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次の日から・・・・・・・・アスランは人が変わったように兵をまとめ上げ、、刻一刻と・・大聖堂に押し入る準備を始めていた。
アビリティ・ストーンでの戦力は負けない。
デュランダルだって・・それは分かっているだろう。
あいつ等は今・・カガリに頼らなければならない・・・、、だから、カガリは殺せない。
力が制御できていないのは、一目瞭然で・・・------その証拠に彼等もなかなか動き出せないで居る。
「シン・・・・・・君は、クルーゼを探して・・・捕まえてくれ。・・・・・・君は行動が早い、頼む。」
「・・・・・・・・・--------・・・俺・・あんたの部下じゃない・・」
此処でぐれるのが・・良いことではないと分かっていた。
だが・・俺は・・
「カガリは・・オーブの女王だ----っ・・」
だから・・俺が・・・ッ・・
「だからこそ・・、、クルーゼを・・オーブを滅ぼそうとしている、彼奴を・・君に頼みたいんだ。」
分かるな・・・・・と、アスランに念押しをされ、シンは渋々頷いた。
この人は・・・・・・・・・・ただ、、
ただ・・本当に・・カガリが好きなんだ・・・、、、?
シンには分かることがなかった。
アスランが・・・何処までも、、ただ・・カガリを想っていること何て・・・・・。
きっと、、、アスラン以外の誰にも分かることはない。
「・・・幸い・・こちらの方が軍が多いのは救いだな・・」
「全くだ・・デュランダル派の一部が寝返った御陰だな・・---・・善は急げ、奇襲は今日の夜だ・・・・。」
当然、この事は一部の者しか知らない。
おそらく・・デュランダルのスパイも紛れ込んで居るであろうこの状況下、アスランが・・そんなことをするハズがないのだ。
「大聖堂からの・・出口はたった一つ・・・・・・・」
小さく・・声を出したアスランに・・・-----イザークは恐怖にも似た心強さを感じる。
おそらく・・・・・・・・・・・アスランも、先の王、パトリックと・・同じなんだと心の何処かで思う。
「しかし・・」
「死人は最低限・・・・・出来ることなら出さない、敵味方合わせて、、、・・・安心しろ、イザーク。」
まだ・・父ほど狂っていないさ。
---小さくそう声を出し、アスランは一人であるきだした。
父の気持ちが嫌と言うほど分かる。
俺は・・・・
----・・-----------カガリが、死んだら・・・この手でデュランダルを殺すだろう。
-----カガリがもう二度と戻ってこない・・そう分かっていても。
カガリの残した言葉だけを頼りに・・必死に生きる。
国を良くするために・・・・・ただ、頑張るのかもしれない・・・。
-------------君のいない世界で。
ただ死ぬ瞬間を待ち続けながら。
「カガリ・・」
お願いだから・・・
---------・・・生きていてくれ。
「・・・・・・・・ッ・・ラクス・・」
「・・っ」
キサカの家から・・・一歩出るとそこは信じられない光景になっていた。
男の人・・・・仮面を付けた男の後ろに、巨体の・・いかにも力の在りそうな奴が五人もいる。
ガッ・・と・・・戸を閉めて、アーサーとキサカにそれを告げ・・・・キラとラクスはと、地下の・・通路に入れられた。
「・・・ここは・・ザフトに繋がっている、、カガリを助けてやってくれ。」
「はい・・・・」
此処は任せますと・・キラは申し訳なく頷き、その洞窟へと入る。
「・・・真っ暗ですわね・・」
「うん・・足下大丈夫?」
優しく気遣ってくれるキラに微笑みかけ・・手を取りながら二人は奥へと進む。
トクンと、自分に何かが流れ込んでくるのが分かる。
そして視界が少しだけ・・・明るくなった気がした。
パッと見えたのは・・・・淡い桃色の髪、、ミーアではない。
・・・・・・・・-----・・ラクス?
すぅっと呑み込まれそうな意識が次第に覚醒するのが分かる。
ラクスが・・・心配そうにこちらに手を伸ばしていた。
-------そんな、気がしただけかもしれない。
そうやって、ぼやけた光の中・・・カガリは何度か小さな泣き声を聞いていた。
よく知っている声。
「・・・あす・・ら、ん?」
呻くような、そんな、息を殺した泣き声だった。
・・・・・・・此処から出て・・抱きしめてやらないと・・。
そう、強く切願する。
泣かないで欲しい、諦めないで欲しい。
「アスラン」
私は生きて、此処にいるのだから。
お互いの夢に向かって、一緒に進んでいくと・・・
約束したから。
「・・・あれ・・。」
今・・・・・・--------・・。
大聖堂の中・・・ミーアは不安に駆られた心境を慰めるように聖母を見上げていた。
「・・どうかしたか?ミーア。」
ハイネが近寄ってきて・・・ミーアは少し安心したように息をもらす。
「・・今ね、カガリ様が笑った気がしたの。」
そんなはずないのにね・・と、ミーアは小さく笑った。
アスランは隠密な行動で、イザークの仕切る兵達に街から油を集める。
石油でも・・油でも、集められるだけ全て。
民に無理強いをするのは承知だが・・・戦争になってしまっては元もこもないのだ。
「・・・気が付かれるかもしれないな・・・・。」
ぼそりと漏らしたイザークの声に、アスランは「逃げたとしても・・カガリさえ取り戻せば、解決する」と返答をする。
「入口の警備を固めて。・・・プラントからの者はへリオポリスまで戻るように支持を。」
そう・・マリューは全兵に継げ、今後の事態に備える。
もしも、、戦争の種をばらまこうとしても・・そうはさせない。
クッと唇を噛み・・キサカからの手紙を思い出していた。
あちらが・・・上手くいくはず。
キラ君だって行ったんだから。
そう・・自分に言い聞かせて、マリューも席を立った。
ムウはそのマリューの姿に「やれやれ」と笑い・・・小さく肩を叩いて歩き出す。
「・・・っ・・な・・。」
キサカさんに・・情報を聞こう行ったところで・・戦闘が起きていた。
キサカさんはともかく・・アーサーさんは必死だ。
それに、、高みの見物と言わん限りに、仮面の男がその場を眺めている。
「あいつだ・・・ッ・・」
シンはカァアッと頭に血が上り、、持っていた剣を出すが妙に重い。
そうか・・・-----力がないんだ。
だがそれは相手も同じ。
二刀流の一本をリングにしまい・・シンは物陰に隠れて一息ついた後に駆け出した。
走る音に気が付いて・・・ラウも剣を取りだしそれをしのぐ。
「ほぉ・・坊やはオーブの軍かい?」
「っ!」
物理的な力では・・やはり力負けしてしまう自分がシンは悔しくて、押されながらも剣を両手から片手へと切り替える。
そして・・完全に押し切られそうになった瞬間・・もう一つの剣を左手に出し、相手の腹に斬りかった。
「・・・・・!」
奇襲的な攻撃に、ラウは右脇腹から血が流れる。
チィッと禍々しくシンを睨み・・・「一時引くぞ!!」と声をあげ、ラウ達は走り去ろうとした。
「糞・・逃がすかよ!!!」
「深追いするな!!やられるぞッ」
ガバッと後ろから大きな手に捕まれて・・シンは中ブラリの状態で相手を睨んだ。
「あいつが悪いんだ!!!あいつを・・」
「お前に相手全員倒せると思っているのか?!」
ガツンと言われ・・シンは黙ってしまう。
相手には・・大きな男が付いていた。
自分では余りに非力だと・・・シンは感じる。
「あいつ等のアジトは・・」
「・・・プラント中にオーブ兵はいる・・・この五年間ずっと。今も尾行しているだろう。」
「-----・・・そっか。」
「安心しろ。シン・・。」
そうキサカ言われて・・・シンはやっと昇っていた血が冷めていく。
自分一人では余りにも非力だった。
-----------力が欲しい。
シンはぐっと拳を握った。
「・・・・・・・・・・ついた・・。」
キラとラクスが・・城の外壁の中に付いたのは夕方で・・・。
その自分たちが通ってきた穴は本当に分からないように作られているとしみじみ感心する。
「----・・僕、アスランにコンタクト取りに行くよ。」
「私は・・・」
「ラクスは此処に・・・・-------・・絶対に見つからないように。」
子供を産んだばかりの身体で・・・無理しないで。と、キラは付け加えていた。
「・・大丈夫、城内が安全だったら・・・・・・・迎えに行くから。」
「はい。」
足手まといになるかもしれない・・・そう判断したラクスは静かに頷く。
最後に・・互いの頬にキスをして、優しく口づけをして二人は離れた。