第十四章:戦闘態勢。




「なーフレイ・・・」
久々に体育が合同になり、ミリィと隣のクラスのフレイと一緒に行く。
「何よ。」
「・・・・スタンガンっていくらする?」
「はい?」
ミリィは何する気なの?と真剣に聞いてくる。
「いや・・このごろ何かと危険だし・・護身用に。」
また嘘をついてしまった。
「そうねぇ・・私が持ってるのは五千円よ、痴漢ようだし・・・」
ミリィは普通に受け答えするフレイに「何でそんな物騒なものの値段知ってるの?!」と突っ込みを入れる。
「これ・・たしか10万Vでしかもペン型・・ま、玩具っぽいわよね。」
「10万Vって・・・・」
ミリィは付いていけないわよとため息を付く。
「言っておくけど、こんなの下の下よ・・通販で普通に200KVとか・・・」
「KVっ!!?気絶しないの・・それ?」
「さぁ?持って無いもの。」

ふーん・・・・・・・まぁ通販で売ってるぐらいじゃ・・気絶はしないだろ。





色々考えた結果、やはり法的にどうにかするべきだと思った。
といっても証拠が無い。
そして奴は夏終わりまで渡米中。
この間にどうにかして・・証拠をつかめるだけの、道具と法的にどういうものが証拠になるのか・・それを知る必要があった
「あ、悪い・・今日図書館寄って帰るから・・・。」
「「「カガリが図書館?」」」
三人に口をそろえて言われる。
「な・・何だよ・・悪いか?」
「いや・・良いけど・・付き合おうか?僕。」
だが、その言葉をやんわり拒否した。
誰の手も・・借りるつもりは無い。

迷惑かけたくない。







「・・・なんか、前よりカガリ・・しっかりしてきたな。」
「え?」
そう?と聞き返す・・まぁ恋人のアスランが言うんだからそうなんだろうけど。
「大人びてきたのでしょう、きっと。皆、そういう時期ですもの。」
ラクスはニッコリ笑って言った。
確かに、昔は考えたら何はともあれ実行してしまう性格だったが、今は少し冷静になってから動くような気はする。
「・・・そう・・かもな。」
「あ〜でも僕からしてみれば少し子供な方が兄さん面できて良いんだけどな〜。」
でも、まぁ僕も・・いい加減妹離れしなきゃなのかな・・。








近頃・・カガリは黙って生徒会の仕事をしたり、勉強したり・・そのくせ先生と対等に話したり、後輩とじゃれたり・・・
急に・・でもないが、人格者になった気がして少し自分が気後れしているようにすら感じる。
寂しい・・それもそうだが・・・。
「・・・・・何か・・アスランにやけてない?」
「そうか?」
・・・馬鹿みたいな話だが、かっこいいと思う。
そして自分といる時、嬉しそうに微笑んでくれて・・他の人には見せない笑顔でいてくれて、特別なんだと実感する自分がいた。
「・・・・ただ・・カガリ・・可愛いよなって。」
「なっ!!!ラブコールなら他でやってよっ」
キラは僕の妹と言わんばかりに怒ってきたが、それでもやっぱり俺の恋人。
いつかはキラとも兄弟になるのかな?それは自然すぎて逆に可笑しい。
「また・・お顔が緩んでますわよ。」
ラクスは俺の幸せオーラを感じるようにニッコリ笑う。
「なんか・・俺達四人・・いつかは兄弟・・って事にもなるのかなって。」
「言われて見ればそうですわねっ」

この四人なら何となく将来も安心なような気がした。









「どうしようか、今年の文化祭は」
夏休みも近づき、この話題に入った。
「去年は喫茶店でしたよね〜」
メイリンはあの衣装可愛かったですと、ニッコリ笑う。
「劇!劇が良いです!!!」
「大変じゃない?それに・・舞台の時間調整もしないと・・・」
ミリィは今年も文化祭委員兼だから、何かと小回りが効く。
「いっそ・・アンケートとるか。全校生徒に。」
そうカガリが呟く。
「先輩それっ!それ良いですよ!!!」
メイリンは手をパンと合わせ微笑んで見せた。




帰り、いつも通り図書館による。
合気道の本は趣味で小学校の時読み終わっていたし、実際習っていた。
空手も・・柔道も。
あの時・・・もっと冷静だったら良かったのに。
今更遅いがため息が出た。




アンケートの集計をして、判明した事があった。
「何だ・・・これ。」

"メイド喫茶"

「あらあら?アキバブームが学校までに到来したのでしょうか?」
別にアキバブームとかはいいのだが、これが集計一位になってしまうとは。
「メイド服・・着るんですか?」
メイリンはやや顔を傾げるが、それはそれで面白いと言う顔をした。
「私、ミニスカが良いっ!!」
ルナマリアはスタイルが良いので、それも無理ないと思った。
「・・・・・はぁ・・でも集計がこれじゃあね・・」
ミリィはため息を付く。ルナやメイリンは可愛いが・・流石に高二の私たちはちょっと・・と言う気分だ。
「でも、案外面白いと思いますわ」
案外乗り気のラクス・・まぁラクスなら似合うだろう。可愛いし。


結局それに決まってしまい少しため息を付くが・・まぁいい。



「「「「「メイド喫茶」」」」」

男子生徒会にそれを報告した時の声。
「・・・・なんでそんなマイナーなもの・・。」
アスランはため息を付き
「でも可愛いから良いんじゃない?」
キラは直ぐに笑って肯定した。
「・・・・・ニーズが高いならそれに越した事は無い。」
そう冷静にレイは言う。
「"お帰りなさいませ、ご主人様"って言うんですか?!」
シンは面白いと笑う。
「僕のクラスでも沢山書いてる人いましたからねぇ」
ニコルも笑ってそういった。


委員会の帰り、
「カガリ・・」
そうアスランに話しかけられた。
「今度・・・花火大会行かないか?・・・二人で。」
放課後デートが基準の自分達にとって二人で休日会ってどうこうすることは少なかった。
「いいぞ?行こうっ」
夏休みが少し楽しみになった。























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あとがき
アスカガ要素少ない少ない。
つうか、マトモなデートさせてない。
次っ!次デートさせます!!
2006.03.03