ジーパンのミニスカートの中にもう一枚ピッチリとしたパンツを履く、
そしてサンダルとVネックの長袖に、薄での上着を羽織った。
「じゃあ・・ラクス、行ってくるなっ」
「えぇ・・行ってらっしゃい。」
そして待ち合わせの駅へと足を急がせる。
「・・・-----・・シン足が震えているぞ。」
そう言っただけでビクッと背中が動く。
「・・・そんなに緊張して・・どうするんだ。」
「だ・・だって・・女子と遊ぶのなんて・・・・初めてだから・・・・・・・。」
ハッと溜息が出る。この前のカガリの恋人に対する叱咤の勢いは何処に行ったのやら・・
「悪いっ遅れたっ!!」
そう声がしてその先を見ると、カガリが手を振りながら走ってきた。
「いや、俺たちが少し速かっただけだ。」
「・・カガリ・・っ!おはよっ!」
シンはガチガチになりながら挨拶をして、カガリはフッと笑う。
「よっしっ!!今日はゲーセンとボウリングで・・ストレス発散するぞっ!!」
そう意気込んで、最初にどっちに行くか話し合う。
「ボーリング場って・・時間が遅くなると込むから、先にいかない?」
そうシンが提案し先にボウリング上に行く事になった。
ボーリング場は9:00かららしくまだあと15分時間あり靴を取ったり、ジュースを買ったりしていた。
「よしっ投げるぞっ」
ボーリングが始まり、シンとカガリは真剣に争い合う。
「見たっ・・!今の!!ストライク出たっ」
「次は私もストライク出してやるっ!!」
「六分四分でカガリはスペアのほうが確率が高い。」
「レイとシンが90%ストライクなのがおかしいんだっ!!」
「ま、実力の差ってやつ?」
「いったなぁ〜〜シンっ!!」
そして三人でワイワイしながら、ファーストフード店、プラントに入った。
「此処のアイス・・美味しくて安いんだっ!種類も多いし・・食後に食べようなっ」
「じゃー違う種類とって、皆で味見したいよなっ」
「・・・そうだな。」
そして昼食を取り出す。
「此処のアイス、美味しいって有名なんですよ!甘くって・・」
-----甘いものは・・苦手だ。
そう思いながらそういってくる子に目をやる。
赤紫の髪、ショートカット・・スポーティーな服。
-------・・悪い子・・でもない。
「そう、なのか。」
だが・・やっぱり・・・・女の子と話すのは無理だ。
ディアッカの隣の子はラクスに似ているが・・あからさまにタイプが違う。
キャーキャー系・・とでもいうのか?でも決して悪い子でもない。
・・だが・・・・・・・・・。
「気分・・優れませんか?」
気を使わせてしまうのも・・申し訳ないのだが・・しかし・・。
「いや、そういう訳ではない・・・・ただ少し寝不足で。」
適当に理由をつけてあしらいさっさと注文を済ませる。
そしてボーっとしていると店内に大声が響いた。
「わぁっ!!!!」
「ご・・ごめんっ・・ジュースが倒れて・・・」
「グラスが落ちるぞ、」
「あ、取ってレイっ!」
「ズボンだけ・・濡れたみたいだ・・ちょっと脱いでくる。」
「ごめん----倒れると思わなくて・・。」
「いや、スカートに掛からなかっただけ、ラッキーだ。」
そう聞こえたと思うと、二個となりの仕切りから見慣れた髪の色が見えた。
「・・・カガリ・・・・。」
・・・カガリだ。
そう思ってつい目で追う。
カガリは女子トイレに入っていったらしい。
「わるい・・・ちょっと。」
そう言ってトイレのある場所まで少し早歩きで行く。
チラッと横目で二個となりの席を見ると男子が二人一生懸命零れたジュースを拭いていた。
角を曲がって女子トイレの前で待っていると、ミニスカートを履いたカガリがフッと出てくる。
「カガリっ」
「アスランっ!お前もここに来てたのか?」
「え・・あぁ、まぁ。」
何を・・聞く訳でもなく・・だがあの男子達は?と聞きたくてうずうずしていた。
「じゃあディアッカと女の子達・・待たせてるんだろ?---早く戻ってやれよ・・ってかトイレにも入らないで何しに来たんだ?」
・・・・・?
いつものカガリでは考えられないくらい冷たく言われた事に気が付く。
「いや・・カガリが見えたから・・つい追ってきたんだ。」
「あははっ・・それじゃ・・駄目じゃないか、彼女作るんだろ?」
ポンと肩を叩かれてカガリは笑ったまま通り過ぎようとした。
「・・----・・カガリ?」
そう呼んでもカガリは振り返らない。
そうすると、角からさっきの席にいた二人のうちの黒髪の方がカガリを迎えに来る。
「・・カガリっ・・遅いから---心配した。」
「悪い悪い・・全然どうもしてないから・・・心配するなっ」
そして直ぐに金髪の方も現れてカガリの頭にポンと手を乗せる。
「・・・、大丈夫か?」
「ああ・・レイも・・ありがとう。」
そしてその金髪の方と目が合う。
「・・・・・・----。」
「席に戻ろう、カガリ」
そう言い放ちそいつはカガリの腰を掴んで席へと誘導した。
・・・-------・・カガリ・・?
困惑した表情でそれを見て、少し考える。
・・・・どういう・・事なんだ?
そう頭に過ぎった。
シン達とゲーセンに行きガンゲームを始める。
「へー、カガリ巧いじゃんっ」
レイと二人プレイをしてゾンビをガンガン倒していった。
「レイの方が巧いけどなっ」
レイは一撃も外さず全て心臓に入っている。
「さっきの・・・・---・・プラントで逢ったのが・・カガリにブレスレットをくれた大切な人か?」
そういわれた瞬間大幅に銃の焦点がずれて画面の外に撃ってしまった。
「え・・、何のことだ?」
シンも話しに加わろうとして、悲しい気分が逆流してくる。
「図星・・だな。」
「・・・・・・・・・。」
だって・・まさか会うなんて・・思ってなくて。
違う女の子と・・自分と一緒にいる時のようにじゃれあっているのかと・・・思ったら・・凄く嫌で・・
優しく頬にキスをして、耳まで上がり名前を呼んで・・甘噛みをする。
そしてぎゅっと抱きしめる。
---------それを・・他の子にも・・・・・している・・?
急に命中率が落ちて、シンはビックリしたようにカガリを見た。
もう視界が歪んで撃つどころの話ではない。
・・でも、----なんでこんな気持ちになるのか・・わからない。
カガリがゲームオーバーになり、レイは直ぐに銃を置いてしまう。
「カガリ・・。」
シンは見ていられなくなって、声を出してカガリの肩を横から抱く。
レイもカガリの腰に手を当てて、二人に囲まれるカタチとなってカガリは涙を流した。
三人で公園に行き、カガリが泣き止むのを待っていた。
「大丈夫・・か?」
レイにそう言われてもカガリは頭を横に振ることしか出来ない。
「なき終わるまで・・俺たちついてるから。」
そして頭を撫でられる。
・・・・なんでこんなに悲しいんだろう。
--------・・シンとレイはちゃんと私を迎えてくれているのに・・なんで?
なんで・・・アスランがいないだけで-------こんなに寂しくて・・悲しいんだろう?
「ごめ・・折角---遊んでる時・・だったのに・・---。」
シンとレイはギュッと横から抱きしめてくれる。・・けど-----悲しみは消えなかった。
空が夕焼けに変わり、二人にバイバイと手を振りアークエンジェルに戻る。
「----・・大丈夫・・かな?カガリ・・。」
「そうとう・・こたえているように見えたな。」
「あぁ・・。レイ恋人の顔見た・・?」
「有名な・・アスラン・ザラだ。----一目で分かった。」
「ザラっ?!あの全てが学年一位の?!!」
「あぁ・・女の影などちらつかない・・そういう先輩だとおもっていたのだが・・・。」
シンはチッと舌をならして
「・・・やっぱ勉強が出来たって・・・、そういう事する人にはなりたくないよな。」
「そうだな。」
そしてレイとシンはカガリの身を案じながらエターナルへと帰っていった。
「どうしたんだよ、ホントお前今日暗かったな。」
「・・・すまない。」
まさか・・あんな場所で・・カガリに会うなんて思ってもみなくて・・。
それに-----あの知らない男子達も気になって・・。それどころではなかった。
「カガリ・・来てたな。」
「ああ・・。」
「お前さ・・あいつの事好きだろ?」
「・・・・・・・・・・・・・まあ・・。」
そしてディアッカは深くため息を付いた。
そしてエターナルに入ると誰かが会話しているのが聞こえ、耳を済ませた。
「つーかさ、カガリ・・可哀相だよ。・・俺らでどうにかしてあげられないかな・・?レイ」
「---そうだな、・・・シンはどうしたい?」
「ど・・どうって・・・?・・---そいつの事・・忘れさせてやりたい・・とは思う。レイは?」
「・・・・----・・そうだな、・・いっそ付き合って忘れさせてやりたいが・・」
「ま・・まじっ!」
「だが・・カガリが幸せなのが・・一番良い、だからそれでもカガリがそいつを好きなら・・俺は応援する。」
「・・大人だな・・・・レイは。」
「-----笑っているカガリが・・好きなだけだ。」
「俺だって・・ないてるカガリより----笑ってるカガリのほうが・・好きだ・・から。」
「・・・ああ。そうだな。」
・・・---------・・泣いてる・・カガリが?
・・誰が・・・・・・・・泣かせたんだ?
それに--・・カガリを好き・・なのかこいつらは。
そう頭に言葉が過ぎり、そして消えた。
「どーした?アスラン」
「いや・・・。」
----------・・カガリが・・泣いている。
それだけを思い、どうにかしなければと思った。