ディアミリです。アフターストーリーでカガリ達が爆破事故にあって入院している間の話


附属章

「・・・で?」
彼女は中々しぶとい・・・そんな事良く知っているさ。



***我が儘はどっち?***


「何で私があんたと買い物にいかなきゃならないの?」
せっかく長い間オーブに留まる事になったんだ。この機を使わない訳が無い。
「・・・別に・・嫌なら良いけど・・。」
そりゃ別れて一年経つけど・・・。もっと優しくしてくれてもいいと思った。
「そ、じゃあね」
そうそっけなく去ろうとするミリアリアの手を必死で捕まえた。
「何?」
迷惑そうに振り向かれる・・だがミリィは本当にいやな時はもっと過剰に反応すると知っていた。
「・・・お前のやる事に付き合いたいんだけど。」
と、正直にそう言うと
「よく言うわよ・・あんた、私が写真ばっかりとってるのが嫌だったんじゃないの?」

休日のミリィの日課は写真撮影だった。そう、これが原因で別れた。そう言っても過言ではない。
ヤキンが終わって直ぐに付き合いだしたが、しょせんプラントとオーブ・・遠距離恋愛にもほどがあった。
それに休みが取れてもミリアリアが「わるいわね、その日もう取材地予定が入ってるのよ」と言われ断られる事もしばしば・・・。
そして一年が過ぎそんな生活に疲れついに口にしてしまった。
「お前さ・・もうチョッと一緒にいたいとか思わないわけ?」
「思わないわよ。」
即答で返されショックを受ける。
「お互い、仕事が優先でしょ?」
それは付き合いだして俺がプラントに行く時にそう言った言葉だ。
「そうだけど・・・。」
自分から言った事なので何ともいえない気分になる。
それからまた一年が過ぎる、しかし今度は割りとよく俺が休みの時会ってくれた。
しかし、ミリアリアの撮った写真を見ていて気が付く事があった。
「・・・此処って・・?」
「?つい最近内乱が起きたところよ?」
なんと地球軍の勢力下まで行き写真を撮っている事が判明し強く反対した。
「別にいいでしょ?!ディアッカには関係ないじゃない!」
「良くない!!怪我でもしたらどうするんだ!」
その言葉を言った直後少し驚くミリィ、本音を言ってしまい赤くなる俺。
そしてしばしば沈黙が流れるが、決して嫌なムードではなかった。
だが、俺の誕生日ミリィは「ゴメン・・今日急用が入ったわ。」と通信が入り少し怒った。
「・・・何?彼氏の誕生日より、仕事が大事なの?」
ミリィの誕生日は祝ってあげたのにとため息をつく。
その日休みを取るのだって一苦労だったのにとミリィに悪態をついてしまった。
「・・・そう。じゃあ別れるわ。」
「勝手にしろ・・・ってえ!!?」

ブチ!!!

それで通信は途絶えてしまった。もちろんその後、後悔やらなんやらの渦に巻き込まれる。
その後、性欲処理とかで女を捕まえるが誰も気に入らずしょっちゅう変えていた。


ミリィに「じゃ、コレ持って」と言われ撮影に使う脚立などを持たされる。
そしてオーブの少し高めの山に登るが・・彼女もよくまぁナチュラルなのに軽がると登るのだろう。
のぼり終わると既に時は正午に近かった。
「此処、それ置いて」
「あぁ・・。」
そこは誰もいない野原のように開けた所で気持ちが良かった。
そして腹が減った事に気が付く。もちろん食べ物なんて持ってるはずが無い。本当はレストランで食べる予定だったのだ。
ミリィは寝転がり空を見上げる俺を何となく見下ろし、リュックに手を入れている。
「はい。これ。」
そう言って出されたのはお握りだった。
「あ!これ!!おにぎりじゃん!!」
「あんた、よくマイナーな名前知ってるわね・・・。」
おにぎりと言うのは日本と言う国食べ物の名前で、ディアッカはあの国の文化がすきだった。
起き上がり食べているとミリアリアが寝転がり空を眺めていた。
そしてカメラを構え、美しい空とオーブの海を撮る。
「そういや・・お前もうフリーのカメラマンやってないのか?」
「休業中。世界が本当に平和になったらまた再開よ。」
ミリアリアの作ったと思われるおにぎりは美味しかった、けど少ししょっぱい。
でも、そんな事言うと食べるなとか言われそうだから黙っていた。
そしてため息を付いてから起き上がるとミリィもおにぎりを食べだした。
「・・・今日の少し塩辛いわね・・。」
そう言ってポットを出しお茶を飲む。それを羨ましそうに見ていた。
「・・・飲む?どーせあんたのおにぎりも塩辛いんでしょ?」
そして同じコップを差し出され少し嬉しくなりながら受け取る。
「お!久しぶりの間接キス?」
その言葉にムスッとしたミリィを見て軽く焦った。
「嘘嘘!!ちゃんと口つけてない所にするって!」
黙ってハイと渡してくるミリィがなんだか微笑ましかった。
そしてミリィは花や木の写真小鳥の写真、時折家族で来る人の無邪気に遊んでいる写真・・・。
色々な物を撮っているのを横目で見ていた。
それにしても、実に楽しそうに撮るもんだと思った。正直な所俺と一緒にいるより楽しそうだ。
外が夕焼けに変わり、そのプラントにはない変化、雲の動き波の動き・・・それらにうっとりしてしまう。
「・・・地球ってこんなに綺麗なのよ」
いつの間にか隣に来たミリィは少し得意げにそう言った。
そしてその嬉しそうな顔にまたうっとりし、肩に手を回す。しかし嫌がらず黙っていたのでそのまま丘を下った。
街に入ったところで外食に誘う。そう、本来今日の目的は寄りを戻す事だった。
曖昧な返事だったが一緒にレストランに入り注文し、その話題に振り切った。
「なぁ・・ミリアリア・・・俺ともう一回付き合わない?」
その言葉にミリアリアは急に目を逸らす。そして丁度良くきた食事に手を出して黙って食べてしまう。
そんなこんなんで結局食事中はろくに話も進まず、帰り道となった。
「送っていきますよ?お嬢様」
ふざけて言うとミリアリアは「いらないわ」と言う。
さすがにムカッとし腕を掴むと「痛い!」と言われてしまい力を緩めた。
ミリィの腕はさすが女・・それにナチュラルと言うこともあるだろうがか弱く見えてならない。
「・・・あんた・・やっぱ馬鹿ね」
そういきなり言われ首を傾げた。
「じゃあ、ミリアリアは我が儘だ。」
それは前々から思っていた。冗談交じりで言ったのでそこまで強く届いていないだろう。
大体遠距離恋愛でスケジュールを開けない事態で我が儘だと思う。
「あんたの方がずっと我が儘じゃない!!」
ミリィは怒ったように言い、少し驚く。
「なんなのよあんた!あんたが言ったんでしょ?仕事を優先しようって!」
その言葉には言い返せませんと軽く首を下に向ける。
「なのに!なんで私の誕生日の時無理してきたりするの!!訳わかんない!」
ミリィが何をいわんとしているのか理解出来なかった。
「え?ミリィそれどういう事?」
聞き返すとミリィはフンッと顔を背けてしまう。
「私はね、あんたが仕事優先っていうから頑張ってるって言う面があったのよ、少なからず。」
肩から息を下ろすように吐き出し
「なのに、あんたが仕事優先しないで来てどうすんのよ、それでどうして私があんたに怒られるの?」
それは・・と口を開いた
「危ないだろ!まず!」
その言葉にミリアリアは余計に声を荒げた。
「あんたの方がずっと危ない思いしてるじゃない!!モビルスーツに乗って、戦場に行って!!!」
そのミリィの顔を見て少しハッとする。
あぁ・・・そうなのか・・と少し頬が緩んだ。
「何よ、いきなり・・・。」
「心配までしてくれてたんだ。」
そう、ミリィは初めから自分の仕事の心配、生死の心配をしていただけに過ぎないという事に気が付いた。
最初別れると言って通信を切ったのはその前に俺が「お前の為に予定を詰めたのに」と言う言葉を聞いたからだと思う。
「勘違いしないでよ。」
そうやって彼女が俺の前を歩く。
振られている手に自分の手を伸ばし握ると、彼女も軽く握り返してくれた。
「ミリアリア」
「何?」
「・・・やっぱつきあおう。」
その言葉に足を止め、しかし振り返らないミリィに後ろから抱きつく。
「・・・勝手にしてよね。」


こうやって俺達の仲は復活した。












+++++
ディアミリ書いてみましたっそれも随分前に・・・。
言い訳・・していいですか?させてください。
ディアッカが自意識過剰に見えるほど思っていることは真実だと思います。。。
ミリィは仕事に専念しようと言われたからそっちを優先したのに、ディアッカに
「危ないから」とか「お前の為に予定を空けた」とか言われてムカついたわけですよ。
危ないのはあんたでしょ?仕事を優先しようって言ったのもあんたでしょ?って。
で、もういいわよ馬鹿。見たいなノリで分かれた。でも心配はずっとしてた。。。
って感じです。ハイ・・言い訳終了です。