・・・・・・・流石だなぁって思っちゃう。
--------はぁ・・。
+おたはむれはおよしになって+
「メイリンっ!今日の公務は・・。」
「えっと・・・議会に出て、午後プラントからの評議員を迎えて・・夕方はパーティーですね。」
カガリさんの好意で自分は今アスハ邸に住まわせてもらっている。
アスランさんは今軍で働いているので、プラントに手続きが取れるまでの間カガリさんのボディーガードをする事にした。
「-----そうか。」
カガリさんは深々とため息を付き、首長服の上着に袖を通す。
そして通信機械の方に目をやりまた深々とため息を付いた。
「-------・・夜・・なら、アスランさんと連絡取れますよ。きっと。」
そう声をかけると、
「・・・いや・・アイツも軍に入ったばかりだし・・・忙しいと思うから・・。」
アスランさんとカガリさんは・・恋人だ。
----でも、二人とも連絡を取ろうとしない。
「・・・・・・じゃあ、私が聞いておきますよ。」
「・・え?」
「アスランさんに、夜話せないかって。」
そう言うとカガリさんは「申し訳ないから・・」と言うのだが、そんな浮かない顔をされてはオーブ国民だって困ると思う。
「-----いいですよ。全然。」
二人が連絡を取らない理由を、自分は・・自分だけ知っていた。
---------アスランさんの事が好きだった。
でも、それは恋愛の好き・・ではない。そう何となくこの二人を見ていて思った。
敬愛・・とか、そういうのが強い気がする。
・・・・・・・ま、それ以上にずっとずっと悔しさが上回る訳で・・。
「そうか・・悪いな・・。」
カガリさんは恐らく、自分がアスランを好きだと知っている。
-----それが、アスランさんにあまり連絡を取らない理由の一つ。
そしてその言葉の後、カガリさんは本当に綺麗に笑うのだ。
----こんな表情・・私には出来ない。
ちょっと膨れたが、すぐに一緒に朝食を取る。
カガリさんとまだあまり長い間一緒にいたわけではないが、やはり・・・・・・・。
"いい人"、"出来た人間"そう呼ぶのに相応しい人格をしていると感じてしまう。
「・・いつも、悪いな・・メイリン。」
その言い方が、微妙にアスランさんと被る。
「護衛・・してくれて、感謝してる。」
「・・・私は・・こうやってご飯食べさせて頂いてますし・・当然の事ですよ。」
そして微笑むとニッコリと微笑み返してくれた。
カガリさんが議会に出ている間に、アスランさんに通信を入れる。
案の定仕事のようで出る気配が無いので、録画することにした。
--------いっそ、金髪のカツラでもかぶろうかと試行錯誤したが、さすがに怒られると思い止めた。
でも、ただ逢いたがっているとか連絡していいですか?とか・・。
そんな安易なのは釈然としない。何か・・少しぐらい意地悪だってしたくなる。
「・・・プリンセスが赤のナイトに会いたいそうです。・・・場所は・・懐かしの部屋で今宵から貴方までです。」
そして録画を切った。
「・・・え?」
カガリさんが自分の部屋にドレスで入り、その飾りを脱ぎ捨てた瞬間でた言葉。
「・・・・・・・・・・・・・・アスラン!?」
微妙に開いているドアから、二人の姿がありありと見える。
「なッなんで・・この部屋に・・・・!?」
カガリさんは嬉しそうに口をパクパクさせ、目を見開いてみせる。
「・・・・・・・メイリンから通信が入っていたからな。」
やはりアスランさんにあの暗号は夕飯前だったかと、少し悔しく思った。
「-----・・迷惑・・・・だったか?」
「そんな事ある訳ないだろう!?」
----連絡を取らない理由のもう一つ。
・・・・・・・・互いに・・相手の事を思いやりすぎなのだ。
そしてアスランさんはゆっくりと近づき、カガリさんを抱きしめた。
「・・・・・・・そうか。」
カガリさんも背中に手を回し、二人ともこうしている事が自然なような空気になる。
そしてお互い相手を見て、今までに見たことの無いような表情をする。
--------・・流石だなぁ・・。
・・・・・・・、争う気だって、逸れちゃうよ。
そうため息を付いて、ドアを静かに閉め廊下を歩き出した。
+++++
あとがき。
こんな感じかな・・運命後って・・?
メイリンの暗号?みたいなのは・・・・。
プリンセス=カガリ、赤のナイト=アスラン。
いつもの場所=いつも会っていたカガリの部屋
今宵から貴方まで=今、宵から貴方まで
今=今日。宵=夜になって直ぐ。貴方=アスラン
アスラン=Athran=夜明け(暁)です。
つまり、夜から朝方にかけて会いたがっていると(笑)。