魚達がいる・・・。



カガリは・・?



フッとカガリのドレスが見え急いで抱え、水の上へもって行く。


そのまま、泡とカガリと共に岸に上がった。








「--------っ・・カガ・・リ・・?」











キラはカガリを肯定しなかった。





「・・・・・・・・カ・・ガ・・リ」




そう自分が抱えているものを見る。














カガリ?

それは確かにカガリの着ていたドレスだった。


でも・・


中身はべチョべチョとした海水と泡・・・・。

そして其れを見たアスランは固まってしまう。



『キラ・・何やってるんだよ・・早くラクスに泡と・・・』



そう脳髄に響くカガリの声を頼りに、その通りに動く。


そして、そのカガリの服に付いている泡と呼ぶには少々硬いものを口少しだけ含みラクスのところに行く。




そして、ラクスの口にそれを入れ飲み込ませた。















「--------・・キラ・・?」


「ラクスッ・・」


そしてカガリに伝えるように、それを言う



『カガリッ・・!ラクスが・・ラクスが起きたっ!!・・・カガリは?・・・・・何処にいるの?』




だが、その返事は来ない。












「・・・・・カガリは・・・?」


ラクスもそのドレスだけを見て驚くように声を上げた。






思わず、そのドレスを抱きしめる。



「・・・カガ・・リ・・・・?」


"アスランっ"


そう呼んでくれた様な気がした。



『アスランが好きなのは-----』



「カガリ・・俺は・・・・カガリが・・好き・・だっ・・。」


その声に、カガリの返事は無かった。



ただ、そのドレスに付いた、少し硬い泡が顔に少し付いていただけ。



















































「カガリッ!!!!!!!!!!!」























ドレスと泡を抱きしめ、生まれて初めて人前で声を上げて泣いた。


「何で・・・」


ラクスはヨロヨロと近づいてきて、そのドレスと泡に触れる。




「----------っ・・カガリ?」







見えない・・けど・・・分かる。

カガリが・・私と共に在る。

身体の中にカガリを感じる。

それは



--------駄目、です。










「カガリは・・此処にいないと・・駄目ですわ・・・・。」









































フラッシュバックを起こすかのように、カガリとの記憶が鮮明に蘇ってくる。











『人魚の血は何でも治せるんだ・・』

『血が繋がっちゃうから--』













--------------それって・・・・?












持っていたナイフで腕を少し深く裁いた。



「キラッ!?」


ラクスに叫ばれるが、その腕をカガリの上に突き出す。


「僕達は・・血が繋がった兄妹だからっ・・・・!!」


昔、カガリがしてくれたように。

次は・・僕が・・君に・・・・。



血が当たって、その場所から泡が固形に少しずつ戻っていく。


「カガリ!!?」





そうアスランは大きく声を上げた。





































「--------あれ?」

私は・・?

そこには、アスランとキラとラクスの姿が在った。




「夢・・・?」




そうだとしても何て都合の良い夢なんだろう。

大好きな人たちに逢えるなんて・・・。

なんて・・・素晴らしい夢なんだろう・・・。









「「「カガリっ」」」




皆がいっせいに呼んでくれたように感じた。


そして-----


「・・・カガリ・・俺は・・・・」


ポタッと肌に何かが垂れた。



「君が好きなんだ・・・・っ」


その言葉に、身体の奥が覚醒する。











「良かった---------」


生きてる時聞きたかった・・

叶わない願いだと、知っていたけど。




そしてアスランに泣きながら抱きつかれ、背中を撫でてやった。






夢でも幻でもなんでもいい。

今こうやって有る事が幸せだ・・・・・・・。









「カガリ・・」



そしてラクスは自分の頭を撫でてくれた。



キラも、横から抱きしめてくれる。










そして次第に意識がハッキリとしてくる。











「--------・・私は・・もしかして生きているのか?」










その質問に三人は


「はい?」


「えぇ・・」


「死ぬ気だったのか・・?」

と返してきた。



































+++++
あとがき
えぇー変な切り方(自分で言うな。)
でも本編はコレで終了っ!付録品は書く予定あり☆
出来ればアスランを黒ザラにしたいが・・・出来るかッ?
は〜まぁカガリとアスランがラブラブなら何でもいいや♪