「ディアッカ、貴様-----何ぼんやりしている!!」
そう後ろからイザークに怒鳴られて、耳に響いたその声を少し鬱陶しく思いながら仕事に目を通す。
-----ったく、折角の誕生日だってのに・・・みんな忘れてやがる。
まぁ・・そうも言ってられない急がしただから・・仕方ないか。
そう溜息を付いて、頭が痛くなったので薬を取り出した。
-----二年前・・彼女から貰った薬。
「バスターの整備で肩こった〜?」
「そうなんだよー、だからミリィ!お願い!!肩揉んで!!」
そう、馬鹿みたいにお願いすると、ミリィは渋々背中に周って肩を親指で押してくれる。
「・・・力・・弱くない?」
「文句言うなら止めるわよ・・・、キラにやってもらいなさいよ・・力あるから。」
例え力があろうと、男にやられるのは嫌だと首を振った。
「・・だったら・・文句言わないの。」
そうして頑張って肩をもんでくれるミリィがなんだかくすぐったくて嬉しかったのを今でも覚えてる。
それで、遠距離恋愛のままプラントに戻って・・そして誕生日ミリィから送りつけられたもの。
「・・・漢方?」
どうやら、血行を良くするものらしい。そして手紙も入っていた。
"オーブの漢方・・。プラントよりはずっと性能いいから直ぐ効くわ。"
"パソコンのいじりすぎとかで・・肩こった時とか使えると思う"
"それと・・肩こりから来る頭痛とか。まぁ適度に使ってくれればいいけど・・。"
"SP、一応・・誕生日プレゼント。おめでとう。"
---------ミリィらしい。
そして袋の中には大量の漢方薬が入っていた。
・・・それも、もう・・なくなりそうだけどな。
少し、感傷的になってミリィにメールを打つ。別れてからも時々・・本当に時々だがまだ交流はあった。
"漢方・・追加頼めない?"
それだけ打ってメールを送った。
「----・・何よ、私は肩揉み係り?」
そういいながらミリィは薬局に大量の漢方薬を注文した。
「あ、届けるのは・・プラントの------」
勿論お金はディアッカもちで。
"頼んでおいてあげたけど・・・お金は払ってよ。"
"・・・そういえば・・誕生日・・よね。おめでとう。"
それを見て苦笑しているとイザークにもう一発怒鳴り声を食らうことになった。