三歩前に君が居ない。
三歩後ろにお前が居ない。
それは今までの甘え。
+彼と彼女の浸食劇+
「っ・・・」
瞳に涙をいっぱいにしてそれでも堪える彼女を抱きしめない理由など無い。
「大丈夫だから・・・。」
当然のように抱きしめ、頭を撫で綺麗な蜂蜜色の髪に指を通す。
その少し固めの髪質、すっと通るストレート。
「アスランッ・・・・」
息を殺して泣く彼女を同情した目と、欲情しそうになる目とで眺めていた。
でも、ちゃんと何もせずただ抱きしめる。
「俺の所ぐらい・・いっぱい泣いていいから」
俺以外の奴の胸で泣いたりなんて出来ないように
それは独占欲。
今にも泣きそうな所で彼の優しい顔が入ってくる。
昔よりずっと大きくなった腕を広げ、優しく包み込んでくれた。
涙が溢れた。
辛かった。
正義が分かっているのに通らず
通せない自分。
侮辱されている事実。
すべてが嫌で辛い。
でも・・・
「アスラン・・・」
彼だけ・・・。
彼だけは分かってくれる。
「俺の所ぐらい・・いっぱい泣いていいから」
そして目が腫れるほど泣いた。
ただの依存だと知っていても。
そしてお互い喰い合う事になる。
++++++++++
あとがき
運命始まり頃。
わたし、この時の関係嫌いです(爆)
いや、主従関係はいいんです。
ただ、独占したり、依存したり・・・。
嫌いです。
ただのカップルだったら結構面白い(性悪)と思います。
2006/2/12