第二十二章:メリークリスマス




テストが始まり、そして終わる。
結果はまあいつも通りといったところだろう。



「クリスマスだねーやっと」
いつもの四人で帰っているとキラは嬉しそうに声をあげた。
「長かったからなー、テスト」
「本当ですわね・・もうこりごりですわ。」
実際長かったのは俺とカガリが会えなかった期間だと思ってしまう。
そしてカガリを肩をグッと抱き寄せて見ると、カガリは頬を染めてニカッと笑った。


クリスマスパーティーはあっという間にやってきて、生徒会も手伝いをしてから着替えに移った。
「きっと、今年も可愛いドレス・・着てるだろうね、ラクスとカガリ」
そうキラがアスランに笑いかけて、アスランも嬉しそうに頬を緩めた。


「カガリ先輩---そのドレス・・」
ルナが目を開けまじまじと服を見た。
「似合わない・・かな?」
「「いいえ、スッゴクにあいます!!!!」」
そうルナとメイリンに言われてカガリは頬を赤く染めた。
「・・皆さん行きましょうか?」
更衣室から出てきたラクスに、ルナとメイリンはまた声をあげてしまう。
「きれー」
「ホント・・なんかもう、ラクス先輩とカガリ先輩の右に出るものは無しって感じ・・・」
「ところで・・ミリィは?手伝いの時は・・」
「あ、なんだか・・彼氏と約束があるらしくて・・・さっき抜けていきましたよ?」
ディアッカか・・、やるなーあいつも。そう思ってカガリは少し笑った。
なんだか、今までに無いほど・・この頃気分がさっぱりとしている。
---・・アスランのお陰・・だな。


パーティー会場に入りカガリ達が来るのを待っていると、トントンと後ろから突付かれる。
「・・・ッ---カガリ?!」
「正面から入ると・・去年みたいに面倒になるだろう?だから---裏口から来たんだ。」
そう言って微笑むカガリに見惚れてしまう。
白いドレスは光に当たると薄緑に光って、胸元と肩は冬なのにぱっくりと開いていて裾は長い。
「似合う・・・な、カガリ」
「・・アスランにそういってもらえて、嬉しいぞ。」
そうしてカガリははにかんで微笑んだ。
---------・・やっぱり、可愛い。
照明が落ち、舞台の理事にだけスポットライトが当たった瞬間カガリの唇を奪う。
「・・・---・・、、」
何度も合わせて、口の中にまで入り込み絡めあった。
パチンと電気がついたので離すと、銀色の糸が二人を繋ぐ。
「・・・ゴメン」
笑って直ぐ切れたその糸をカガリの顎から拭う
「・・・お前にまで・・口紅が付いちゃったな。」
カガリはちょっと恥ずかしそうに笑ってから、アスランの口をティッシュで拭いてくれた。
一緒にバイキングをして、いつの間にかダンスの時間となる。
「踊るか、アスラン。」
「-------・・あぁ。」
手に手を取って微笑みあってからダンスの輪に溶け込んだ。

「アスラン・・・あのな・・。」
ダンスの最中、俯きがちにカガリは声を出す。
そしてピタッと音楽が止まった。
「-------・・私、カガリ・ユラ・アスハは・・・アスラン・ザラを・・愛してる。」
そして次の音楽が流れ出した。
「----------・・カガリ・・・・。」
カガリは真っ赤な顔を上げて琥珀色の瞳で見あげてくれる。

「アスランっ!!」
そう声をあげたのはキラだったか?

もう、周りなんて見えなくてかがりを抱きしめた。
「俺も---カガリを愛してる。」
そう声にして、ギュッと抱きしめてから、離して口を重ねた。
柔らかい感覚、甘すぎないカガリの匂い。
細い身体、綺麗な金髪・・琥珀色の瞳---全て。
「愛してるよ」
唇を離して、カガリを抱き上げる。
そしてはじめて周りが視界に入り、みな此方を注目していた。

「・・アスラン---。」

お姫様抱っこ状態のカガリは顔を赤くしたが嬉しそうに笑ってくれる。
キラには少し眉を潜められたが、まあいいよと笑ってくれた。
カガリの額にキスを落として、パーティー会場を後にすると出た瞬間に様々な絶叫が聞こえたがカガリとアスランは笑ってやり過ごす。


「どこ・・いくんだ?」
「俺の家----・・いや、カガリの家に行くか?挨拶しないと。」
「あははっ」
カガリは笑って
「じゃあ・・私もアスランの親に挨拶しないとな。」
でもやはり急にはいけないので、ケーキを買ってアスランの家に行く事になる。

「カガリ・・。」
「ん?」
「愛してる」
「私もだ」

タクシーの中という事をまるで忘れてキスをした。
きっとドライバーは驚いただろうが---・・・、今の二人にはそう関係のない事。



「やってくれちゃったねーアスラン先輩」
「ほんと---見てらんないわよ、」

メイリンとルナは大きく溜息を付いた。

「溜息付くと、幸せ逃げるぞ。」
「そーんなこと言ってるからシンはいつまでもお子様なのよっ」
そうしてルナとシンのいいあいが始まり、メイリンとレイはやれやれと溜息を付いた。

「だいたいシンあんた・・カガリ先輩の事狙ってたんじゃないのっ?完敗じゃない!」
「煩い・・俺は・・---カガリさんが幸せなら、それで良いんだよ!!」

その言葉にルナはきょとんとする。

「---・・はーもう、やになっちゃう、いい男はみーんな先輩達に釘付けなんだもん。」

シンはその意味が分からず「はぁ?」と聞き返した。

「お姉ちゃん・・素直じゃないね。」
「煩いッ!私はいつだって素直よ!」

メイリンは溜息を付いてレイを見た。

「どう思う?」
「素直じゃない、だろう、どう見ても。そしてシン・・お前は鈍感だ。」
「はぁ?!だから何のことだよっ」

シンは分からず顔をしかめた。

「いつか分かるわよ、お子様にもっ!」
ルナはそういい切り、シンの手を取る。
「もうやけくそよ、踊るわよ。」
「えーッルナと?」
「不服?」
「いいけどさぁ・・別に。」

そして二人はダンスの輪に溶け込んでしまった。

「---------・・何か私、余りモノ?」
「・・・まぁ、いいか。踊るか?」
「・・・---どーしよっかな。」
「俺もそんな気分だ。」
「-------・・ちょっとは気使って欲しいかも。」
「・・・・踊るのか?」
「そういうこと。」

そして結局メイリンとレイも踊り出す。



「結局---僕が一番余ってますよね。」
そうニコルは小さく呟いて溜息を付いた。




















+++++
あとがき
アスカガ修復中。でもまだ何かアル予定(また予告をしてみる)
レイメイもありかなーなんて思いますが・・どうなんだろう?
ニコル・・誰かいないかなーいい人・・・。
ステラ?(本編接点ナシ)でもステラって感じじゃない・・・。
次たぶん15禁・・・?いや10禁くらいになります。
2006.04.04