カガリとキラの、責めるような目が痛かった。











□悪意ある一言□











カガリのせいと言っても過言ではない。

大西洋連邦との条約は間違っていた。

そして、今プラントの邪魔をするキラやアークエンジェルも間違っていた。

そう、正しいのはこっちのはずだ。

なのに何で二人で責めるような眼差しを送る。

殺されたのは俺の仲間。

撃たれたのは俺の艦だ。



なのに・・・?



「僕はあのギュランダルって人が信じられない。」







ラクスが殺されかけたという。

それは・・一部の奴の仕業かもしれないじゃないか。









「アスランッ・・・」





カガリを守りたかった。


だからザフトに復帰した。

なのにカガリは裏切った。

ユウナと結婚する事を選んだ。



なのに・・・・。



「なんで・・ザフトなんかに・・!!」










何で俺が責められる?






君の為











そのハズだった。











でも、






君は俺を裏切った。






どれだけ・・衝撃を受けたか。

























お前は言う。

私たちのしている行動が間違いだったと。

早くオーブに戻れと。


それは、アークエンジェルがオーブを飛び立った事をも間違いだと言うのか?






アスランは知らない。


今の私がオーブにもどった所で何も出来ない事を。





大西洋条約すら解消できないこの非力さを。





そして・・・。






あの男とまた結婚になる事に逆らえないであろう事情を。






彼は知らない。





私がどれだけ彼を愛しているかを。




裏切りたくなかった。




ずっとずっと傍にいて支えて欲しい。







でも・・・・。






あなたは行ってしまった。








私を置いて。











行かないで・・・。


























久しぶりに目の当たりにした親友の思いがけない言葉に内心ため息が出た。


こんなに意見が違うの?


ラクスが殺されても良かったの?


カガリが・・どんな想いで結婚式にのぞんだと思ってるの?


また、戦うの?僕達が。




違うよね




君だってそう思ってるよね。



それでもあの人の肩を持つの?


何でカガリの事を理解してあげられないの?


なんで・・・。




そんな酷い事をカガリに平然と言えるの?




どうして?




どうして、そんな事ばかり言うの?






君は・・・






こっちに来てくれないの?



















カガリとキラの目が痛かった。



責められている目、縋られる目。



己が間違っていると言われる目。



その目に怒りを覚えた。





悪いのはお前達だ。





戦場を混乱させ、要らぬ犠牲を出し・・・。






「アスラン・・・っ・・」





泣きそうな、カガリの目が痛かった。




そしてキラはカガリの肩に手を置く。







それだって・・本当は・・・


俺の役目なのに。























そしてその二人の非難の目を後に思う。





ラクスが殺されそうになった。

だからキラが再び戦いを選択したのは理解できる。




でも、納得はいかない。その選択が正しいと思えない。










カガリの指には赤く光る指輪が見えた。




刹那に伝わる。







カガリがどんな想いでこの場に来たか。





俺を裏切りたくなかったと、そう思っているような気がして・・・・。




それを分かって欲しいと。そう願っているようで・・・。






でも・・











裏切られたのは・・俺だ。











カガリがユウナと結婚しなければならないのは知っていた。





けど・・・・・。





納得がいくはずが無い。




それを露にするように、その言葉を言い放った。
















『理解できても・・・納得が行かない事もある・・俺にだって・・・。』
























その一言が、どれだけ相手を傷つけたか知らない。























++++++++++
あとがき
あの運命最大のすれ違いシーンです。

小説でセリフを見ながら打っていたのですが、
途中小説に読み要り、アスカガシーンだけ読み漁り。
そしてまた泣きました。
カガリ・・・。君が運命の裏主人公だ!!!!(と勝手に思ってます)
2006/2/12