梅雨明けを迎えいよいよ夏休みへと入る。
アスランはこの時をどれほど待ち望んでいたか、分からなかった。
もう、恒例となったカガリのザラ邸でのバイト・・・当然のように家に来てくれるのが嬉しくて堪らなかった。
それに・・今年はずっといてくれる、一ヶ月もカガリと共にいられるのだ。
二人っきりで。
「ほらぁッ!起きろってばッ!朝だぞ?朝!!」
そうバフバフと音を立て、カガリはメイド服でベットにいるアスランの上に乗ってくる。
毎度一緒に寝ているのに、仕事とはいえカガリは毎日早く起きてこうやって起こしてくれていた。
「・・・・・いや。」
「嫌じゃないッ!」
ガッとかけていたものを取られて、少し寒く感じカガリの腰に腕を伸ばす。
そして引き寄せる。
「ッ・・なっ・・朝からなに・・」
「寒い」
「冷房下げろッ!」
そうやって毎日同じような会話をして、脳が覚醒してゆく。
「おはよ、カガリ。」
ちゅっと音を立てて頬にキスをすれば、カガリは見る見る赤くなる。
「・・・ほら、朝ごはん。いくぞっ」
そうして、二人で食堂に向かう姿はもう使用人も見慣れたものだった。
「そーだ、アスラン。来週の水曜・・休暇が欲しいんだ。」
食事中、唐突にでた言葉にアスランは「どうかしたのか?」とたずねる。
「いや、友達と海かプール行こうって・・」
確かに・・夏の間この館にカガリを縛り付けるのは良くない。・・でも、それなら。
「・・・その前に、俺とプール行かないか?」
カガリの水着姿に興味がある・・と、言われたらそのとおりだ。
でも、プールにせよ海にせよ・・他の男に見られることに何ら変わりは無い。
なら・・・少しでも早く、見たい。
「丁度いいから、キラとラクスも誘って・・この家のプールで誕生会も兼ねて・・どうだ?」
そう提案するとカガリは嬉しそうに頷いてくれた。
キラとカガリの誕生会をまだやっていない、早く・・プレゼントも渡したいし・・。
キラに電話すると、勿論OKと返され翌日にはもう遊ぶ事になった。
夕方、カガリがシーツを変えにきてそこを捕まえる。
「仕事中だってば・・」
そう言葉で言いながらも顔は嬉しそうに見えた。
後ろから抱きしめて、耳にキスをする。ここがカガリの弱いところだと何となく理解していた。
・・実際、カガリは官能的な事全てに弱いのだが・・・・。
それを知った上で小さい身体を撫でれば、どこにせよビクンと過剰に反応する。
顔が見えない・・けど、赤い。耳も・・それに力が抜けて身体がドンドンアスランのほうへ倒れてきていた。
「・・・・気持ちいいんだよな。」
そう囁けば小さく「馬鹿」と言われて可愛さ余りで「いいの、そんな言い方して」と言葉攻めに走った。
そして腰を抱き上げて、まだ取り替えていないシーツの上に寝かせる。
カガリとはまだ・・身体の繋がりを持ってはいない。けど・・・そう遠くない日に、確実にもてると確信していた。
「・・あすらん・・しごと・----それに夕飯も手伝うから・・」
火照った熱を逃がすように息をするカガリが愛しくて、抱きたいと思ってしまう。
けど、仕事中・・だもんな。後で・・
理性で歯止めをかけながらも横になっているカガリのメイド服の襟を肌蹴させてキスをする。
鎖骨を舐めれば、可愛らしい高い声まで返ってきた。
「・・・・・後で・・また。」
そう少し心残りに、でも声をかけるとカガリは「ああ」と笑ってくれた。
シーツを取り替えて、熱くなった身体を冷ますように駆けて行くカガリを見送る。
夕食も一緒に取り、夜が来て・・今日こそとアスランはカガリに切り出した。
カガリが来て・・もう一週間・・。毎日手を出したい衝動にかられて、でも・・・勇気がなくて。
----・・・でも・・今日こそは。
「あの・・さ、カガリ・・。」
まだ風呂に入っていないメイド服のカガリとソファーに重なりながら座る時に抱きしめながら切り出した。
「・・・・・なんだ?アスラン?」
足の間でそう振り返りながら返事をするカガリが可愛くて、アスランはドクンと心臓を揺らす。
「--------抱きたいんだ。・・カガリを・・。」
真っ赤になった。柄にもないことだと理解していたが・・それでも、真っ赤になってしまう。
アスランは元からこの方向にはめっぽう弱い、いや・・実際自分でやってしまえば平気なのだが・・。
それまで伝えるという行動が苦手だ。
「・・・---ベット・・で?・・・え?・・えっと・・・」
カガリも理解しているようで頬を染める。
「・・・・・・・・・いい・・、ぞ・・。私は・・嬉しい・・から。」
ガッと立ち上がって、風呂に入ってくるとカガリは急ぎ足で行ってしまった。
ザーッっとシャワーを浴びながら、顔がまだまだ赤い事に気が付く。
抱きたい・・、そういってもらえてくすぐったいのと・・、凄く恥ずかしい。
触られるだけで、時々高い・・まるで自分のものじゃないような声が出るのに。
抱かれてしまったら・・どれほど恥ずかしくなるのだろう?
少しの好奇心とそれより大きい不安にかられた。
そうしていると、バスルームのそとからノックが聞こえる。
「・・・・入っても・・いいか?」
紛れも無いアスランからのその言葉にカガリは動転してしまい、何も答えられない。
「カガリ?」
「あ・・ッ・・え・ッ--でも、・・」
「入るぞ?」
「・・ちょ・・まって・・。バスタオル巻きたいし・・えっと・・。」
スッと少し開いた扉からバスタオルを出されて急いでそれを身体に巻いた。
「・・いいぞ。」
シャワーの音で消えそうな声にもアスランは気が付いてシャワー室に入ってくる。
当然ちゃんと腰にタオルを巻いて、でも上半身は筋肉質な綺麗な肌が目に付いてならない。
「「・・・・・ッ・・」」
お互い、姿に見入って赤くなる、アスランは直ぐに緩やかに微笑んでシャワーのあたる場所へと、カガリのところへと近づく。
「・・・・----アスラン・・っ」
恥ずかしさで死んでしまいそうだと半ば確信めいたものに襲われながら、シャワーの中で抱きしめあった。
アスランも身体を洗い終わり、愛しい人が待つ浴槽へと入る。
広い浴槽、あと三人くらいなら入れると思いながらカガリを抱き寄せた。
「・・・・---・・幸せ・・だ、俺は。」
カガリと・・・・こうやって、いられる。・・・・・幸せすぎる。
腕の中で大人しくするカガリは恥ずかしそうに胸に顔を埋めてしまう。
「・・・カガリ・・は?」
「-------聞くなよ、そんな事・・。」
恥ずかしいじゃないか。そう、言わんばかりの顔にアスランは苦笑した。
細い肩、当たる胸。触れる脚。
はやく・・。
カガリを抱き上げて立ち上がるとカガリは「わッ」と声をあげる。
「・・・・・・暴れるなよ、滑って転ぶから。」
そう言えば大人しくなって、腕を首に回してくれた。
カガリはパッといつ着替えたんだと言うくらい早くカガリ専用のバスローブに着替えてしまう。
二人でベットに足を運ぶとカガリは信じられないほど潤んだ瞳で赤くなり果てていた。
「・・・恥ずかしい・・?」
「当たり前だろ・・っ・・。そんな・・好きな人に・・身体触られるなんて・・」
「嫌?」
そう意地悪く質問する。嫌なわけが無い。そうしっていた。
「・・・・・うれしい・・けど、恥ずかしいんだよ。」
その言葉が開始の合図かのようにアスランはカガリを抱き寄せて早々にベットに倒した。
「・・・・俺も、嬉しいよ。」
素直に声をかければカガリは恥ずかしそうに眼を逸らしてしまう。
焦らす様に、でも優しく身体を撫でた。
腰を始め、ただ触れるだけ。スススッと布の上から胸を通り首を通る。
そして肩からゆっくりと布を外した。
センターから徐々にカガリの身体が露になっていくのを見て、アスランは笑みを零し、カガリを見る。
カガリはギュッと眼を瞑り、開いて目が合えばすぐ逸らしてしまう。
「・・・・こんな時ぐらい、正直になってほしいな。」
黒く微笑んでカガリの腹から手を回しじかで肌を撫でた。
腰に触れて、スッと上昇する。そして当然のようにまだ布に隠れている胸を優しく両手で包んだ。
「・・・・思っていたより、大きい。」
感想を述べるとカガリは怒ったように顔をしかめてしまうが、少し揉めば直ぐによさそうに身を捩り顔も緩んだ。
「・・・気持ちいい?」
「ッ・・ばかぁ・・。」
聞くなと言うように言い放ち、それでもこんなカガリに欲情しもっと、もっと・・みたい。と思ってしまう。
「馬鹿じゃ分からない。」
そうわざと言ってパッとバスローブを脱がせて露になった乳房みて満足げに笑いもう硬い蕾にキスをした。
「ひゃッ・・」
そのまま、遊ぶように舌で転がし含み・・高く声をあげるカガリに微笑みかける。
「・・・・気持ち良い?」
「ぁ・・ッ・・ぅ・・あす・・」
途中で止められた愛撫を求めるような声にアスランは酷く自分の中の性が研ぎ澄まされていくのが分かった。
下半身に熱が流れ、ドクンドクンとまるでソコから心臓のような脈動まで感じる。
「・・・・・・・ねぇ?----カガリ。」
どうなんだ、と。答えは決まっているけど・・・・ベットの中でくらい素直に・・カガリに俺を欲してほしい。
俺が・・カガリを求めるように。
「・・ッ・・ぅん、」
「うんじゃ、・・・分からない・・じゃあカガリはこれから何処触って欲しい?」
そう言いながら手は細い脚を撫でて下着の上から蜜部を撫でた。当然ビクンと反応して・・アスランは「ねぇ?」と問う。
中々返事をしないカガリにアスランはもう一度胸の・・さっきと逆の突起を優しく指先で摘まむ。
「あッ・・ぁ・・ッ---・・っ」
そして下からも、確実に・・いや、もう嫌と言うほど濡れている場所を布越しに何度も撫でてカガリの反応を楽しみパタンと手を止める。
「・・・・・ねぇ、カガリ?どっち・・?」
もう先に進む?それともまだ焦らす?
「・・・ぁ・・すらんは・・?」
「どっちでもいいよ・・・・、カガリが・・好きなほう。」
そしてカガリに深く口付けをして唾液を溢れさせてみると・・本当に厭らしい。
唾液で輝く唇。濡れた乳首・・求める蜜部。
どこをとっても厭らしく・・・・そそる。
「・・・・-----・・触る・・な。・・カガリ。」
そう断ってから、カガリの鎖骨に痕を残し、また胸を揉みカガリの反応を楽しむ。
先端を指の間で軽く潰したり、わざと突付いたりするとカガリの喘ぎ声は直ぐに酷くなる。
舌で舐めあげれば、もうそれだけでおかしくなって、「アスランアスラン」と声をあげる。
そして腕を上げてアスランの首を掴みカガリから欲するようなキスをした。
アスランは驚いたがすぐにカガリの巻きついた舌にあわせ動き嫌と言うほどゆったりと舐めあげる。
「・・・、そう・・素直にしてくれると・・嬉しい。」
微笑んでカガリを見れば眼を合わせたカガリは赤くなり、でも笑い返してくれた。
そして蜜部にてを当てて、するりと下着を下ろす。
金髪の場所はもう濡れすぎていてアスランはカガリの感度の良さに嬉しくなった。
「み・・見すぎ・・だ・・、ばか・・」
「よくみたい。」
「ちょ、あ・・ぁッ・・ぅ・・ん-----」
ガッと脚を開いてカガリのその赤く揺らめく場所に優しく触れれば声が上がった。
すでにヒクヒク動くそこに、アスランは黒く笑って、同時に下半身もそこと反応するように先走りがおこおる。
蜜を指ですくってカガリに見せるとカガリは嫌そうに顔を背けてしまう。
「・・・嬉しいよ、俺は・・・カガリがこんなに反応してくれるなんて。」
そう声をかけ、頬に機嫌を直せよとキスをしてからもう一度その場所に触れて指を入れて内部を擦った。
「・・・・あっあ・・・ひゃ・・ッ・・・ん・・」
気持ち良いらしく、声が洩れて・・所々大きくなる声の場所を更に強く擦った。
「あ!・・あッ・・・・」
「此処?」
「っ・・ぁあッ!!!」
身を捩り反応してくれるのが嬉しくて、厭らしくて・・。
まだまだ指が入りそうだと二本入れて、器用に弱い場所をついた。
「・・ッ!!!!!やッ・・あ・・だめ・・だめぇ・・」
「何が・・?駄目?」
「・・・あすあんと・・いっしょ・・が・・いい・・んだ・・」
その言葉に・・アスランはキョトンとして、でも泣きそうに嬉しくなった。
すぐに避妊具をつけてカガリの場所にもっていく。
「・・・・・多分・・痛くないから・・」
カガリのこの緩さなら、この感じやすさなら・・いける。
そう思って一気に埋めようとした。
「ッ・・ぅ・・ハッ」
だが、実際駄目になりそうなのはアスランのほうが早い。
緩い中はアスランが来た瞬間キュッと合わせる様に作られなおし、締め上げられてしまう。
「・・・あす・・ッ・・ぉく・・ッ」
ねだる目に、答えようとアスランも射精の衝撃を抑えて、緩くなるのを待った。
「アスラン・・アスラン・・・ッ」
待つ間も、そのアスランの行動を待つカガリに焦らされてアスランは嬉しい気分でいっぱいになった。
俺を求めてる・・カガリ、それに欲情するのは・・・・当然で。
「カガリ、・・・愛してる。」
そう呟いて奥まで埋めてしまう、その間厭らしい音が響いてお互い感じてしまう。
「・・・動く、な。」
アスランはもう駄目だと思いながらも、カガリが気持ちよくなるように必死で胸を揉みながら、腰を動かす。
動くたびに、ギュッと締め上げられて・・もう気がボーっとしてしまう。
でもまだだと、カガリの奥を突くと今までにないほど絞められてカガリも身を捩った。
此処だなと思い、もう一度ずっとずっと強く突くと、お互いに意識を飛ばしてしまった。
お互い肩で息をしながら、意識を戻しまた重なる。
そう、四度目が終わる時カガリは腰の痛さを訴えたのでそこでやめることにした。
「大丈夫か・・」
ベットの中で腰をさすってやると「ごめん」と返されて、「どうして?」と聞き返す。
「・・・・・本当は・・もっと、繋がっていたいんだけど・・」
そう頬を染めず、正直に言われてアスランのほうが照れてしまう。
なんでこううれしい事を言ってくれるんだろう?カガリは・・
泣きそうに嬉しい。
いつも求めるのはアスランからで・・でもカガリはこうやって、心の深いところではちゃんと・・俺を必要だと思ってくれているんだ。
・・・それが嬉しい。
「・・・アスラン?」
泣きそうになった表情を読み取られてカガリは心配そうに覗き込んでから優しく髪に指先を絡めて微笑んでくれる。
「----・・カガリと・・ずっと、こうしていたい。」
我が儘な意見、でもカガリは嬉しそうにして
「・・私もだ。・・アスラン・・」
まだ服を着ていない肌で抱きしめあってカガリの細い身体をグッと抱きしめる。
「・・・・愛してる。・・ずっと。」
その、カガリのずっとの重さを理解できるものは少ない。