第二十四話:迎えてくれる場所が欲しかった?




どうやら、次の日曜に・・・合コンがあるらしい。

・・・・鬱になりそうだ。

それに・・この頃カガリと二人っきりで会っていない。


--------・・恋人にはならない----・・だもんなぁ・・。







三月に中旬、カガリはこの頃アスランの部屋に行っていない事を少し嫌に思っていた。
そしてでもそんな時キラからメールが来て一気に嬉しくなる。

*****
今度の日曜、僕とラクスデートだから・・。
アスランのところいきなよ。
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やったと思い、次にエターナルに行ったらその話しをしようと思った。


「アスラン・・今度の日曜、遊びに行っていいか?」
そう尋ねると答えたのはディアッカだった。
「あーその日、俺とアスラン合コンだから・・無理だよな、アスラン。」

-------合・・コン。

「アスランが合コンっ!なんだか似合わないなっ」
そう笑うと、アスランは少し俯いた。
「じゃあ仕方ないよなっ--・・違う奴と遊ぶよ。」

アスランも・・---そうか、そうだよ。恋人ぐらい出来るし、合コンにだっていくよな。

「頑張って来いよっ」
「あぁ・・。」

俯いた顔を上げてアスランはそう答えてくれた。





「どうしようかな・・日曜。」
カガリは一人きりが大嫌いだ。
寂しいのが・・嫌だ。

----------アスランは・・そばにいてくれると、一緒にいてくれると・・言ってくれた。約束してくれた。

恋人が出来ても・・一緒にいてくれるだろうか?


キラと・・ラクスのように二人だけの世界を・・もって、離れていってしまうのだろうか・・?

ザワッという風の音と共に、急に悲しさが襲う。
アスランに・・迎えて---もらえなくなったら・・私は・・。

悲しい。





そう思って、学ランのまま・・エターナルに向かう。
ベランダからシンとレイの部屋に入ると、中にはレイだけが座っていた。

「--------・・本当に・・窓からきたんだな。」

そう言われてコクンと頷くとカガリの様子を察してかレイは黙ってココアを入れてくれる。
「どうか・・したのか?」
読書を止めてそう心配そうに言ってくれるレイに俯きながら、

「・・・・一人って-----寂しいって・・悲しいって・・思って。」

そしてブレスレットを見る。
・・・・でも・・大丈夫・だよな。

「それは・・----贈り物か?」

「あぁ・・・大好きな人に・・ホワイトデーに。」
そう言うと、レイは眉を潜めて

「・・・では・・今大好きな人とは・・会えないということか?」
「・・・なんか・・合コン・・行くんだって・・今日言われてさ。」

違う、合コンに行く事が悪いわけではないし・・ただ、置いていかれるのが恐い。

・・・迎えてくれる人が・・居なくなるから・・・恐い?

「・・・そんな奴は、カガリが気にする事は無いだろう。」
「でも・・っ」
「寂しいようなら・・俺とシンの所に来い。---歓迎する。」

歓迎。

-----迎えてくれる・・、場所?


そう思うと少し気が楽になる。

一人には・・ならない。

シンとレイが・・いてくれるのか。




そう、思うものの・・・・何処かやはり、沈む。


アスランと同じ・・迎えてくれる場所が-------出来たというのに。








「そうだ・・今度の日曜・・空いてるか?」
「-----・・空いて・・いるが・・?」
「実はその日にそいつと遊ぼうと・・思ってて・・でもその日に合コンって言われて断られちゃってさ・・・。」

-----・・だって部屋にいたって・・ラクスはキラと遊びに出かけちゃうし・・。

「・・・シンと・・三人で遊ぶか?」
「いいのかっ!」
「あぁ・・シンも喜ぶ。」

そして日曜三人でゲームセンターとボウリングに行く事になった。

「よし、じゃあ・・日曜なっ」

そう声をかけて、ベランダから出て行った。








「はぁっ何だその男っ!!」

レイからカガリの話を聞きシンは声をあげる。

「ブレスレットをあげるような相手・・つまり、カガリの恋人だと---俺は思うのだが。」
「なんで・・カガリの恋人が・・合コンなんて・・それに、カガリはブレスレット・・大事そうに持ってるんだろ?!」
「あぁ・・・。」
「最悪だなっ!その男・・!!!カガリの・・カガリの事軽くしか思って無いんだ・・きっと!!!」

あんな良い奴・・・見たこと無いのに。

「・・そうかもな。だが、あのカガリがあれだけ寂しがるという事は・・カガリも相当相手の事を好いているんだろう。」
「・・っ騙されてるんだっ!!!彼女がいて合コンに行くような男は最悪だっ!きっとカガリは優しいから・・許してるだけだっ」
「どうだろうな、ともかく・・次の日曜三人で遊びに行こうという事になった。」
「え・・っ!!俺と・・レイと・・?」

レイのそのフェアな態度にシンは嬉しくて堪らなくなった。自分だったら・・多分二人で遊んでしまうのに。

「そうだ、問題あるか?」
「いや・・・ないっ!ありがとな・・レイ!」

シンは心の中で、絶対に・・俺達の方に目を向けさせてやると静かに闘志を燃やしていた。







「・・・・カガリ・・少し、ショックな顔・・してたね。」
「え・・?」

読書中急にそういわれて危うく本を落としそうになった。

「---アスランが合コン行くって聞いたとき。」
「・・・そう、か?」

"頑張って来いよっ"-----とエールを送られたのなら・・覚えているが。

「気が付かなかった?・・・アスランも俯いてたから・・気がつかないか。」


・・・・---ショックを・・少しでも受けてくれていたなら。

逆に、嬉しいかもしれない。


そう考えた頭を止める。


どうせ・・思い上がって、切ない思いをするのは・・俺なんだから。







「アスランが・・合コン、ですの?」

部屋に戻り事を説明すると、ラクスそうに尋ねられて、あぁと答えた。

「カガリは・・どう思いましたの?」
「寂しいけど、仕方ない・・・って思った。だって同じ人間じゃないんだし・・。」
「そう・・ですの・・。」

それを聞いて、ラクスは微笑んで見せ

「・・・・カガリですもの・・きっと大丈夫ですわ。」


カガリはその言葉の意味が分からず首をかしげた。

































































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あとがき
もう、すっごくありきたりな展開ですが・・見捨てないで下さい・・。orz
アスラン・・シンとレイに最悪って言われて可哀相だなぁ・・・。
いつか挽回できると信じてます。
2006.04.06