口付けを交わし・・そのまま、ソファーに座らされて、肩を出されて鎖骨に吸い付かれていた。
独占欲が強い奴だと・・半ば可愛らしく見えてくる。
だから黙って・・髪をなでて、そして藍色の髪にキスをしてやった。
「・・・なんだか・・子ども扱いされている気分だ。」
「そうか?」
子ども扱い・・なんて、でも実際・・アスランは凄く甘えたそうな顔をしているように見える。
記憶を消してしまった罪悪感からか・・今カガリはその行為を拒否するつもりもまるでなく、アスランの髪、そして耳に触れていた。
アスランは少し顔を顰めて・・それから、服を脱がせに来る。
「自分で脱げる。」
「・・・・、ちょっとは流されろよ。カガリ。」
「どうせ後で主導権もって行くのはお前だろ?」
私だって・・流されるのはそこまで好きじゃない。・・でも、甘えたい気持ちがないわけでもなかった。
ずっと・・頑張ってきたんだ、私だって・・・・。そう考えるのだが、アスランも・・きっとそうだったと思うし、おあいこだろう。
服を脱ぎ・・キャミソールとショーツだけになるとアスランは自分の服を脱いでから・・見入るように目線を這わせていた。
カガリも・・久々に見る、アスランの男らしい身体に息を呑む。
「・・綺麗だな・・・・・・・・。」
「・・・・?お前の方が綺麗だぞ?アスラン。」
形のよい、記憶より・・結構大きめな胸。それに・・出産後だからてっきり腹の皮が余っているような状況を少なからず想像していて、
まったくそんなことのない、引き締まった腹が予想外で嬉しい。
夜に照らされるような白い肌、光を反射する金髪。
手を伸ばし・・抱き寄せてしまう。すぐに手を胸にあてて・・それを触ると少し・・・前より感触が違うような気がした。
「・・大きくなってないか?」
「・・・授乳期だから張ってるんだ。」
そうか・・お母さんだもんな。そう思って・・アスランはそのキャミソールの方の紐を外して落としてしまう。
露になったその・・張っている胸に、唇を寄せて・・先端の突起を吸う。
カガリのアスランの髪を梳いていた手が止まり・・アスランは唇を使いそこを扱くと、カガリは少し熱っぽい吐息をアスランにかけた。
「・・カガリの息子に生まれても・・良かったかもしれない。」
「馬鹿言うな。息子じゃ・・・・恋愛対象にはいらないだろう。」
「・・でも・・カガリに甘えられる、無条件に・・愛されるだろ?」
瞳が合うと、カガリは困ったように笑っていて・・それがまた艶っぽくてアスランを誘う。
抱き上げて寝室にいき・・ベットに横たわし、アスランも一緒に倒れる。
細い腕が・・アスランの首を回り、アスランはその美しい肌に無数の所有痕を残していった。
******
「ッ・・あぁ・・!ぁ・・ゃ・・ぃた・・」
久しぶり・・本当に久しぶりに、体内に入られカガリは身を捩りながらもその快感を脳に刻む。
アスランも・・悦さそうに顔を歪めて・・「カガリ」と耳元で、言ってくれていた。
繋がれた事が・・夢みたいで、カガリは大粒の涙を零すと、アスランは「痛いのか?」と聞いてきてくれる。
「・・・アスラン・・っ・・あすらん!」
私も・・嬉しいんだぞ。本当に。
・・素直に、口に出して・・甘えられないけど。でも・・
「愛してる・・っ---------」
その一言に、アスランの気持ちも溢れて、眼を見開いてから・・腰の動きが早くなった。
カガリも自分の心を吐くように腰を動かしてしまう。アスランはそれに・・快感に顔を歪めて、身体の中で精を放っていた。
「・・・・・・・・・・ごめん・・カガリ・・。」
まだ痺れが残る体で、アスランはすぐカガリに謝り・・でもと身体を抱きしめる。
ああ、本当に久しぶりだと・・アスランは記憶と身体から感じ嬉しくなっていた。
「アスラン・・。」
まだ濡れる金褐色の瞳の、アスランはまた心臓の鼓動が早くなるのを感じる。
「・・どうした・・?」
今日は・・・本当に情けないほどカガリに甘えたと思う。だから・・。
カガリの髪を梳いて、額にキスをして・・・・そしてその眼を覗き込む。
俺に・・甘えて。今だけでも良い。意地っ張りで・・一人で何処までも頑張ろうとする君。
はけ口が・・俺であって欲しい。
「・・・ごめんな・・-------------でも、あの時は・・そのほうが良いと思ったんだ。」
申し訳なさそうにでも・・ハッキリと言われ、アスランも頷いた。
「そう・・かもしれない。でも・・君が居なくなって・・辛かったよ。正直。」
傍にい続けてもらえなくてではない、記憶から・・消されてしまうなんて。
「でも・・何度忘れても・・きっと何度も思い出す。」
そう言いきり・・アスランはカガリの細い体を抱きしめ、カガリの顔を覗き込んだ。
・・でも、願わくばもうわすれたくないよ、と、付け加えて。
「・・がんばろう・・お互い、国民にも・・認めてもらえるように、私も頑張るから・・お前も・・・・」
"そして・・正式に、結婚しよう?"
その言葉にアスランは眼を細めて、カガリの唇と自分のものを深く合わせていた。
暫くして離し・・会話を続ける。
「カガリから・・そんな事言ってもらえるなんて、夢みたいだ。」
「頬つねろうか?」
「・・こら。」
恥ずかしいのかふざけてきたカガリを少し怒り・・手を頬から引かせる。
「・・俺・・本気で頑張るから。国の為に・・カガリのために。」
そう言い、アスランは胸にあるカガリからもらった赤い石を握る。離れていても・・きっとこれがあれば大丈夫だから。
その表情にカガリは微笑んで・・そしてアスランに忠告をする。
「・・ギルと・・ラウに気をつけろ。少なくとも・・ギルは、私とお前を殺そうとしていた。」
「・・・・俺?」
「ああ・・私に、お前を殺せと・・言ってきてから。・・拒否して、あのざまだ。」
「・・そう・・だったのか・・。」
「・・・信用できる奴、作っておけよ。本当に・・アスランの命が危険になってからじゃ・・・・・」
アスランの言う・・支えてくれる人は、当然カガリで・・、でも、命を任せられるほど・・頼れる奴なんて・・いない。
キラとかなら・・だが、キラだってもういない。
「・・イザークとか・・・・・いつも、お前の事気に駆けてる。」
「・・?そうだったか?」
「ああ・・、それに、・・ディアッカだって・・きっと、お前の事、友達だと思っていた。」
そういわれて・・アスランは少し嬉しくなるのを感じていた。
いつも・・一人だと、思っていた。いや・・思い込んでいたのかもしれない。
カガリの指先が・・優しく頬を伝い、その感覚にゾクッとして、また徐々に、そういうテンションが上がってくる。
「・・分かった。--------・・カガリ。」
そして・・もう一度繋がった。
「・・じゃあな、アスラン。」
「ああ・・・・。」
そう言って、去って行く愛しい人をアスランは見送る。
そして今二人で寝ていたベットに・・もう一度乗り、シーツを掴んだ。
「・・・----・・。」
幸せって・・こういう事を言うのか。
そう泣きそうなまでに感情が高まるがかっこ悪いので涙は出さず、これから国をどうするか考える。
・・一番傍に控えているビックイベントは・・間違いなくラクス・・いや、ミーアとの披露宴だろう。
だが・・。
どうしよう、
すごく・・・・・嫌だ。
確かに、男女平等になったと言う名目の元、王が后を選び、それを国民に見せることは大切だと思う。
でも・・そんな、偽りの愛。俺が好きなのはカガリだけだ。
「おかえりなさい!!!カガリ様っ!」
部屋に戻れば、ルナに明るく迎えられ・・カガリも「ただいま」と笑った。
中には・・お茶が用意されていて、もう夜も遅いのに・・わざわざ待っていてくれたんだと、少し申し訳なく思う。
「・・どう・・でしたか?王と・・話し合い。」
「そうだな・・あいつ自身はいいんだけど・・周りのギルとラウが、やっぱり少しきな臭い。」
そう言ってお茶を啜ると、ルナは困ったように笑い・・そして、ルナ自身もお茶を飲んで見せた。
「・・・気のせい・・、かも、しれませんが・・王はカガリ様に気が在るんじゃないかって・・正直思ってました。」
「・・うーん、どうだろうな?私はよく分からないんだが・・・・」
「・・・綺麗な人、ですよね。藍色の髪で、翡翠の目で・・・・・・・・」
そこまで言われ、カガリは溜息を付く。
はー・・馬鹿アスラン。ばっちりばれちゃっただろう。
「・・・あの二人の・・父親だといいたいんだよな、ルナは。」
「いえっ・・えっと、はい。あの・・・」
尊敬する人に、傷が出来たような見方に・・カガリは少し哀しく思えてきて、でももう言うしかないだろうなとも思う。
仕方ない・・でも、アスランが好きなことに嘘なんてない。
「そうだ、-----・・ミボシと・・ホムラの父親は、アスランだ。」
改めて、それが真実だと確認すると、ルナの顔には明らかな困惑と、そして非難の色が上がる。
当然だ・・ルナの、親だって・・ザフトのものに殺されてしまったのだから。
「・・・・本当は・・隠すべき事だとおもって・・隠しておいたんだけどな。・・今のルナのように・・不快に思わせてしまうから。」
でも・・ザフトのもの、プラントの王・・・それだけで、相手を非難するのは・・嫌で。
それをルナにも分かって欲しかった。
「・・・・でも・・ルナ。プラントのものだから、ザフトの者だから・・・悪いなんて事はない。」
「で・・、でもッ・・・・・!!あの人は王なんですよ!!?カガリさまだって・・オーブの・・っ」
そう言ってくる・・ルナの気持ちも・・痛いほどよく分かるような気がする。だって・・私だって・・
「・・私の父は・・アスランの父に殺された。」
「ッ・・じゃ・・あ、なんで・・あんな・・」
「・・・あいつは悪くない・・・。最初から、私はアイツを・・恨んでなどいなかった。・・・父親は別だが・・・」
「一緒じゃないですか!!あの人だって・・ザラなんですよ!」
涙声で叫ばれたルナの声に・・カガリは目を開き、これが・・普通なのか。と改めて確認させられてしまう。
ザラ・・・・・・・それは、家に過ぎない。アスランは・・アスランなのに。
私が・・アスハではなく、カガリであるように。
「・・ルナは・・メイリンとは違う。同じ・・家でも違う。」
「そんなの・・っ」
「・・それと、何が違うんだ?」
「ッ・・!?」
「アスランは・・アスランで、パトリックは・・パトリック。私はカガリだし・・・お父様はお父様だ。」
「でも・・っ!そんな、だって、国民だって・・納得するはず・・」
「しない・・・だろうな、でも・・私達は、頑張りたい。家柄で・・自分の事を、決めて欲しくはない。」
「・・カガリ様っ・・あなた・・オーブの女王・・・・・なんですよ・・?」
「分かっている、国民が・・ルナが、それを嫌がるのも・・分かっている。」
「なら・・ッ・・どうして---------」
ルナはいよいよ泣き出して、カガリは黙って近寄り・・肩に手を置くと振り払われてしまう。
その払われた手に、カガリは・・虚しくなって、ルナを見つめていた。
「・・・ッ・・そんな、あんな、、、プラントの王に・・抱かれた人に何て・・・・」
"触られたくない"
「・・・・・・・・・・・・・・そう・・か。」
これが・・
現実。
そうして・・・ルナは部屋から走り去っていて、シンのところにいったのだろうかと漠然と考えていた。
シンが・・聞いたら・・・・・・・・ルナ以上に、怒るのだろう。
バフッとベットに倒れて・・カガリは少し身を捩り、腕を瞼に当てる。
「・・本当に・・頑張らないと・・・・・・・・・・・・・・」
国、アスラン・・・・・・・・。
どっちも・・大切だから。