パーティー会場。
主催は、セイラン家。
そして隣には・・・紫髪の揉み上げ長身男が一人。
「綺麗だね〜・・やっぱり、ドレスも似合うなぁ・・カガリには。」
「・・そ・そうか--------・・・・・。」
カガリは腰に回ってきた腕に少し眉を潜めるがすぐに顔の強張ったのを戻す。
「踊らない?せっかくのパーティーだ」
「いや・・いい・・。----・・」
「・・・・。-----やっと、突き放せたな。」
「あぁ・・。よかった。」
そう、控え室にカガリの三歩後ろで戻ってきたアスランは声をかけた。
「・・・・・、こんな服・・懲り懲りだ。」
「パーティーだ・・仕方ない。」
そう、言い聞かせている。アスランはアスランに。
「----・・・終わりには・・また顔出さないといけないのか・・。」
カガリは眉間にしわを寄せて不機嫌そうに顔をゆがめる。
大きく溜息を付いて、ヒールの靴を脱いだ。
「・・・・あと・・四十五分くらいか・・」
--------・・そうすれば・・また、ユウナの隣を歩くカガリを・・目の前に見なければならない。
・・・・嫌だ。
「・・・・・休んでおいたほうが良いんじゃないか?---疲れているんだろう?」
「・・・あぁ------でも・・」
「?」
「・・・アスランと話したい。こんな場所で・・悪いんだが、ゆっくりと話す時間すら・・・・このごろ取れなかったから。」
----・・君はいつだってそうだ。
「・・・・・俺の事はいいよ。」
------辛いのは・・カガリだって同じ。
「・・・・・私もアスランと話したい。」
--------・・・・想いが同じだから。
でも・・・違う。
「---------カガリ」
カガリは
「私のことなら気にするな!まだまだ・・大丈夫だ!」
-----いつも・・自分の事を後回しにする。
本当は寝たいんだ。昨日だって徹夜だったのは俺だって知っている。
「・・・俺の前まで・・・無理してほしくない。」
--------・・・・辛いんだろう?
「でも・・・私は・・。」
----俺が・・・きっと君の後ろでずっと・・話したそうにしてたから。
カガリは・・それに気が付いてくれているから。
「----カガリが・・頑張ってるのに、俺が迷惑かけるわけに・・いかないだろう?」
-------・・・本当は・・話したい。
キスだってしたい・・・それ以上の事も・・でも
「アスラン・・我慢するな。-----私は・・大丈夫だから。」
フワンと暖かい腕に頭を包まれて、髪に細い指を通された。
「お前を受け止めるのは・・・私の仕事だ。」
----------------・・・ごめん。
「アスラン?」
・・・・俺は・・君に甘えたい。
グッと力を入れて細い腰を抱き、カガリとみつめあう。
----本当は・・・・・・こんな事してはいけない。
・・・・止まらない。
口紅の付いた場所に自分の唇を押し当てる。ベトッとした触り心地が少し嫌だった。
そして口内を探る。
「・・・?!」
カガリは驚いて顔を真っ赤に染めたが、一度動き出したら止まるはずもなく・・カガリは成すがままになるしかない。
「ん-----、、ぁ・・。」
ごめん・・・・・ごめん、カガリ。
------隙間を埋めるような・・愛し方。
違うはずなんだ、俺と君との愛は。本当はこんな寂しい愛じゃないはずなんだ。
------でも、
・・・・俺以外の奴の・・・・・隣になんて
あんな奴の・・隣になんて。
立たないで
「・・・な、な、な、何するんだイキナリッ」
そう、頬を真っ赤に染めて・・でも嬉しそうにするカガリが愛しくて堪らない。
心が温かいもので満たされる。
「カガリ・・。」
・・・・ごめん、
何処にも行かせない
「アスラン?」
グッと腰を抱く腕に力を入れて、カガリを抱き上げてソファーに横にする。
「・・・・俺は・・もう大丈夫だ、----ゆっくり・・寝ろよ?」
「・・・・ありがとう。」
本当は全然大丈夫なんかじゃなくて、
ずっとずっと、抱きしめていたい。
でも------そんなの・・勝手すぎて。許されない、許さない、そんな自分。
暖かいもので埋まった心は・・・
君がいなければ、また----直ぐに冷たくなって干からびるけど。
本当は
何処にも行かせたくはないけれど